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北海道斜里町
田舎でもできる、ハイテク商店街
オホーツクカード、行政区域越えて

オホーツクカード事業協同組合理事長 斜里町商工会会長

高橋宏治

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2百10加盟店、1万3千会員

 斜里町商店街は北海道八大商圏のひとつ、北見網走商圏に属する近隣型の商店街である。海岸線約百キロを有し、知床国立公園を抱える広い行政エリアに特徴がある。
 オホーツク海に面する網走支庁管内三市二十三町村のうち、斜里、佐呂間、訓子府、生田原の四町商店街が行政区域の枠を越えて手を結び、平成八年「オホーツクカード」をスタートさせた。佐呂間、訓子府、生田原町はセンターシステムのある斜里町から、それぞれ百〜百五十キロ離れている。
 「田舎でもできるハイテク武装型商店街」というのが、この事業の売り文句で、特徴は複数のサービス機能を盛り込んでいることだ。すでに稼働中のポイント、プリペイド、家計簿各サービスでみるカード会員は十年六月末現在、一万三千百八十一人に達した。
 この事業の本部は斜里ポテト協同組合に置かれ、スタッフはパートを含め四人(斜里ポテトの事務と兼任)。佐呂間、訓子府、生田原商工会に地区センターを置いて、ミニセンターシステムを設置。運用には各商工会の指導員が当たっている。
 四町の加盟店は二百十店に及ぶ。加盟店ならどの店でもポイントをもらえるが、それを使用するのは、もらった町の加盟店に限定される。
 会員が加盟店で百円の買い物をするたびに、一ポイント(一円相当)がカードに記録され、一ポイントから買い物代金の支払いや金融機関への預金、イベント参加費の支払いなどに利用できる。

購買力流出防止が狙い

 店の負担は町により多少の差はあるが、おおむね一ポイントを付与するごとに一・八〜二円。このうち、会員の買い物代金などに回す預かり金が一円、オホーツクカード事業協同組合の運営費が〇・三円、各町スタンプ会の運営費などが〇・五〜〇・七円となる。
 データは加盟店の端末から、夜間に斜里町のホストコンピューターに送信。ここで加工処理し、加盟店やミニホストコンピューターに送る。加盟店は必要に応じ、ホストコンピューターからデータをとり出すことができる。
 システムの原動力となっているのは、八千文字の記憶容量を備えた国際基準のICカード。メモリーを町ごとに区切って使用している。
 スタンプ事業を実施している網走管内十九町村すべてに広げることや、全体をひとつの仕組みで動かすことも、ソフトの変更で対応できる。拡張性、柔軟性に富んだシステムなのである。
 広域カード導入の狙いは、地元小商圏の購買力の流出防止と顧客情報の活用にある。管内最大の人口を持つ北見市やロードサイドには、大型販売店やホームセンターなどが立ち並んでいる。そのうえ、来年には道内二番目の大きさのショッピングセンターが北見市に建設される、ともいう。

クレジットサービスも提供へ

 各町の商店街では、かねて買い物額に応じてスタンプシールを発行し、客の固定化に成果を上げていた。しかし、情報を活用しにくいうえ、スタンプ回収率が消費税五%アップなどの影響で九六%と高く、組合の財政を圧迫し、従来の還元方式の見直しを迫られていた。
 四年四月、斜里のポテトスタンプ会が協同組合として法人化されたのを契機に、若手経営者が始めたカード研究会は、広域を念頭に置き、周辺町村に参加を呼びかけた。その結果、四町の賛同を得、このカード事業は開始された。
 幸い、広域化に伴うスケールメリットと町・道・国の支援もあって、加盟店の負担は月千五百円、組合運営費は一ポイント当たり〇・三円の少額に抑えることができた。
 このシステムは中小企業庁の「中小小売業広域カード推進モデル事業」の指定を受けている。全国に先駆けた広域ネットワーク型商店街多機能カードシステムの実験としてである。
 ハード、ソフトの導入費およびランニング費の負担軽減はもちろん、人的およびメンテナンス、組織運営上の問題点などもある程度明らかにされた。その実験報告は高く評価され、九年、第七回流通システム大賞中小企業庁長官賞を受賞した。
 オホーツクカード事業をさらに発展させようと、われわれは現在、このシステムにクレジットサービス機能を付加させる作業にとりかかっている。相手はクレジットで八割のシェアを誇る「協同組合日専連網走会」である。

常識覆し夜市を開催

 実現すればJCB、VISAなど六社のカードが使えるようになり、お客は高価な買い物もでき、売り上げ増につながると期待している。クレジットでの買い物には、通常の二倍のポイントを出し、普及にはずみを付けたい、と考えている。
 カードシステム利用の販売促進も、活発に行われている。販促日にポイントを二倍、三倍に増やす方法が多い。そしてまた、このカード事業は若手経営者の商業に対する意欲をかり立てるきっかけをつくった。
 彼らは同年十一月から毎月、夜市「ふらっとナイト」を開催している。零下十五度という厳寒の中でも近隣から人が集まり「冬だから、寒いから、夜だから人は来ない」という常識を完全に覆した。
 一枚二円のスタンプシールの発行事業は商店街のための事務所を生み出し、商店街を自力でサポートし、商店街に多くの資金をもたらした。オホーツクカード事業はわれわれに商人としての自覚、あるべき姿を示すきっかけを与えてくれた、といえるのではなかろうか。
 大店法廃止を控え、中心商店街の活性化が問われる今、こうしたソフトの上にどんなハード(町並み改造計画)が描かれるのか、町、商工会・商店街は、今年を基本構想の年度と位置づけ、二十一世紀に生き残る努力を開始した。

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