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地方自治法50周年記念式典 天皇、皇后両陛下お迎えし挙行 堺屋氏「情熱持ち、地域間競争に挑戦を」 |
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「地方自治法施行五十周年記念式典」が十一月二十日、東京・丸の内の東京国際フォーラムで、天皇、皇后両陛下をお迎えして、盛大に挙行された。地方自治法が施行されて五十年の節目に、地方公共団体の一層の発展と民主政治の確立にさらに寄与することなどを目的に開かれたもので、式典のあと、作家・経済評論家・堺屋太一氏の記念講演、貝原俊民兵庫県知事、栗原勝静岡県浜松市長、黒澤丈夫群馬県上野村長らによるパネルディスカッションも行われた。
式典には橋本龍太郎首相(代理、古川貞二郎官房副長官)をはじめ伊藤宗一郎衆院、斉藤十朗参院両議長、山口繁最高裁長官、自治大臣表彰受賞者、地方公共団体関係者など約二千八百四十人が参列した。
式典は午前十一時開会。参列者全員が起立し拍手する中、天皇、皇后両陛下がご入場、ご座所の前にお立ちになった。と同時に、東京消防庁音楽隊が国歌「君が代」を吹奏。
終わって全員が着席すると、佐藤静雄自治政務次官が演壇に進み、高らかに開式を宣言した。まず、上杉光弘自治相が立ち「今日、地方自治が直面している課題は多岐にわたっている。とくに分権型行政システムへの変革はやり遂げなければならない。新時代にふさわしい自主的、主体的行政の実施が期待される」と式辞を述べ、今後、地方公共団体の責務が一層重要になることなどを強調した。
団体、個人三百七十を大臣表彰
次いで、地方自治功労者に対する自治大臣表彰が行われた。受賞は団体百七十六、個人百九十四の計三百七十団体・個人で、団体部門代表の大濱長照沖縄県石垣市長、個人部門代表者の鈴木俊一前東京都知事に上杉自治相からそれぞれ表彰状および記念品が手渡された。団体は市区町村、都道府県、民間の三分野に分かれ、市区町村は北海道女満別町、三重県宮川村、沖縄県恩納村など八十四団体。創意工夫による優れた施策で、地方自治の発展に寄与した、などが受賞の主な理由となっている。
都道府県は青森県産業技術開発センター、兵庫県福祉部長寿社会政策局、長崎県交通局など十五団体。卓越したアイデア、優れたチームワークなどで、めざましい成果を上げたことで選ばれた。
民間団体等は岩手県の山根六郷研究会、岐阜県の日本大正村実行委員会、北九州市南丘コミュニティ委員会など七十七団体。行政に積極的に参加し、コミュニティづくりに熱心に取り組んだことが評価された。
一方、個人は宮城県の平野博柴田町長、石川県の細川久米夫松任市長、宮崎県の甲斐重勝元諸塚村長など百九十四人で、多年にわたり公務に精励し、優れた行政施策や技術開発を行い、自治行政を発展させたことなどがその主な理由。
首相 まず、取り組まなければならぬ地方分権
引き続き、橋本首相の式辞が代読された。首相はその中で「地方分権は行政改革で、まず取り組まなければならない課題。国と地方の在り方を見直し、住民に身近な行政には地方公共団体が責任を持てる体制をつくることが重要である。地域の実情に沿った個性あふれる行政を展開してほしい」などと、自治体関係者への強い期待感を表明した。
このあと、伊藤衆院、斉藤参院両議長、山口最高裁長官がお祝いの言葉を述べ、地方自治体の役割が以前にも増して大きくなることや、個性豊かな地域社会の創造が一層重要になること、などを強調した。
続いて、決意表明が行われ、地方公共団体を代表して土屋義彦埼玉県知事が「地方分権は正念場を迎え、地方公共団体の真価が問われている。私たちは五十周年を機に、決意も新たに健全な地方自治の進展のため、懸命に努力する」と力強く述べた。
最後に、天皇陛下から「今後、個性豊かな地域社会を形成し、住民福祉の増進を図っていくために、地方自治の役割はますます大きくなると思われます。地方公共団体関係者はもとより全国民が協力し、地方自治の理念実現のため一層努められるよう切望します」とのお言葉を賜った。
午前十一時三十四分、遠藤安彦自治事務次官が閉式の辞を述べ、同三十五分、参列者全員が立ち上がって大きな拍手を贈る中を天皇、皇后両陛下はご退場になった。
埼玉、滋賀、沖縄除き過疎化へ
午後は一時半から堺屋氏が「分権と競争の世紀―地方自治の群像」と題する記念講演を行った。同氏はまず「日本はいま、大変化に直面している。第一は少子化・高齢化、第二はボーダーレス化、第三はソフト化である」と指摘。
「少子化で人口は減少し、二十年後に人口が増えるのは埼玉、滋賀、沖縄のわずか三県に過ぎず、あとは全部過疎化する。こうした時代の地方自治の在り方をとり上げることは極めて重要」と語る。
そして「地方分権の本来の精神は“自助”にある。昔の日本はそうだったが、成長時代、それをプロにやらせるようになった。しかし、人口減少時代には“自助”に戻らなければならない」と述べるとともに、「国や地方の施設、仕事も減らすことが必要」と強調した。
また、ボーダーレス化の時代には「日本だけの制度は通用しない」と前置きし、「欧米諸国が成功しているのは、激しい地域間競争が行われているからだ」と指摘。「いまの閉塞感を打破するには、自治体間の競争が極めて重要になる」と語った。
さらに、ソフト化について、堺屋氏は「従来情報はモノなどが動く手段と認識されてきたが、これからは情報それ自体に価値がある時代になる」と説き、「情報をつくり出す人材をいかに育てるか、地域に定着させるかが、これからの自治体にとって重要になる」と訴え、考え方の転換を迫った。
最後に、同氏は「世の中は変わろうとしている。それに伴い、地域間競争も激しくなろう。しかし、地方自治体は恐れることなく、夢と情熱を持って、それに挑戦してほしい。成功すれば立派な日本になる」と自治体関係者を激励、大きな拍手に包まれ、会場をあとにした。