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ゆたかさ多彩「生活創造」くまもと |
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熊本県知事 |
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福島譲二 |
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通潤橋は美しいアーチ型の石橋であり、その姿が清流に映える様は見事である。江戸末期、潅漑用水のために架けられたこの橋によって、郡内で一番貧しかった矢部郷の山里の大地は肥沃な土地へと生まれ変わった。これは、惣庄屋布田保之助の情熱と石工の技術が実を結んだものである。
熊本県内には、通潤橋や霊台橋をはじめ日本に現存する石橋の四割にあたる二百七十基の石橋群が残っている。これらは、江戸末期から明治初期にかけて活躍した当時のハイテク集団・種山石工の所産である。東京の旧二重橋、日本橋も彼らの手によるものである。
このように、熊本では独自の歴史や伝統、恵まれた自然を背景に、どの時代にも個性的な文化が生まれてきている。これは、その時代時代のそこに住む人びとの日々の知恵と暮らしの積み重ねであり、これからの地域づくりにおいても、暮らしや文化といったその地域
"らしさ" というものを大事にしたいと考えている。
昨年末、熊本県湯前町の山北幸さんが、地域づくりの表彰「国土庁長官賞」を受賞された。戦後の貧しい時代に地域の融和と女性の自立を目指して「下村婦人会」を発足させ、稲のしいなのほうきづくりに始まり、一・五次産業の元祖といわれる「市房漬」づくりなど、四十六年間にわたっての活動が認められたものである。
この活動で得た収入は、ほとんどが地域の子供たちのために使われたと聞いている。このような方々のがんばりがいまの日本を支えてきたことを決して忘れてはならないと思う。
人の顔が見えない開発型の地域づくりが受け入れられなくなりつつある現在、このように「頑張る人が主役となる地域づくり」が復権しつつある。次期全総の中間報告素案では住民一人ひとりの地域づくりへの参加と、地域の特性を生かした相互の連携を図る「参加と連携」がキーワードとして掲げられた。
本県でもワークショップという手法なども活用しながら、住民参加を模索している。また、地域づくりのリーダーたちが知事公舎に集まり語らう機会があるが、このように、いろんな所で、いろんな人が頑張っており、力強く思う。
一方、地域における雇用と所得をいかに確保していくかも古くて新しい課題である。いま、九州におけるツーリズムのネットワーク化が進められている。そしてツーリズム大学という形で、地域づくりのメッカ小国町の木魂館がその拠点となりそうである。
ツーリズムとは、都市と農村の対等な交流を通して、経済的メリットだけでなくさまざまな付加価値を生み出す「豊かさの交換」である。この取り組みが新たな提案をしてくれることを期待する。
「ゆたかさ多彩『生活創造』くまもと」。わたしたちが掲げるこの目標は、熊本らしさを生かしながら、どう「ゆたかさ」を実現し、どう「生活創造」を進めていくかを問い続けることにほかならない。
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