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鳥取県倉吉市 ロマンチック街道313倉吉市・中部地区協議会 313号を中国のロマンチック街道に |
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鳥取県倉吉市は鳥取県の中央に位置する人口五万二千人の小都市である。「森林浴の森日本百選」に選ばれた打吹山は町のシンボルであり、山陰随一の桜の名所で「桜名所百選」や「日本の都市公園百選」に選ばれたふもとの打吹公園は、豊かな自然に囲まれて市民たちが憩い、観光客の訪れる場所だ。この打吹山近くに立派な土俵がある。二十年も前から続けられている子供相撲がここで行われているという。いまでこそ子供の相撲大会は全国でごまんとあるだろうが、当時は裸になるのを嫌う子供が多かった、と相撲大会を始めたころを語ってくれたのは萬祥山大岳院の住職である中村見自さんである。彼こそ、今回の取材対象である「ロマンチック街道313倉吉市・中部地区協議会」の代表者だ。
では、中村さんが活動しているこの団体がどういうものかを説明するとこうだ。広島県福山市から倉吉市までを結ぶ、広島、岡山、鳥取の三県をまたがる国道313号線を沿線の住民や自治体などが協力してその魅力づくりに取り組み、地域振興を図ろうとするものである。これは、ドイツの「ロマンチック街道」を日本の中国地方でやろうというもので、このことを発想した福山市の高橋孝一氏の呼び掛けに応えたのがスタートだった。
中村さん曰く、「これは面白いなと思ったんですよ。313という数字はデザインしやすいし、覚えやすいでしょ。サンイチサンって」
知名度の低さ逆手に
確かに語呂がいい。福山市にしても、倉吉市にしても広島市や鳥取市に比べると知名度が高いとはいえない。覚えやすい「サンイチサン」でその縦のラインを強調し、一体としてPRし観光ルートとして確立できれば、お客さんにとっては地理的イメージを浮かべやすくなり時間的に余裕があれば近隣の三朝温泉や関金温泉へ向かうことができるだろう。313号線は、各々の地域が弱い部分を補いあって単独ではできないことができる可能性を持っている。近年、行政サイドでは広域的取り組みを積極的に推進しようとする動きもあるが、こうした民間サイドの活動との協力関係がうまくいくことでさらなる効果が期待できよう。いままさに、県境を越えた交流と共に313号線沿線全体のイメージアップが図られつつある。
好評の絵ハガキ作戦
イメージアップであるから当然イベントが活動の中心である。ロマンチック街道313倉吉市・中部地区協議会の活動では、道について考えるシンポジウムへの協賛や、「ふれあい桃梨道バザール」(桃は岡山、梨は鳥取を意味する)を実施した。「このときは道路わきで物産展をし、子供たちに太鼓をたたかせたりした」という。
また、好評なのが絵ハガキ作成だ。「『あのとき作ったハガキおシャレだったよね』って、後で酒飲みながら話せればいいんだよ」というように、自分たちの視点を重視して作る姿勢を持っている。多少の販売収益がでたものの、現在は売り切れ状態のままであり、観光客が訪れる古い町並みを残した玉川沿いの土蔵群近くにある小さな店の一角には、見本のみとなった絵ハガキが飾られてあった。新しく売り出すことも期待されるが、「面倒になっちゃって」と答えてくれた。
約百人の会員はいるものの実際に活動を支える人は十人程度の若い人たちである。「みんな同じメンバーで二〜三年すると飽きてきちゃうからね、できるだけ動いてくれる人が嫌にならないようにしている。その時々の面白そうだなということをやっている」という。昨年は「インターネットの時代だから」と関心を持ったため、ホームページの開設にいたっている。
(参考までに、アドレスはhttp://www.jascend.com/r313/)
今年は十月の犬挟峠道路トンネル開通に向け、何か(イベントを)をやろうと考えているんだと語ってくれた。
「寄り道できる道づくり」目指す
帰り際に、事務局となっている前田六仁事務局長のオフィスへ向かった。「これからは、経済的効果も考えられるような事業ができないかと思っている。県中部の一市九町村全体のイメージをはっきりさせていきたい」と語ってくれた。
同級生同士の二人の活動は、学園祭の延長上にあるようなものだという。しかし、そのような気楽な姿勢が、地域づくりをするうえでは大切なのではないかと感じた。無理をした道路づくりをして倉吉らしさをなくしてしまうのではなく、現在の良いところを、道を通じた形で地域の人に認識してもらい、それをよその地域の人に自慢できるようなまちにしていく。それには息の長い活動が必要であり、気負いを感じさせない彼らのやり方があっているのだろう。
実際、子供相撲大会は二十年も続き、現在は近隣から大勢の子供たちが参加している。中村さんが目指す「寄り道できるような道づくり」が続く限りは、きっと二十年経った後になっても、今回取材した倉吉の道に変わりなく、倉吉で生まれ育った人はいつまでもこの道を忘れないことだろう。
ロマンチック街道313倉吉市・中部地区協議会プロフィール
●設立=平成三年三月
●設立・運営主体=自主的組織
●代表者=中村見自
●会員数=約百人
●事務局連絡先=鳥取県倉吉市南昭和町五九 TEL 〇八五八-二二-三七七五