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沖縄県宮古島
宮古の味加工推進協議会
みゃ〜くの味で島活性化へ
女性グループの起業を支援 |
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特産物の品質向上と経営改善
宮古空港からタクシーに乗り、「宮古農業改良普及センターまで」と告げると、すぐに運転手が話しかけてくれた。「宮古島の活性化を支える基幹作物であるサトウキビも後継者不足という問題がある。サトウキビ農業を取り巻く環境も悪条件のため、若者に跡を継ぐように勧められない」。確かにサトウキビ農業の生産性の悪さ、気候、機械化によるコストなど問題は山積みである。しかし、ここ宮古には、さんさんと輝く太陽、細かい白砂と調和しながら紺碧に輝くエメラルドグリーンの海、ハイビスカスやブーゲンビリアなどの色鮮やかな植物、豊かな自然の恵みであるおいしい郷土料理がある。どれをとっても人びとを魅了して離さない島である。宮古群島は、沖縄本島から南西に約三百キロに位置し、宮古島、池間島、大神島、伊良部島、下地島、来間島、多良間島、水納島の八つの島からなり、六市町村に分かれている。「宮古」と書いて“みゃーく”と読む。平成六年度から県は農村女性のもつ生産者と生活者の視点を生かし、農産物などの地域資源を活用して農産物加工の起業を志向する農村女性グループに対し、安定的な経営を行えるよう情報の提供や経営指導などで支援し、農村女性の経済的地位の向上と地域農業の活性化を図るべく「農村女性グループ起業支援事業」を実施した。これまで宮古の各市町村で加工活動をしていた女性たちは、農業改良普及センターに集まり起業していくために必要な加工活動のあり方、衛生管理、経営管理、農林漁業資金の活用法についてさまざまなセミナーを通じて学んだ。その結果、これからの起業活動をもっと向上させ、地域の味を広く普及させていくため七年十月「みゃーくの味加工推進協議会」が結成された。“加工”とは、マンゴー・すいか・パパイヤなどの農産物、かつお・たこなどの海産物、これら宮古の特産物のなかでも規格外のもの、出荷の対象外のものを佃煮・燻製・砂糖天ぷら・黒糖漬などに料理し、宮古の味として商品にすることである。
味も好評のトライアスロン大会
「みゃーくの味加工推進協議会」の事務局担当である名嘉真さんは、多忙の中、快く取材に応じてくれた。
「みゃーくの味加工推進協議会」は現在、会員三十人。全員が女性であり、それぞれが六市町村ある島の各地域で農業のかたわら加工活動をし、生活している人たちである。会が結成されるまでの一年間は、加工品を計量するのに重要な計量秤についてや加工経営記録の工夫の仕方、加工施設、加工機器の減価償却費の算出の仕方、加工品の原価計算の仕方、食品衛生予防などさまざまな研修・講義・演習などが行われた。これら活動をするうえで大切な基本を身につけ、二年目からはいろいろなイベントに積極的に参加した。
宮古島での全国的にも有名なイベントのひとつに「全日本トライアスロン宮古島大会」がある。この大会での前夜祭・後夜祭において、交流会を行い、郷土料理コーナーで全国の参加者に「みゃーくの味」を味わってもらった。トライアスロン宮古島のマークの入ったケーキ、お馴染みのパパイヤゼリー、池間島のンムクミパンビンは、あっという間になくなってしまうほどの人気商品だった。そのほかにも、かぼちゃ天ぷら、じゃこぴー、かぼちゃパンビン(パンビンとは、小麦粉に砂糖を加え油で揚げたもの)、ぱなぱんびん、パパイヤかりんとう、ウコン菓子、いももち、モロヘイヤ入り砂糖天ぷら、いもかりんとうなどなど。どれもまぎれもない“みゃーくの味”である。みゃーくの味はどれも好評で、トライアスロン参加選手やその家族などが産物や料理について聞き取りする和やかな光景もみられた。
その後も毎年、トライアスロン宮古島大会の前夜祭・後夜祭に世界各地からの参加者にみゃーくの味を提供してきた。
みゃーくの味加工推進協議会は、各イベントに参加し、商品販売するだけでなく、それらの食品を加工する際に使用した油や揚げ菓子の油脂劣化状況や、漬物、佃煮、宮古味噌の塩分について実際に測定したり、栄養を考え、健康に十分配慮するなど、常に宮古の特産物の品質向上に力を注いでいる。
みゃーくの味加工推進協議会は、宮古島の特産物を全国に提供し、宮古地域を活性化するため、盛り上がりをみせている。しかし、協議会全体の活動として問題点がないわけではない。みゃーくの味加工推進協議会の会員は、六つからなる宮古の各地域で、それぞれ農業のかたわら商品の加工活動をしている。このため、各イベントに全員が参加できないこともあり、みゃーくの味すべてを一度に提供することは難しいという。事務局の名嘉真さんの願いは、「みゃーくの味のすべてを一度に観光客やイベントに提供できるようなショップを開設すること」である。そうすることで、より多くの人にみゃーくの伝統的な味を紹介でき、しかも、みゃーくの味加工推進協議会の活動自体もより一層盛り上がっていく。この問題も、みゃーくの味を伝えようとする会員の信念と熱意でいずれは達成してくれることを願ってやまない。
温かみのある地域づくり
今年度は、“自然と共生し、うるおいと温かみのある地域づくり”という目標を掲げ、恒例の宮古島トライアスロン大会では、郷土料理コーナー並びに特産品の販売とPR、宮古島物産展のふれあい市では、みゃーくの味のPR、爬龍船大レースの島うまーいもの市、ぷからす市では就労青年クラブとの共催による特産品の販売とPRを行うなど、各種イベントに積極的に参加した。ほかにも、定例会では、経営簿記帳の工夫(様式の検討・記帳方法)やラベルの表示方法(食品の適正期限について)などの勉強会も欠かさない。こうしたみゃーくの味加工推進協議会の積極的な活動と、その基本となる研修がイベントで参加者を喜ばせる力となっているのであろう。その力は、農産物加工の起業を志向する女性への支援であるとか、農村女性起業家の経済的地位の向上という会設立当初の目的をも凌駕し、宮古の自然に根づいた温かみのある地域づくり、地域活性化という大きな目標へ向かっている。
宮古の住民のみならず全国の人びとに、みゃーくの味を伝え、みゃーくの味に対する共感と感動を与える協議会の活動は、島の豊かな自然と、長く受け継がれてきた宮古の伝統を守り、地域の活性化に大きな役割を果たしていくことであろう。
みゃーくの味加工推進協議会プロフィール
●設立=平成七年十月 ●設立・運営主体=自主的組織
●会長=久高照子 ●会員数=三十人(女性のみ)
●事務局連絡先=宮古農業改良普及センター 名嘉真清美 TEL〇九八〇七―二―三一四九

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