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岡山県旭町 桜の公園に夢を盛り込み 花さかじいさん物語 |
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旭町産業課課長 |
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小林 健一 |
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旭町は岡山県のほぼ中心部に位置し、県の三大河川のひとつ旭川流域に沿う東西約十二キロ、南北十三キロ、総面積八十三平方キロの過疎の町である。
産業は、農林業が主体であり、水稲、葉たばこ、酪農、杉桧の用材木の生産第一次産業が主である。昭和三十年当時約八千人いた人口も現在は約四千人となり、過疎化、高齢化が進んでいる。
このような現状から、いかにして町を守るか、発展させていくか、ということをテーマに役場の若い職員からの意見を聞いてみることにした。その意見の中のひとつに三休公園(吉備清流県立自然公園の一部)に植えてある五千本の桜を生かすことを考えては……というものがあり、桜を生かした町おこしに取り組み、都市との交流を拡大させ、通年型の観光を目指して、地域資源を生かした施設の整備に取り組むこととなった。
さて、どのようにして桜を生かしていくか、いろいろな意見を検討した結果、町の誇りとする桜を全面に出した公園整備を図ることとした。まず公園内の高台に用地を整備し、その敷地内に町内の古屋で茅ぶき屋根の家を二棟移建し、民話「花さかじいさん」の桜と旭町の桜をかけ「民話広場」とした。この二棟の家を花さかじいさんの民話から、花さかじいさんの家を想像した“桜茶屋”いじわるじいさんの家を想像した“かわや”とし、周辺には花見台やお花見広場を整備した。整備前の四月、五月の桜の時期にも多数の花見客でにぎわっていたが、整備後はお客さんもかなり増え、数万人の人たちが町内外より来られるようになった。
しかし、この施設だけでは春の一、二カ月の桜シーズンだけ、一年間を通じてお客さんを呼ぶ……何かもうひとつ魅力ポイントを加えようと若い人たちが知恵をしぼって考えたのが「民話」による町おこしである。
一年を通し、「子供たちから大人まで楽しめる施設を」「町おこしになるものを」、そして「民話につながるものを」、いろいろ意見を出し合った結果、皆で楽しく利用する「体験施設」と宿泊のできる中心施設「民話館」を整備することとなった。そして施設全体の名称を「民話の村」とし、名誉村長として語りべで有名な俳優沼田曜一さんにお願いすることとした。平成四年、五年の二カ年で村内の環境整備と体験小屋敷地の造成を、平成六年に体験小屋、七年には民話館を新築した。
体験小屋は木造杉皮葺という昔ふうの建物で、木工道具の揃っている「木工小屋」、草木染に挑戦する「染色小屋」、土やろくろ、そして登窯が用意されている「陶芸小屋」、紙すきが体験できる「紙すき小屋」、本格的な木炭が焼ける「炭焼き小屋」の五施設となっており、子供たちから大人まで皆さんで喜んでいただいている。平成八年四月にオープンした「民話館」は二階建ての建物(延べ五十六平方メートル)で、一階は昔話や紙芝居などの語りべの間、民話や童話の本を集めた図書館、ビデオで楽しむAVルームと受付、売店。二階は、ギャラリー、暖炉のある談話コーナー、宿泊施設(八人用五室)、食堂となっている。図書室には全国の市町村にお願いして集めた民話出版物語約八百点があり、パソコンで民話のCDロムなども楽しむことができる。宿泊部分には自炊設備、シャワーなどがあり、民話の研究や体験施設利用者の便宜を考えた施設となっている。
最近では、県外からの利用者が多くなり、田舎の雰囲気がとてもいいと好評である。今後は民話の村にふさわしいイベントや地元に語りべ、人形劇、紙芝居のできる人を養成していくことが課題である。
町内の若者十数人のグループによるインターネットの開設が十二月中旬より始まっている。グループ名を民話にちなんだ「かぐや姫」とし、民話館を、民話をはじめ町内の情報の発信基地としたいと思っている。ホームページの作成もグループの皆さんの手づくりによる他にないものをつくることにしている。
民話の中に詰まっている人間の優しさ、思いやり、勇気などを、子供たちに“昔を伝える”ために、今後も頑張りたいと思っている。
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