|
|
|
|
|
21世紀の地域づくりへの提言 地方自治の確立に、全力を傾注 「分権実現」を正念場に |
|
埼玉県知事 |
|
|
土屋義彦 |
|
|
|
|
現在、わが国社会においては、これまで半世紀にわたる発展を支えてきた日本的システムの制度疲労が明らかとなり、規制緩和、経済構造の改革、行政改革など抜本的な構造改革が急務となっております。
また、今年は現在の地方自治制度が確立して五十年という節目の年でもありますが、明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革といわれる地方分権が実現するか否かの正念場を迎えております。昨秋、全国知事会長の要職を仰せつかった私といたしましては、今年を「二十一世紀に向けた改革元年」と位置付け、県政の抜本的改革に取り組むとともに、全国自治体の先頭に立って、真の地方自治の確立に向けて、全力を傾注してまいりたいと考えております。
豊かな彩の国づくり
私は、「環境優先」「生活重視」「埼玉の新しいくにづくり」を県政運営の基本理念として、「豊かな彩の国づくり」を積極的に推進しております。とくに、地域づくりに当たっては、県民の皆様が県内のどの地域に住まわれても豊かさを実感できるよう、全体として調和のとれた発展を図っていく必要があると考えております。
そこで、地域の個性に根ざした県土の調和ある発展を目指して、広域的な地域づくりの指針となる「彩の国地域創造プラン」を策定しております。このプランは、県土を東西南北および秩父の五つの複合都市圏に分け、それぞれを自然・歴史・文化などの特性を生かしながら、職・住・遊・学の諸機能を享受できる広域的な生活圏として育成しようとするものです。
また、今年四月には、この彩の国地域創造プランの具体化とその推進を図るため、「彩の国地域創造プラン地域計画」を策定しました。この計画では、地域づくりの基本的な考え方および県土づくりの基本方向を三つに分けて整理しております。
地域づくりの基本的考え
まず、「環境優先を基本とした地域づくり」です。農地や森林などの緑をはじめとする豊かで多彩な郷土の自然は、次世代に引き継ぐべき貴重な財産です。このため、地域環境の保全、創造をすべての施策の基本とする「環境優先」を基調とし、環境基本条例や環境基本計画、さらには環境と共生する土地利用指針に基づき、優れた環境を活かした地域づくりを推進していくものです。
次に、「生活者の視点に立った地域づくり」です。県民一人ひとりが、個性にあふれ、ゆとりと生きがいを持って、真の豊かさが感じられる生活を実現するためには、各々の価値観に応じた暮らしを選択できるようにすることが必要です。このため、生活者の視点を重視して、県民生活に直結するさまざまなサービスの充実に努めるとともに、特色ある質の高い地域づくりを推進していくものです。
最後に、「市町村が主役の地域づくり」です。「市町村が豊かでなければ、県や国の繁栄はあり得ない」という信条の下、私は市町村重視・現場主義に徹した県政を進めております。また、分権型社会における地域づくりは、それぞれの地域が自ら選択して、主体的に行うことが求められています。このため、地方分権の一層の推進と市町村重視の県政の展開を進め、県民生活に最も身近な市町村が主役となった地域づくりを推進していくものです。
県土づくりの基本方向
次に、県土づくりに当たっての基本方向ですが、まず、「世界に開かれた県土づくり」です。本県は、関東平野の中央に位置し、これまで、東京を中心とした放射状の鉄道や道路が大きく発達してきました。一方、近年、東京外かく環状道路や首都圏中央連絡自動車道など東西方向の交通網の整備が着々と進み、格子状の交通網が形成された交通の要衝性を高めております。
さらに、国の十省庁十七機関にも及ぶ関東ブロック機関が旧国鉄大宮操車場跡地のさいたま新都心に移転してくることや、本県の位置が複数の国土軸の結節点となることなどから、大きく飛躍する可能性を秘めています。こうした本県の持つ有利な条件を生かし、首都圏全体、日本全体、さらには海外までも視野に入れ、「世界に開かれ、自立性の高い特色のある地域が連携する、調和と均衡のとれた県土づくり」を目指しております。
次に、「自立性の高い県土づくり」です。国の関東ブロック機関の移転を契機として、さいたま新都心を中心とする地域に、業務管理機能や優れた文化施設、研究開発、情報など、高次の都市機能の集積を進め、新たな発展を図っていきます。また、さいたま新都心や各圏域の拠点となる都市と諸都市、農山村との連携を深め、それぞれの地域が機能を補完し合い、県全体が有機的に結びついた、自立性の高い、調和と均衡のとれた県土づくりを進めていく考えであります。
さらに、「県域を越えた交流・連携」です。東京圏はもとより、北関東や東北地方、甲信越地方などとの、県域を越えた広域的交流と連携を進め、地域が享受できるサービスの高度化や選択の多様化、交流による活性化を図るとともに、さらには、港湾や空港を介して、世界各国との交流と連携を深めていく考えであります。
以上述べた考え方を踏まえ、市町村はもとより県民の皆様とのパートナーシップの下、「夢と希望と将来のある彩の国づくり」「心の豊かさを実感できる彩の国づくり」「彩の国を担う人づくり」をともに進め、日本一のふるさとづくりを積極的に展開してまいりたいと考えております。
|
|
|