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まちづくり元年、三法の成立で “守”から“攻”へ、小売業者転換を |
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中小企業庁小規模企業部小売商業課長 |
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高橋英樹 |
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大規模店を適正配置
前通常国会で、中心市街地活性化法、大規模小売店舗立地法、改正都市計画法のいわゆる「まちづくり三法」が成立した。これらは疲弊する中心市街地の再活性化を図るとともに、「まち」の在り方に大きな影響を与える大規模店舗の適正な配置を図り、また、個々の出店に対して周辺環境との調和を確保するための一定の調整プロセスを設定することを内容とする法律である。
この三法に共通するのは、いずれもその運用が地方公共団体の手に委ねられている点であり、地元が責任をもって自らのまちの在り方や大規模店舗とまちとの調和を考え、これを実行することとなった点である。
これまでも、一定の範囲でこれらの事務は地方公共団体が実施していたが、それは、かなり限られた範囲であったり、国の機関委任事務であったりで、部分的にとどまっていた。その意味で、今回の三法は地方分権の方向を十分に体現するものであり、各自治体は自分のまちの在り方、とくに用途別の施設の配置や生活環境との調和などについて、自らの理念や目標を踏まえた対応ができることになる。
今回の三法の制定をきっかけとして、各都道府県、市町村は、勇気とやる気をもってまちづくりに取り組んでほしい。
全国の中心市街地における空洞化に歯止めをかけ、にぎわいと活力のあるまちづくりを進める総合的な対策として「中心市街地活性化法」が七月二十四日に施行された。
成否、TMOの手腕に
法律は1.市町村のイニシアティブを重視し、独自のコンセプトに基づき、中心市街地の活性化を図るための基本計画を作成、2.魅力ある商店街・商業集積の形成による「商業等の活性」と道路、駐車場、公園などの基盤施設や土地区画整理事業、市街地再開発事業などによる「市街地の整備改善」を一体的に推進、3.個店や商店街に着目した「点」「線」対策から「面(中心市街地)」へ対象を広げる商業などの活性化対策、4.独自性、先進性、熟度などの観点から基本計画に定められた事業について、関係省庁が連携・協力し、重点的に支援を行う─などとしており、平成十年度予算においては関係十一省庁で、総額数千億から一兆円に上る支援措置を確保しているところである。
通産省としても、中心市街地の商業などの活性化に関するさまざまな支援策を用意しており、とくに商業地域全体をひとつのショッピングモールとしてとらえ、業種ぞろえ・品ぞろえ(テナントミックス)の観点から「タウンマネージメント」的手法を導入し、多様な規模・業種・業態の店舗やコミュニティ施設などの計画的配置・整備を促進する。
このような活性化プランを、地域の実情に応じた構想として取りまとめ、中核的な事業推進機関の役割を果たすのが、タウンマネージメント機関(TMO)である。
中心市街地の商業集積の活性化の成否は、このTMOがいかに魅力的なプランを示し、地域の商業者のコンセンサスを作っていくかにかかっているといっても過言ではない。
国としても市町村やTMOなどの行うソフト・ハード事業への支援やまちづくりの専門家の派遣、育成などに対する補助など、万全の支援を行うこととしている。
特別用途地区設定を自由に
大規模小売店は、近年のモータリゼーションの進展やワンストップショッピングへのニーズの高まりを背景として、郊外への超大規模出店という形態をとることも少なくなく、それまでのまちの構造や住民の生活環境、利便などに極めて大きな影響を及ぼし得るものとなっている。
今回の都市計画法の改正では、大規模店舗の適正な計画的配置を図るため、都市計画上の用途規制をそのまち(市町村)のニーズに即して細分化、強化できるよう「特別用途地区」の設定を原則自由とした。
また、大規模小売店舗立地法は、周辺中小小売業者との利害調整のみを目的としていたこれまでの大店法に代わり、個々の大規模店の出店が周辺の生活環境や住民利便といった面に及ぼす影響を緩和するための調整を図ることをその内容としている。
要するに、これらの法律により、地元のまちづくりニーズにのっとった大規模店舗の適正立地と適切な出店を確保、実現することを目指すものである。
ただし、特別用途地区の設定は、都市計画区域に限定されるものであり、その面積は国土全体の約四%に過ぎない。その他は農地、森林地域などであるが、こうした地域に対して効果のある手段として択えられているのが地方自治体の独自の条例などである。
この条例は「まちづくり条例」と通称されているが、内容はニーズによりまちまちで、生活環境、景観ないしは大規模開発規制と、さまざまである。
立地法運用、都道府県に
また、その形態には、いわゆるゾーニング(面的用途規制)的なもの、手続き順守的なもの、その組み合わせなどが想定されるが、各市町村でこのような条例、要綱制定の動きがみられ、先例も増加している。
大規模小売店舗立地法の運用は、都道府県および政令指定都市が当たるものである。今後、運用のガイドラインなどの策定を急ぎ、二〇〇〇年央からの施行に向け、準備を進めることとなる。
ガイドラインは、大規模店舗の設置者が配慮すべき生活環境、住民・業務の利便の範囲などについて、具体的に記述するものであり、今後実態の把握、専門家による検討委員会の設置などを行い、おおむね一年以内を目途に策定する予定である。
まちづくりは、それぞれのまちの住民の責任と対応に委ねられざるを得ないことをわれわれ自身がいま一度銘記することが必要である。
とくに、それぞれのまちの商店街を中心とする小売商業者は、これまでのややもすれば、受け身的、守勢の立場から、積極的にまちづくりのための提案を行い、かつ中心となって実践していくという主体、攻勢の立場に転換していくことが求められる。
やや極論になるが、そのような対応なくしては、中小小売商業の将来もないという危機意識が必要であろう。今回の三法の成立により、「まちづくり元年」が開けたわけであり、行政、市民、商業者など関係各位の熱意あふれる取り組みを切に期待する。われわれとしてもまちづくりに向けたさまざまな取り組み、運動に対して法の運用、支援策の実施など、精いっぱい応援していきたい。
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