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高知県土佐清水市 漁業、観光の融合化図る 漁港をまるごと商品化 |
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土佐清水市企画広報室企画係主事 |
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金子利己 |
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土佐清水市は、四国西南端に位置し、黒潮が本土で最初に接岸する地である。さらに海岸線のほとんどが足摺宇和海国立公園に指定され、足摺岬を抱え、年間観光客は約百万人を数え、観光業は基幹産業となっている。
一方、足摺岬周辺海域に形成される西日本でも有数の好漁場を背景に、古くから水産業を中心としても、まちは発展してきた。魚種は黒潮にのってやってくる回遊魚全般だが、なかでも近海でとれるゴマサバは、清水サバと称し、刺し身で食べることができるほど鮮度が高く、美味である。
また、カツオの一種であるソウダカツオは、本市の水揚げが全国で最も多く、それを原料として製造される宗田節のシェアは約八〇%に達する。いずれにしても、昔から現在に至るまで、海とともに生きてきたまちといえよう。
このように観光業、水産業とともに発展してきた本市であるが、両産業とも将来の展望は決して明るいものではない。観光業においては、海外旅行の一般化や国内観光地間競争の激化などにより、観光客数の横ばい傾向がみられる。また、水産業においては、水産物の輸入の増加などによる魚価の低迷、後継者難からくる高齢化の進展と、環境は厳しさを増している。
しかし、そのような状況の中から、新たな取り組みも始まっている。足摺岬東岸に窪津という集落がある。江戸時代から捕鯨で栄え、本市の中で最も活気のある漁港のひとつだったが、ご多分にもれず人口流出、漁業者の高齢化が進んでいる。そのような中で、地域の元気を取り戻すべく、地元漁協が取り組んだことは、外から人を呼び込むこと、つまり、交流人口の増加策であった。
新鮮なサカナと漁港の雰囲気をセットして、いわば漁港まるごと商品化したわけである。現在、毎週日曜日に「窪津みなと朝市」を漁港で開催している。
平成七年の発足当初は、旅行代理店と提携。この結果、三カ月間ほぼ毎日観光バスが窪津を訪れ、多くの人びとが地元の新鮮な魚介類や、その他の産品を買い求めていった。
売り上げも順調で、地域ににぎわいが戻った。このにぎわいを続けたいとの思いから、朝市を恒常的に毎週日曜日に開催することとした。
いまでは、朝市に年間一万七千人が訪れている。それまで足摺観光への一通過点でしかなかった窪津は、大きく変わったのである。
窪津漁協の取り組みはこれだけではない。現在の漁業の大きな柱である定置網を体験型観光としても売り出している。一部のツアーにも取り入れられ、客足は順調に伸び、初年度の七年には約四百人の利用者があった。さらに、ホエールウオッチングを含めた足摺岬海上観光をはじめ、窪津漁港をまるごと商品と考えた取り組みは今後が楽しみである。
商業と漁業、一見関係がないと思われる業種だが、実はかかわりが深い。漁業は直接的に商品、所得を生みだす。漁業者の所得が増えれば、それが消費に回り、商業が活気付く。そのような考えから、若手商業者の取り組みが始まった。彼らが着目したのは、漁業と観光業の融合であった。漁業者が通常の漁をしながら、さらに所得が得られるような仕組みができないか、ということである。
まず、市の自主企画研修制度を利用してハワイへの研修を行い、カジキマグロを対象としたスポーツフィッシング大会のノウハウを学んだ。その成果として「足摺ビルフィッシュトーナメント」を始めたのである。今年ですでに五回目となるが、初回十艇(一艇平均五〜六人)だったのが今年度は四十艇の参加が見込まれ、西日本有数の大会に成長している。大会は四国沖の太平洋を舞台に三日間行われ、一番大きなのを釣った艇が優勝というゲームである。
実行委員会としては、すでにイベントとしては大きな成果を上げたと考えており、今後は、漁業者が自らがスポーツフィッシング事業に取り組めるようにしたいと考えている。大会は、最初から漁協青年部と一緒に運営されてきたが、漁業者の中には、すでに遊漁船免許を取得したものもおり、今後、漁業と観光の一層の融合が期待される。
いままでに紹介した取り組みは、いずれも行政主導ではないことに意義があるのではないだろうか。もちろん、行政としても補助事業の導入など、さまざまな側面的援助は行っているが、あくまで基幹産業の従事者が中心となったものであることが心強い。「自らの地域は自らの手で」を実践している好例であろう。
土佐清水市は、海から多くの恩恵を受けて、海とともに生きてきた。今後も海を活かした取り組みを進めることは、本市の活性化には不可欠である。幸いなことに観光業、水産業に従事している人たちの意欲は高い。
市としても、このような取り組みを支援する意味も含めて、「さかなのまち土佐清水」としての認知を目指して、イメージアップに取り組んでいき、にぎわいのある土佐清水市の実現を図りたいと考えている。
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