地方公共団体の
国際協力の推進について

自治大臣官房国際室

 社会・経済・文化などの各方面にわたって、国際社会における相互依存が強くなってきている今日、地域レベルの国際化は著しく進展してきており、近年の地方公共団体の国際化施策は、単なる親善友好交流にとどまらず、自らがノウハウを有する分野における国際協力や経済交流など、その取り組みは多様化している。
 地方公共団体の国際協力は、海外の地域との共生、世界平和への貢献、人道的配慮などの観点からも極めて重要な意義を有するもので、その形態が住民、企業、民間団体など多くの地域の人びとが参加する裾野の広い、地域住民に密着したきめ細かな草の根レベルの国際協力事業であるところから、その活動に対する評価あるいは期待は高いものがある。
 自治省としては、これまで地域の国際化施策に対して、財政面でのさまざまな支援措置を講じてきたが、国際協力事業についても例外ではない。ちなみに平成八年度地方財政計画においては、国際協力に要する経費は約八十億円(国際交流に要する経費全体としては約一千二百四十億円)が計上されている。
 それでは、以下地方公共団体の国際協力に対する独自の取り組みについて、どのような財政支援を行っているのかを紹介する。

1.研修生の受け入れおよび専門家の派遣

 国際協力事業としてもっともベーシックなのは、研修生の受け入れおよび専門家の派遣事業ではないだろうか。地域の得意分野を生かした技術協力などは、「地域の特性を生かしながら、かつ相手地域の実情に応じた」きめ細かな国際協力事業として、今後一層の推進が期待されるものである。
 このような国際協力事業を実施する地方公共団体に対しては、都道府県については普通交付税の単位費用で「自治体国際協力事業」として、八年度では五千三百十六万円が措置されている。市町村については同じく普通交付税の単位費用「国際交流事業」のなかで、海外技術研修生受け入れおよび技術研修生受け入れ団体助成金として百八十万円が措置されている。さらに市町村については、特別交付税においても、国際協力事業に要した経費が措置される。もっとも、どのような事業でも特別交付税の措置対象になるわけではない。以下に要件を上げておきますので参考にしていただきたい。
●市町村が主体となって行う国際協力のための職員の派遣、海外からの研修生の受け入れであって、派遣または受け入れ期間が六カ月以上の事業。ただし、国庫補助事業を除く。
●派遣については、外国政府などの要請に基づいて、国際協力などの目的で海外政府などの機関に市町村の職員を派遣するもので、当該市町村が派遣職員にかかわる旅費および人件費を負担するものが対象となる。
●受け入れについては、外国政府などの要請に基づいて、市町村が技術指導などの目的で外国人研修生を当該市町村の施設に受け入れるもので(出入国管理および難民認定法上の在留資格が「研修」であり、在留資格認定証明書交付申請にかかわる研修受け入れ機関が当該市町村であるものに限る)当該市町村が当該外国人研修生にかかわる旅費および滞在費を負担するものが対象となる。

2.自治体職員協力交流事業

 地方公共団体の主体的な国際協力への取り組みを一層支援するために、自治省およびCLAIR(自治体国際化協会)は、八年度から自治体職員協力交流事業を創設した。
 この事業は、海外の自治体などの職員を対象として、日本の地方公共団体(八年度は都道府県および政令指定都市だけを対象としていたが、九年度からは一般市町村も対象に加えることにしている)で受け入れて、当該団体が地域の総合的な経営主体として蓄積しているさまざまなノウハウ、技術などを習得してもらうことにより、「ひとづくり」への協力を行おうというものである。
 この事業で来日した研修生は庁舎などで職員と机を並べ、六カ月から十カ月程度研修を受け、各受け入れ団体における専門研修のほかには、自治省およびCLAIRによる来日直後の専門研修や中間研修、あるいは文化財保護等個別分野での特別研修も行われる。都道府県がこの自治体職員協力交流事業により海外の自治体からの研修生を受け入れた場合には普通交付税の密度補正において、市町村の場合には特別交付税において、それぞれ一人当たり五百九十万円が措置されることとなる。
 なお、海外の自治体から研修生を受け入れることにより国際協力活動を推進したいけれども、現在海外の自治体との交流がない団体あるいは現在交流がある地域以外の地域から研修生を受け入れたいと思っている団体については、自治省およびCLAIRにおいて斡旋を行うので、気軽に相談していただければ幸いである。

3.自治体国際協力促進事業(モデル事業)

 自治体国際協力促進事業(モデル事業)は自治省による財政支援ではありませんが、CLAIRが八年度から行っている事業なので、ここで併せて紹介する。この事業は、自治体国際協力事業の中から先駆的な役割を果たす事業を「モデル事業」として認定し、一事業につき対象となる事業費の合計額の二分一に相当する額で、三百万円を上限として交付している。助成金の交付以外にも、地方公共団体の海外における活動支援、専門家によるアドバイスの提供、国際協力活動などに関する情報の提供など地方公共団体が行う国際協力事業に対する支援活動を行っている。



 以上、自治省およびCLAIRが行っている財政支援措置について紹介してきた。各地方公共団体におかれては、これら各種支援措置などを有効に活用していただき、一層創意と工夫にあふれた国際協力事業を展開されることを期待している。


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