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大阪府
民間の緑化推進に助成
少ない資源、人工の緑増やす

大阪府緑の環境整備室主査

原 貴美男

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●緑被率九・二%に

 大阪府は、平野の三方を北摂、金剛生駒、和泉葛城の三山系に囲まれ、西は大阪湾に面し、淀川、大和川と中小河川が府県境側から大阪湾に流れている。
 主に周辺山系にある森林は、面積、割合とも全国一低いレベルにある。しかも平野部は、東京のようにまとまった緑が配置されるという都市形成の歴史経過と異なり、もともと基盤となる樹林が少ないうえに、宅地や商工業施設等の都市的土地利用が進み、府民にとって緑の少ない街となっている。
 平成五年度に樹林・樹木による緑被地の調査を実施したところ、市街化区域内では、緑被率(樹林・樹木の投影面積が敷地面積に占める割合)が九・二%(昭和四十八年の調査では、五・二%)となった。しかし、市街地の緑は、府民に十分満足されるものではなく、今後より一層の緑の創出が望まれる。

●民有地での緑化を推進

 大阪府は、引き続き都市公園や街路樹を中心とした公共緑化を進める一方、その他の公共施設等での緑化については、面積的に限界があるので、市街地の大部分を占める民有地・民間施設での緑化の推進に積極的に取り組もうとしている。
 しかし、都市的土地利用の要請が強く、地価も高い大阪府では、民間施設での緑化を推進していくのは、大変難しい。
 これらの問題の解決には、個々の施設の性格や地域の特性などに合わせた柔軟な緑化施策と府、事業者(施設管理者)、地域住民がそれぞれ役割を担う緑化活動の展開が必要だ。効果的に市街地の緑を創出するには、さまざまな空間への緑化を府民と行政が一体となって行わなければならない。
 また、市街地の新たな緑の創造にあたっては、面的な拡大と共に、誰もが緑が増えたと感じる量感ある緑づくりや、自然性に富んだ緑づくりを進めることが必要だ。

●民間施設緑化推進事業

 大阪府では、こうした市街地での緑化等を推進するため、個人、企業、団体等からの寄付と府自らが拠出した資金を合わせて、「大阪府みどりの基金」(昭和五十八年設置の「大阪府緑化基金」を拡充。平成八年基金残高約九十五億円)を設置し、「市街地の身近な緑をふやす」「良好な自然環境を守る」ためなどの民間事業に役立てている。
 今回、この基金事業の中で、とくに市街地の緑化推進を担う民間施設緑化推進事業について紹介する。
 以前に比べて、民間施設の所有者や管理者には、自ら積極的に個々の施設に一定のレベルでの緑化に取り組むなど緑化推進の機運が盛り上がりつつあるが、土地利用面での制約や緑化費用の問題から、地域の緑景観を創造するような、また地域住民に潤いとゆとりを提供するような緑化までは行われていないのが現状だ。

●屋上緑化に助成

 このような民間施設の緑化実施状況の中で、市街地の豊かな緑の創出のため大阪府は、公共・公開性が高く、地域緑化のモデルとなるような民間施設の接道部(道路等に面する部分)や市街地の限られた緑化空間を有効に利用する屋上(人工地盤)などにおいて行われる緑化事業に対して、事業費の一部を助成している。
 この民間施設緑化推進事業は、植栽、土壌改良および関連工事を助成対象とし、接道部では対象経費の三分の二以内、屋上などでは三分の一以内を助成(補助限度額二千万円)している。事業地の採択に当たっては、広い視野での意見を取り入れるため、学識経験者などで構成される「大阪府みどりの基金委員会」を設置し、その緑化内容について審査し、決定している。
 本事業は、昭和六十年に当時の緑化基金を活用し、全国では数少ない民間助成事業として発足させた、「基金の並木造成事業」やその後の「緑化モデル事業」などを経て、これらを平成五年度に集約した。平成五年度から八年度までの四年間に府下の五十三カ所(通算では百二十七カ所)で実施されている。
 事業地は、大きく二つに区分される。
 ひとつは、地域の顔となるような豊かな緑景観を創出する大規模な緑化であり、十四カ所の実績がある。
 施設としては、鉄道敷、大学、大型商業施設や関西国際空港をはじめとするベイエリアでの大型流通施設や研修施設などが挙げられる。これらの施設は、総合的な土地利用が計画される地域で、直接的な緑の創出だけにとどまらず、先導的な緑化のモデルとしての役割を果たしている。
 もうひとつは、地域の身近な緑をつくる比較的小規模な緑化であり、三十九カ所の実績がある。
 施設としては、幼稚園・保育所、学校、社会福祉施設、病院や工場等が挙げられる。
 これらの施設では、花木や実のなる木を植栽し、四季折々の花を咲かせるなど、都市に季節感を醸し出すような緑や地域住民が直接、緑に触れてくつろげるような空間を提供する緑など、地域社会に溶けこんだ緑化が展開されている。

●平成十一年全国育樹祭

 大阪府では、平成十一年秋に全国育樹祭を開催することが決定している。
 全国育樹祭は、緑を守り育てることを通して、豊かな地域づくりに対する意識の普及啓発を図る意義深い行事だ。
 開催決定を契機として、今後も民間施設緑化推進事業等の積極的な展開により、都市における緑をとりまく厳しい環境の中にあっても、地域のモデルとなるような緑化や地域社会に溶け込んだ緑化を進める。緑の果たす役割の理解や身近な緑を増やし育てるための活動に、府民一人ひとりが積極的に参加、取り組みの輪を広げる運動を促進し、緑豊かな大阪づくりを進めていきたいと考えている。


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