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東京都三鷹市
「緑と水のシンフォニー都市」目指す
回遊ルートを整備

三鷹市緑と公園課緑化係長

福島照雄

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●緑と水の公園都市

 三鷹市が市制を施行したのは昭和二十五年。当時の人口は約五万五千人で武蔵野の面影を色濃く残す郊外都市だった。その後、都市化の波に見舞われ、いまでは昔の面影を見つけることのほうが難しいほど近代都市に変貌し、人口も十六万五千人に。しかしながら、市の周辺部には井の頭公園、野川公園、国立天文台など比較的大きな緑地に恵まれ、いまなお貴重な緑や水辺、文化財などの「ふるさと資源」が残されている。
 市では現在、西暦二千年を目標とする第二次基本計画で、高環境(公園的な都市空間の創造を目指して)と高福祉(豊かな市民生活の実現を目指して)とを市政の二大柱として位置づけ、新しいまちづくり諸施策が活発に展開されている。
 「緑と水の公園都市」とは、こうした三鷹市が目指す高環境の都市づくりの目標像である。それは、緑と水をまちづくりのキーワードにして、自然・道路・商店街・住宅地などからなる三鷹のまち全体を、景観やアメニティ(快適さ)を重視した公園のような空間にしていこうという考え。

緑と水の回遊ルート整備計画

 「緑と水の公園都市」を長期的な視点に立って実現していくために、緑と水を軸とした美しく快適な都市空間をどのように創りだしていくか、その具体策をとりまとめたもので(1)緑と水に交わる(2)緑と水が響く(3)緑と水を楽しむ―「緑と水の交響楽」をスローガンに二十一世紀へ向けて施策の体系的な展開を図ろうという実践的な計画として、平成六年六月策定された。
 この計画では本市の現状をふまえながら、市内を流れる野川・仙川・玉川上水(神田川を含む)を三本の「河川軸」、東西南北を貫く二本の幹線道路沿いを「都市軸」として、これらを都市の骨格として位置づけ保全充実を図っていく。
 そして、公園都市の核となる「ふれあいの里」などの拠点整備を進めるとともに、拠点と拠点を結びつける安全で快適な「みちづくり」によるネットワーク化を推進していく。
 さらに、本計画は災害に強い安全なまちづくりを目指すうえからも重要な役割を担っているといえる。
 拠点の整備は公園的な都市空間の核となり、三鷹の顔とも呼べるような質の高いアメニティ空間としての拠点づくりを進めていく。
 最重点施策として河川沿いの緑や水、歴史や文化などのふるさと資源を生かした三鷹らしさのあふれる空間として大沢、牟礼、丸池の三カ所を「ふれあいの里」として保全、修景整備を展開していく。また、三鷹駅前や芸術文化センター、総合スポーツセンターなど五カ所を「市民の広場」として施設と一体となった公園的な広場空間を確保した整備を図る。これら八大拠点ゾーンのほかに、回遊ルート上に地域の特性を生かした十カ所の「出会いのスポット」を設定するとともに、公共施設などのグリーン(緑)、クリーン(清潔)、クオリティ(質)の向上を図る。
 回遊ルートの整備は歩行者、生活者のための安全で快適な道路網(ネットワーク)づくりとして、幹線道路や生活道路を整備・充実し、みち自体を緑や景観に配慮した都市空間として再整備するものだ。
 これまで重点的に取り組んできた三鷹駅から市役所を結ぶコミュニティ道路の整備や玉川上水に沿った都市計画道路を自然環境や景観にも配慮しながら、市民生活と調和した歩車共存のみちづくりを進めている。さらに、商店街のにぎわい、歩道空間の快適性を取り入れたみちづくりなど、地域の個性を生かしたルート整備を進めていく。また、野川や神田川をはじめとする河川の環境整備は、河川管理者である東京都の協力を得て整備が進んでいるが、唯一取り残された仙川上流部の環境整備について、都市が失った水循環の再生と公園との一体整備による親水化や防災機能にも配慮した視点で検討が進められている。

市民参加による計画の実現

 この計画の出発点のひとつとなったのは、七つのコミュニティ住区(住民協議会)から平成元年に提案された「まちづくりプラン」の内容を生かし、行政として財政的な裏付けのある総合的な市の計画として体系化したものだ。市では今後、この計画を二十一世紀に向けた、市民と行政とが共有できる大きな目標像、まちづくりの夢として、その実現を目指した都市づくりを進めていきたいと考えている。
 さらに、この計画の実現には、行政が進めるハード面での整備はもちろんのこと、ソフト面も合わせて充実していく必要がある。そのためにも、「ふれあいの里」を中心として・環境教育の学びの場の提供・都市農業への理解の促進・管理運営体制の充実・市民の実践との協働・オンリーワンのまち三鷹の再発見・ふるさと三鷹を担う人づくりなどさまざまな視点を欠かすことはできない。
 平成八年四月に発足した(財)三鷹市まちづくり公社は、市民が主体となったまちづくりを進めるうえで、その実施を担う行政とのパイプ役として重要な役割が期待されており、着々と事業展開が図られている。
 その成果として、牟礼の里公園では地域の市民が公園管理の市民グループをつくり清掃や草刈りなど有償ボランティアとして活動している。また、いままで存在価値のなかった小公園の改修にあわせ、市民、専門家、行政が協働してワークショップによる公園づくりが行われ、今年中に実現することになる。さらに、丸池の里では「丸池復活」の整備プランづくりを地域の市民の参加を得てワークショップが始まっており、平成十一年度の完成を目指している。


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