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北海道夕張市 炭鉱から観光、そしてメロンに 生産四十億円回復に努力 |
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夕張市商工振興課企画開発係主事 |
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秋山俊輔 |
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夕張市は札幌から東に六十キロにあり、四季および昼夜の気温の変化が著しく、雨、雪とも多いところである。本市は明治二十一年、夕張炭田が発見されて以来、国内有数の石炭のまちとして発展した。しかし、エネルギー需要の急変から、二十四山の炭鉱も平成二年にすべてなくなり、最盛期十二万いた人口もいまでは約一万七千人となってしまった。このような急激な過疎化が進むなか、本市のまちづくり「NEW夕張」への計画がスタートした。
いまでは、夕張メロンのまちとして知られるようになったが、ほかにも昭和五十四年に市、農協、交通、金融関係機関が中心となって設立した第三セクターの「(株)石炭の歴史村観光」(資本金一億円、従業員百五十人)がある。当時石炭を採取していた本物の坑道に体験入坑できるという世界的にも貴重な施設「石炭博物館」をはじめ遊園地などを造り、年間(四月下旬〜十月下旬)五十二万のお客が訪れるなど、観光開発にも力をいれている。また、冬になるとMt.レースイスキーリゾートや「ゆうばり国際冒険・ファンタスチィック映画祭」などを開催し、「炭鉱から観光そして夕張メロン(農業)のまち」を合言葉に、まちづくりを進めている。
農作物の九四%がメロン
夕張メロンは、本市が生産している農作物のうち約九四%を占め、年間四十億円産業となっているが、その歴史をたどると、本格的に品種改良を始めたのは昭和三十年代からである。三十五年にはメロン組合が結成され、三十六年にアールス種とスパイシー種の交配に成功し、「ネットが完全に外観を覆い、肉質はサーモンピンク、甘味、風味とも優れた」一代雑種の「夕張キング」が誕生した。
以来、良品質の生産技術と農協共販体制の確立に努め、全国の夏の果実として名声を上げている。しかし、その裏には農家の苦労も多く、まだ雪深い一月に種まきが始まり、育成、定植、整枝、着果と一日も休むことなく、三カ月半メロン栽培に力を注ぐ。血と汗と涙の成果が初夏の風さわやかな五月に初出荷され、収穫は九月まで続けられる。
夕張メロンの生産量および生産額は別表(=省略)のとおり、ここ数年下降している。平成三年の八千二百トン、四十七億円をピークに年々下がり続け、八年にはついに五千七百トン、三十九億円と大台を割ってしまった。これは六月の結実期に低温が続いたこと、農家が減り作付面積が減少したことなどによるところが大きい。このため、現在生産四十億円台回復を目標に掲げ、努力している。
大人気のめろんゼリー
そこで本市は、市(農業)のさらなる活性化、また夕張メロンのさらなる付加価値を高めるため、昭和五十四年、夕張市メロンブランデー醸造研究所を設置し、世界初のメロンブランデーなどの研究を開始した。試験研究は手探りの中で始められたが、努力が実り、味、香りとも特色のある優れた新製品の開発に成功した。
五十九年二月には、(株)石炭の歴史村観光が製造免許を取得し、メロンブランデー、メロンリキュールの製造がスタート。メロンリキュールは同年八月から、また、メロン果汁をベースにした本物のめろんシャーベットは六十年四月からそれぞれ販売を開始した。主力製品であるメロンブランデーは、山峡でのまろやか成熟を経て、六十一年十月初出荷したが、これまでにないキレのよい飲み口と、フルーティな香りあるブランデーとして好評を博している。
この成功をきっかけに、市民の期待を一身に背負って次々と新製品の開発に力を入れ、とくに平成二年四月に販売を開始した夕張めろんゼリーは、夕張メロンを原料とした本場の味として絶大なる人気を得ている。道内はもとより生産量の半数は関東、関西に出荷するほどになり、現在では一村一品の枠を超えた人気商品となった。
他市町村の商品開発も
製造工場については、本市が事業主体となって新農業構造改善事業の補助を受け、昭和五十九年度に夕張市農産物処理加工センターを建設し、各商品の生産研究開発の役割を担っている。西欧風の気品あふれる建物は「ゆうばりめろん城」と愛称され、新しい観光施設となっている。メロンブランデー、メロンリキュール、メロンワインなどの製造過程が見学でき、観光客に大変喜ばれている。
また、六十三年度には、夕張市農産物処理加工センター第二工場が完成し、新商品の開発および製造が本格的に開始された。いまでは、他の市町村からも「うちの特産品を使って何か商品ができないか」と委託されるほどに成長している。
本市では、毎年八月に市と(株)石炭の歴史村観光(めろん城)が主催し、ゆうばりワインなどが飲み放題となる「ゆうばりめろん城祭」を実施、三千人の観光客や市民を招いて特産品のPR、観光夕張の宣伝をしている。このほか、週末になると数多くのイベントなどを実施し、市民と一緒になって市の活性化を図っている。
このように、本市では、イベントや物産展などを通じて「観光とメロンのまち夕張」としての認知を目指し、二十一世紀に向けて明るいまちづくりに取り組んでいきたいと考えている。近くにお越しの際には、ぜひ夕張市にお立ち寄りください。お待ちしております。
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