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神奈川県三浦市 複合施設、フィッシャリーナウォーフ 「海業」で活性化図る |
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三浦市市長 |
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久野隆作 |
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「海業」、これが三浦市が提唱する海からのまちおこしである。初めて見る人は「かいぎょう」と読まれると思うが、「うみぎょう」と読む。では、この海業とは? その前に本市の概要を説明する。
神奈川県三浦市は、東京から南へ六十キロ圏に位置し、一年を通じて比較的温暖な気候に恵まれている。人口は約五万三千人、マグロやスイカ、ダイコンの産地として水産業、農業が盛んな一方、都会の隣の自然として観光面でも人気のスポットである。
とくに、水産業は日本有数のマグロ水揚げ基地である三崎漁港を抱え、本市の基幹産業になっている。しかし、この遠洋漁業をはじめとして沖合、沿岸漁業も資源の減少、後継者難など、その環境は年々厳しくなっている。
そこで、水産業の活性化、地域の活性化のために、新たな視点から地域資源を生かすことを発想した。本市は、三方を海に囲まれており、海に関する資源は多種多様にわたっている。
まず、漁業に関しては、遠洋漁業では有名な三崎マグロ、沖合漁業ではサバやイカ、沿岸漁業ではキンメダイ、ムツ、イワシ、マダイ、アジなど新鮮な魚介類が挙げられる。
観光に関しては、年間延べ三十万人を超す釣り、油壺を中心としたヨット、三浦海岸は百三十万人を超える海水浴客、冬はボードセイリングで賑わう。最近はダイビングスポットも増えてきた。
また、景観面では、長く広い砂浜から荒波に洗われた奇岩・絶壁、歴史と伝統が息づく港町がある。そして何より海に生き、海に暮らし、海に学び、海と遊んできた人びと…、漁師、水産流通業者、釣り人、ヨットマンたちがいる。
この多くの資源を生かした、「水産業を核とした海から興るすべての生業(なりわい)」を軸としたまちおこし、これが「海業」によるまちおこしである。これを推進するために、さまざまな取り組みを行っている。
地元漁業協同組合でも、これまでの「とる漁業」「つくり育てる漁業」に加えて、「売る漁業」や「見せる漁業」などの多角的経営を始めている。
たとえば、市の海業施設のひとつである「みさき海業センター」を活用して、みうら漁協婦人部が地元で獲れた新鮮な魚介類を漁師のおかみさんの料理として提供している。
また、漁協の海業施設第一号である「金田海業センター」では、みうら漁協金田湾支所が毎日曜日、定置網で獲れたイワシやカマスなどを販売している。
海洋レジャーとのかかわりでは、みうら漁協通り矢支所や城ヶ島漁協がダイビング案内業を手掛けており、これまでの排他的関係から共存共栄の関係に移行しつつある。
行政の取り組みとしても、平成三年に神奈川県、三浦市、漁協、水産団体、民間企業などが出資して、「海業」の推進母体である第三セクター方式の「(株)三浦海業公社」を発足させ、さまざまな活動を行っている。
その事業内容は大別すると、三つに分類される。ひとつは、海業の事業化に向けた調査活動と企画・立案作業、二つ目は、セミナーやシンポジウムを通したPR活動、そして三つ目は、海浜を利用したプロジェクトを含む施設などの整備事業である。
この中で、現在、市を挙げて推進している一大プロジェクトは三崎フィッシャリーナウォーフである。これは三崎漁港の複合的高度利用の一環として、古い魚市場の跡地に荷さばき所、商業施設(産直所、飲食店、専門店)、コミュニティ広場、海業科学館(海をテーマとした学習型観光施設)などの大規模集客施設を建設しようというもの。十一年の着工を目途に県、民間企業、関係団体の協力を得て取り組んでいる状況である。
本市が「海業」を提唱してから十数年が経過した。初めは多くの市民が戸惑いを覚えたと思うが、いまでは漁業者、水産団体はもとより、県や国の水産関係部署にも海業の概念が浸透してきたように感じる。市内にもいくつかの海業関連施設が完成し、運営されている。
今後も三浦市は、その立地条件、自己資源、社会資源を活用し、都市と漁村の交流や漁業と海洋性レクリエーションとの調和を図りつつ海業を展開し、地域の活性化を図っていきたい。
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