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10周年記念 地域づくりシンポジウム
21世紀の地域リーダー
活力ある地域の創造に向けて

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 全国地域リーダー養成塾(以下、リーダー塾)発足十周年を記念して「地域づくりシンポジウム」が、昨年十一月九日(月)、東京都港区のホテルフロラシオン青山で開催された。会場には、リーダー塾の修了生、現塾生、都道府県・市区町村地域づくり担当者、地域づくり団体関係者など全国から約二百三十人が参加した。
 財団法人地域活性化センターが平成元年度より開講しているリーダー塾は、発足以来、北は北海道、南は沖縄県まで総勢二百六十四人の地域リーダーを輩出している。この「地域づくりシンポジウム」は、リーダー塾発足から十年目の節目を迎え、二十一世紀を目前に控えた現在、あらためて活力ある地域づくりの方策や、地域を担う人材育成の意義を確認する目的で開催された。
 初めに、地域活性化センター吉田理事長の主催者あいさつ。リーダー塾の十年にわたる活動の様子と、地方分権が進む中での地域における人材育成の重要性について話した。次いで、来賓の自治大臣官房総務審議官の香山充弘氏、帝京大学教授の伊藤善市氏(第一期〜第六期リーダー塾主任講師)が祝辞を述べた。

「こころ」を持った人材育成が重要──鈴木氏

 続いて、基調講演として熊本県立劇場名誉館長の鈴木健二氏が、「ふるさとづくり、人づくり」と題し、三十六年間にわたりNHKに在籍した経験と館長就任後の体験に基づいて、講演を行った。
 鈴木氏は、NHKを退職後、熊本県立劇場館長に就任、熊本で得られる全収入を投じて熊本県立劇場文化振興基金を創設。
 その間、「岩戸神楽三十三座」の完全復元徹夜上演、「文政三年棒踊り」想像復元公演など、伝承芸能の再発掘や若い人たちへの芸能活動への支援などを通して地域おこしを行い、また障害者と健常者四千人の愛の大合唱「こころコンサート」を実現した。常に、地域住民のふるさとに対する思いと地域の歴史、“人のこころ”を大切にした地域の活性化を推進した。
 講演の中で、鈴木氏は、「地域を活性化させるには、“こころ”を持った人材を育成することが大切である…地域住民が“こころ”を一つにするとき、そこから生まれる感動こそが地域活性化の根本である」と述べた。また、「岩戸神楽三十三座」「文政三年棒踊り」の体験に基づき、地域の中に先祖代々引き継がれ、これからも伝承していく「伝承芸能のエネルギー」の重要性を説いた。これに関連し、地域における文化行政のあり方について、「その土地における地縁血縁の流れを認識しながら、地域住民に文化を配達することが大事である」と述べた。
 最後に、戦後、自らの奉仕活動をしたときのエピソードを語った。奉仕活動を通じて、一人の知的障害をもった少女に出会い、「今、これでいいのかという反省に基づいた向上心」「今、自分は人のために何ができるか、“人のために生きてこそ人”という奉仕のこころ」を学んだという。
 鈴木氏は、これまで、熊本県立劇場の館長として、地域住民の“こころ”を掘り起こし、全国の人びとに感動を与えることで地域の活性化に貢献してきた。鈴木氏の、功績と心温まる講演は参加者を魅了し続けた。

活発にパネルディスカッション

 続いて、「地域づくりの現場から二十一世紀を考える」と題し、パネルディスカッションが始まった。コーディネーターは、明海大学の森巖夫教授(現リーダー塾塾長)。パネリストには、静岡県掛川市長の榛村純一氏、福島県只見町のたもかく(株)代表取締役の吉津耕一氏、大分県国際交流課長の後藤佐代子氏、沖縄県野國總管塾運営委員長の豊永盛光氏(リーダー塾第七期生)、日本経済新聞記者の森野美徳氏を迎え、自らの地域づくりへのかかわりについて、順次話した。
 榛村市長は、地域と両親を尊敬する選択土着の教育の必要性、それを実現するために、地域と両親は尊敬されるに値する存在にならなければならないとし、掛川市では、「三しか運動」と称し、“今しか、ここしか、これしか”ない文化づくりを推進してきた。
 吉津氏は、只見町の九八%を占める山林を切り拓くのではなく、都会の人に山林に来てもらうという発想から、行政に依存した地域づくりから脱却すること、自分が本当にやりたいことを見いだすことの重要性を語った。
 後藤氏は、大分県に採用以来、約三十年間にわたり農政を担当し、農村の担い手である女性の経営管理能力の向上や住環境改善に取り組んできた。地域の活性化については、個人のスペシャリティー、オリジナリティー、パーソナリティーの重要性を語った。また、一村一品運動を基に、「人と自然との共生」「人と人との共生」「自前の文化」を推進する活動について語った。
 豊永氏は、野國總管塾において、自らの地域の自然、文化、歴史について学び、楽しみながら若者の人材を育成している。自分の地域に誇りを持って地域づくりを展開していくことが大切であると強調した。
 森野氏は、地域経済、都市計画、国土計画を中心に取材活動に従事。全国のさまざまな事例を踏まえ、「地方の時代」といわれた時代から、今日に至るまでの地域づくりの流れを説明した。

地域づくりは独自の観点で
──森塾長

 このあと、会場の参加者からの質問や提案もあり、壇上と会場が一体となってディスカッションが行われた。最後に、コーディネーターの森教授が、自分の地域づくりをどう進めるか、独自の観点で見つめることが大切であるのではないか、と締めくくった。
 午後六時からは、交流会。パネルディスカッションのパネリストも出席し、シンポジウムの参加者と地域づくりについて語り合い、交流を深めた。
 「地域づくりシンポジウム」の参加者にとって、講演会、パネルディスカッション、交流会を通して自らの地域を再確認し、これからの地域づくり活動に大いなる活力となったであろう。




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