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福島県会津若松市
求められる全体像構築の知恵
三セク設立、魅力アップ「のきさきギャラリー」

会津若松市商工課主査

押部隆弘

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 会津若松市は城下町である。文禄元年(一五九二年)に、領主蒲生氏郷が城下町の名を「黒川」から「若松」に改め、従来の黒川城を大改修し、鶴ヶ城と命名するとともに、後世に残る城下町の再編整備を行い、現在の会津若松市の基礎が築かれた。
 会津から他領へ通じる主要街道である白河街道、下野街道、二本松街道、米沢街道、越後街道は会津五街道と呼ばれ、そのすべての起点が大町札の辻であり、会津商業の中心地として大変なにぎわいをみせた。
 ここが、現在の「大町四ツ角」であり、「大町通り」と「七日町通り」の交差点である。
 いま、まちの姿は大きく変わり、人びとは車で郊外へと買い物に行くようになった。相対的に街中の商店街においては、多くの車が通過しても買い物客の姿は少なくなり、活気が失われていった。

老舗残す大町通り

1.のきさきギャラリー
 大町通りはJR会津若松駅から会津女子高校までの約一・五キロの通りである。古くは米沢街道として沿線商店街が形成され栄えてきた背景をもち、現在も漆器の老舗(しにせ)をはじめ歴史的建物や伝統的な店舗を残す通りである。現在は百六十八店舗ある。
 通りは七つの商店街で構成されているが、平成七年八月、各商店街が互いに協力しながらまちづくりを進め、商店街を活性化させようと、「大町通り活性化推進協議会」が結成された。
 この協議会の婦人部は「アネッサクラブ」の名称で活動している。「アネッサ」とは「アネサ」のことで、「アネサ」とは会津弁で「お姉さん」の意である。
 「のきさきギャラリー」は、各店が店頭に一角のコーナーを設け、年間を通し、会津の四季や暮らしを感じさせる花や調度品などの風物を飾り、歩道からガラス越しに見えるようにしたもので、九年二月、ひなまつりを第一弾のテーマとしてスタートした。
 歩いて楽しめる通りを女性らしく演出しようと企画したもので、商店街の魅力アップにつながっている。

2.野口英世青春通り
 大町通りの南側約五百メートルの周辺には、世界的に著名な野口英世博士が火傷の手術を受け、その後書生として青春時代を過ごした旧会陽医院や、洗礼を受けた教会などがあり、「野口英世青春通り」として活性化に取り組んでいる。
 四年五月に野口英世青春通り推進協議会が設立され、通りの活性化に向けて調査検討が進められた。
 野口英世博士が医学への第一歩を踏み出した旧会陽医院は、現在コーヒーショップ会津壱番館としてリニューアルされている。二階には「野口英世青春館」を併設し、各種資料の展示を行い、多くの人が訪れている。
 また、この通りは、かつて前述の十六の郭門のひとつ「大町口」があった通りで、通りに面する一角が外濠跡の空地となっている。この空地を利用して、毎年、フリーマーケット「青春市」が開催され、多くの人が来場しており、通りの歴史のPRとともににぎわいの創出につながっている。

街並み修景の七日町通り
 
 七日町通りは、大町四ツ角から西にJR七日町駅までの約八百メートルの通りである。越後街道が通り、交通の要衝として栄え、七日に市が立つことから七日町と呼ばれてきた。
 近世においては劇場や映画館、飲食店などが軒をつらね、会津若松市の繁華街として華やかな通りであったが、近代的な商店街の形成による人の動きの変化と近年の相次ぐ郊外店の進出などにより、著しい衰退をみた通りである。
 六年三月、通りに活気をとりもどそうと、「七日町通りまちなみ協議会」が設立された。現在は六十店舗。
 協議会がまず手掛けたのは、街並みの修景である。七日町通りには、明治から大正、昭和にかけて華やかさを誇った建物が数多く残っているが、多くの建物が個々別々の意匠で店頭外装を工作し、街並みとしての魅力を欠く結果となった。協議会の取り組みは、通りに立ち並ぶ建物の本来の姿を活かしつつ、歴史的な趣と魅力を最大限引き出そうとするものであった。
 協議会は、七年度街並みデザイン推進事業を実施し、活性化計画を取りまとめるとともに、景観協定を締結し、街並み整備に向け、具体的な事業に着手してきた。七日町通りがコンセプトとする「会津浪漫調の街づくり」の始まりであった。
 八年から二カ年で、市の助成を受けて十八軒が改装を実施し、一方で、空洞化の象徴ともいえる空き店舗に積極的な入居あっせんをすることで、これも県市からの助成により九年までに、六店舗がオープンしており、徐々に通りは変化しつつある。

懸命に活性化策を模索
 
 通りの特色を活かしつつ、商店街の活性化に取り組んでいる二つの通りを紹介した。現在、中心市街地の空洞化が叫ばれるなか、市内の商店街は懸命に活性化策を模索しており、このほかにも積極的な取り組みを継続している商店街、新たな芽が育とうとしている商店街がある。
 中心市街地活性化法に基づき、十年七月、市内の経済人を中心として第三セクター「(株)まちづくり会津」が設立され、活動を開始した。さまざまな支援制度を導入しながら、各種事業に取り組んでいく計画であるが、商店街にとって重要なのは、自らの商店街の特性を再確認し、魅力を高めるために何をすべきか、ハード・ソフト両面にわたる全体像の構築であり、そこに知恵が求められることになる。
 市でも、(株)まちづくり会津と連携しながら、商店街活性化に向けて汗を流していきたい。

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