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新しい時代の地域づくり

徳島県知事

圓藤寿穂


 二十一世紀の幕開けが近づいています。
 国際化、情報化、高齢化などに代表されるように、私たちを取り巻く社会経済情勢は、時事刻々とめまぐるしい変化を見せ、五年先、十年先はどうなるのか予測することは難しい状況にあります。
 このような激動の時代、変革の時代にあって、私たちはその荒波にもまれながら、日々の生活を送らなければならないわけですが、そういった状況だからこそ、私たちは、地域との関わりをこれまで以上により強く持っていかなければならないのではないでしょうか。心の拠り所とでも申しましょうか、大空を駆け抜けた鳥たちが巣に帰って羽を休めるように、心からくつろげる安らぎの場所、それは生まれ、育ち、そしていま住んでいるふるさとではないかと思うわけであります。
 自分たちのふるさとを少しでもより住み良いところにしよう、そんな思いでこれまで多くの方々がさまざまな地域づくりの活動に取り組んでこられたわけでありますが、私は、これからの時代の地域づくりには、「個性」「創造」「自立」この三つのことが非常に重要なキーワードになるのではないかと考えています。
 それぞれの地域には、歴史や伝統に培われたそこだけにしかない本当の良さがあります。また、地域を見つめ直すことで、そういった部分は必ず発見することができるはずです。そんな魅力をどんどん引き出して、最大限に伸ばしていくことが、一番の基本ではないかと思うわけであります。
 また、私たちはややもすれば先進地や優れた事例を手本にして、右にならえということになりがちでありますが、これからは、前例踏襲や人まねではなく、失敗を恐れずに新しいことにチャレンジしていくという創造の姿勢が大事になってきます。
 最後に、「自立」ということでありますが、何かあると人に頼る、あるいはうまくいかないと人のせいにするといったことではなく、これからは、自分たちの地域は、自分たちの手で良くしていくんだという気概を一人ひとりが持つことが必要です。
 来春の明石海峡大橋開通を控え、徳島県はかつてない正念場を迎えようとしております。このような中、本県では、二十一世紀初頭を見据えた新しい徳島づくりの指針として、一九九七年度から二〇〇六年度までの十年間を計画期間とした新しい長期計画をこのたび策定いたしました。
 この計画では、県民の参加と地域の個性重視を重点において、「いのち輝く世界の郷(さと)とくしま」を基本目標としています。豊かな自然の中で一人ひとりの県民とそれぞれの地域が個性を活かし、いきいきと輝いている徳島、そして世界と直接結ばれ、世界の人たちを引きつける魅力ある徳島にしていきたいというのが、この言葉にかけた想いです。
 住民も行政も心をひとつにして、汗をかいてがんばる、そしてそこに住む一人ひとりが輝いていて、まち全体が小さくてもキラッと光るような魅力を持っている、これからの地域づくりにはそういったことが本当に重要になってくるのではないでしょうか。




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