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青森県青森市 縄文の心をまちづくりに 三内丸山遺跡はブームの火付け役 |
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青森市企画調整課長補佐 |
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對馬修治 |
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青森市は明治三十一年四月の市制施行以来、昨年は節目の百周年を迎え、県都として、また交通の要衝の地として、都市機能が集積し、三十万都市になろうとしている。百周年のテーマを、「縄文の杜 みらいの森」とし、縄文時代から延々と続く歴史と、その上に立って二十一世紀という未来に向けて、新たなまちづくりへ取り組んでいる。
「大きい、長い、多い」がキーワード
本市は、六百九十二平方キロという市域の中に、約二百九十カ所の遺跡が確認されている縄文遺跡の宝庫である。その中で、三内丸山遺跡は、全国的にも注目を浴び、縄文の定説を覆す遺跡として、社会科の教科書にも登場している。この遺跡の特徴は、次の言葉で表現される。
「大きい」は、約三十八ヘクタールという遺跡の広さと集落の巨大性。
「長い」は、集落の存続期間が五千五百年前から四千年前の約千五百年間と推定され、まさに長期間継続したこと。
「多い」は、出土遺物の量が膨大であること。
このように、三内丸山遺跡は、縄文の総まとめ的な遺跡であり、現在の縄文ブームに火を付けたといえよう。遺跡見学者は、平成六年以来、百八十七万九千人(十年十二月現在)を記録しており、見学した方にもその喜びを倍加してもらおうということで、市民の発意で、「三内丸山遺跡応援隊」ができた。高校生から熟年まで、百十一人のボランティアガイドが登録され、常日ごろ一生懸命研修しているが、ともかく見学者の皆さんに喜んでもらえるような案内をと心掛けている。九年三月には国の史跡に指定され、現在、「特別史跡」へ向け、調査・整備を進めている。
縄文の原風景「小牧野遺跡」
市内の、もう一つの国史跡「小牧野遺跡」は、ストーンサークルをシンボルとする縄文時代後期の遺跡である。標高は約百四十メートル。北に、市街地など青森平野や陸奥湾、東に八甲田山を一望することができ、周辺は、西側に畑地が広がり、北・東・南側はいずれも樹木に囲まれており、幸いにも、二十世紀の建物、電柱などが何も目に映ることのない、縄文時代をほうふつとさせる遺跡である。平成七年三月に本市初の国の史跡として指定を受け、現在、「史跡公園」として整備するため、遺跡範囲の把握などを目的とした調査を実施している。自然環境を大切にし、縄文時代にタイムトリップした縄文景観から、縄文ロマンに思いを馳せ、古代の生活体験を肌で感じられるような史跡公園を目指している。
三内丸山遺跡は、観光面を意識しながら県主導で芸術パークと史跡公園による縄文アラカルト的な空間として、一方、小牧野遺跡は、人工物が目に入らない、神聖な場所としての雰囲気が保たれ、縄文の原風景がそのまま残っている「生きた歴史学習体験の場」として、それぞれの特徴を生かした遺跡整備を目指している。
初の縄文シティサミットも
縄文時代の遺跡を抱える全国各市による初の「縄文シティサミット」が昨年七月二十二日、本市で開催された。
準備期間が短い中、縄文遺跡を有する全国の主要都市四十七市に参加を呼び掛けた。その結果、青森市のほか、函館市、福島市、小矢部市が発起人となり、北上市、二戸市、大館市、鹿角市、塩尻市、恵那市、佐世保市の計十一都市の参加を得て開催した。
近年、至る所で、貴重な縄文遺跡が数多く発見されている中で、全国の遺跡都市が「縄文時代が心豊かな共生時代であった」という思いを持ちながら、縄文のロマンチシズムを全国に発信し、個性豊かな縄文シティとして交流と結束を高めたい。アカデミックな議論ばかりでなく、行政が新しい視線で縄文にアプローチし、まちづくりの方策を考えたい─これが、初の縄文シティサミット開催の動機だった。
サミットのテーマは、「縄文の美」。まず、縄文文化と類似点の多い、古代ヨーロッパのケルト文化の美について基調講演。そのあと、縄文土器などにみられる文様の美しさ、縄文人の心の美しさなど、目で肌で、そして心で感じることができる美。そこから二十一世紀を見据えたまちづくりのヒントについて、意見交換した。
本会議で、市長さんたちは、縄文のデザイン感覚を取り込んだTシャツ姿で討論に臨んだ。
「共同宣言」が採択されたが、骨子は、おおむね次のとおりである。
・交流のネットワーク化を図り、二十一世紀のまちづくりに向けて連携を深める。
・縄文の魅力、深さ、歴史的意義を全国および世界に向けて情報発信する。
・縄文のイメージをより明るいものに転換させながら、縄文の心や文化観の共有に努め、まちづくりの方向付けや活性化に積極的に活用する。
・「明るく」「心豊かに」「美しく」をキーワードに、魅力ある都市のデザインニングに努める。
次回のサミットは、富山県小矢部市で今年七月二十三日に開催される予定である。共同宣言を受け、交流のネットワーク化を図るため、「縄文シティ連絡協議会」を設立することになっており、いま加入を働き掛けている。今後も、自信と誇りを与えてくれる“縄文の心”を大事にしていきたい。
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