来春オープン「ほたるいかミュージアム」
交流人口の増加も狙う

富山県滑川市企画財政課主任

碓井善仁

船の観光、六十二年に復活

 「ほたるいか」は、毎年三月から六月にかけて産卵のため、富山湾に押し寄せてくる。ホタルのように光るところからこう呼ばれる。同湾の滑川海岸を中心とする一帯は、昭和二十八年「特別天然記念物ほたるいか群遊海面」に指定された。「ほたるいか漁」は、産卵後、海に帰るところを定置網で捕獲する、という資源を大切にする漁法により行われている。
 「ほたるいか」の発光器について大別すると、
 第一は、腕発光器で、第四腕(二番目に長い一対の腕)の先端にある各三個の発光器が一番強く光り、青緑色で透明度の高い光を出し、明るさはホタルの十倍以上といわれる。
 第二は眼発光器で、眼球の腹側に五個ずつ縦に並び、弱光で黄白色の光をいつも出している。
 第三は皮膚発光器で、胴体の腹側に色素胞と混じって約千個あり、弱光で青紫色に黄白色が混じった光を出している。

活性化の起爆剤に

 観覧船によるほたるいか観光は、明治四十三年に始まったが、その後一時中断し、昭和六十二年復活。最盛期の約一カ月間、船上からの定置網漁を観賞していただいている。この観光船から見るほたるいかは、定置網を絞ったとき、いっせいに幻想的なエメラルドグリーンの光を放ち、すばらしい感動を与えてくれる。
「ふるさと創生」を契機に、この「ほたるいか」を地域活性化の起爆剤にできないかと考え、平成元年関係団体の代表者に集まってもらい、通年観光型施設の建設について懇談しながら、検討を進めてきた。
 ほたるいか観光施設建設事業は、本市の“光と文化のまちづくり”のテーマにそって、「ほたるいかの神秘の光」を通年的に広く紹介するため、六年から準備にとりかかり、十年春のオープンを目指してスタートした。この施設は、世界にひとつしかない「ほたるいかミュージアム」と、富山県で取水している日本海固有冷水(ほたるいかが棲息する深層海の水、別名深層水ともいう)を活用した、タラソテラピーの体験ができる「深層水体験施設」とをメーンとし、県が推進している「道の駅」の三つで構成する。

目、耳、舌で“味”わう

 このミュージアムは、普通の博物館とは異なり、ユニークな紹介方法をとり入れる方針で、鉄筋コンクリート造り二階建て、建築面積二千八百二十六平方メートルの卵形。ほたるいかをイメージし、設計している。一階には展示ホールや特産品などの販売施設、二階部分にはミュージアムシアターやレストランを配置し、ほたるいかの魅力を目、耳、舌で味わってもらえるようにしてある。
 二階のミュージアムシアターは定員八十人程度で、ほたるいかの神秘の光をテーマに、映像と音響と光によるファンタジックで、美しい世界を体験できるよう計画している。二階から一階へは、深海プロムナードを通って行くこととなるが、光がきらめき、波がざわめく表層海から次第に神秘的な暗闇が支配するほたるいかの棲む深海へといざない、展示ホールへの期待感を盛り上げてくれる。
 展示ホールは、ほたるいか十怪、深海銀河劇場、いか不思議図鑑、深海不思議の泉、ブルーライトラボ、発光ライブシアターなどで構成され、十怪はほたるいかの奇々怪々な謎(生態)を分かりやすく、楽しく紹介する。

若者定着の促進も

 深海銀河劇場は海の中にいるいろいろな光る生物を、いか不思議図鑑は二万余種もある世界のイカのうちから、特徴のあるものを紹介する。深海不思議の泉はほたるいかが棲む深海の水、ブルーライトラボはほたるいかの青い光を再現する。発光ライブシアターは、ほたるいかの神秘な光を実際に見てもらう。
 ミュージアムギャラリーは、滑川市内外の観光や地域情報を検索装置を利用して見てもらう。ほたるいかコミュニティプラザは、子供たちを集めてほたるいかにまつわる勉強会を開催したり、多目的に利用する。「深層水体験施設」は若者の定着を促進するためや、市民の健康増進を図ることを目的に建設する。深層水の持つ清浄性と富栄養性を利用したミニタラソテラピーである。
 総事業費は「深層水体験」「道の駅」を除き、約二十九億円を見込んでいる。これらを本市の観光の核として、地域活性化と交流人口の増加を促進し、住みたい町となるようにしたい、と考えている。


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