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市町村実務研修 |
全国地域リーダー養成塾第八期生の、市町村実務研修は、山形県コース、長野・新潟県コース、香川・愛媛・高知県コースの三班に分かれ実施した。
「まほろばの里・高畠町」の役場で、まちづくり構想と課題についての説明を受けた。「県立うきたむ風土記の丘」「浜田広介記念館」を視察、その後、童話の中の宮殿を思わせる「太陽館」という名称の建物の中に温泉を併設したJR高畠駅を訪れた。「今夜の宿泊には風呂がない」というので、言われるままにそこで風呂をすませた。宿は、と資料に目をやると、「和田民俗資料館」とある。もしかすると……と思いつつ、その建物に入ると、そこには予想したとおりの囲炉裏があった。その夜「たかはた共生塾」の星氏から塾の歴史や理念、取り組みなどを聞き、塾生たちの心のこもった料理をいただき、酒を酌み交わしながら塾生たちの日常や高畠に移住するに至った経過などを聞き、農業についての宗教的とも受け取れる考え方について議論、ふと気がつくと日も変わろうとしていた。
地元のそば打ち名人がわざわざつくってくれたそばで朝食をとり、小国町を目指した。小国町役場前に到着したのが午前十時ごろ、いかにも裕福さを感じさせる役場へと入る。そこで養成塾の先輩でもある阿部氏から町の概要説明を受け、町の紹介ビデオを見せていただいた後、昼食会場の「金目そばの館」へ。午後からは、温泉健康館「ゆーゆ」、健康の森に立ち寄り、ブナの原生林に設けられた遊歩道を歩きながら「山の案内人」制度についての説明を聞く。その後、ワラビ園やオートキャンプ場などの見学を行い、端から端へ一時間以上はかかるという「広い町・小国」の説明を実感しつつ、宿舎の白い森交流センター「りふれ」に到着した。
小国町の職員との交流を兼ねた夕食会。山の幸もなかなかのものだと再認識する料理とうまい酒。山が生きているこの町に「もし雪がないのなら」住んでみたいなぁとふと思った。
昨夜合流した宮口先生に引率され次の目的地へ移動する。−白鷹町−どこかで聞いたことがある町と思いつつ資料に目をやると「アジア国際音楽祭」の文字。大規模なイベントのPR効果は大きい。町民保養センターの「パレス松風」へ入る。ここでは、アルカディア財団の総支配人である太田荘一郎氏から音楽祭開催の苦労話とテレワーク事業の概要、一人一万円の会費で会員を募り、白鷹で育てた有機米で純米大吟醸酒をつくるという企画について説明を聞いた。
午後は、最後の訪問先、西川町。時間の関係から企画課の渡辺氏がバスに同乗して、車中移動しながらの説明となった。まず、役場に隣接した保健、医療、福祉の一元化を目指した施設としての町立病院、ケアハイツ西川、保健センターを車窓から見学。その後朝日連峰の麓となる大井沢では、「大井沢自然博物館」と「自然と匠の伝承館」を視察した。とくにこの博物館に展示されているほとんどの標本が、学校教育の成果であるとの説明には、わが目と耳を疑った。
移動の途中、寒河江ダム(月山湖)、近くの道の駅「にしかわ」に立ち寄った。西川町が誇る東洋一の大噴水がダム湖の中で、対岸の山の頂よりも高く吹きあがる噴水を半ばあきれながら見た。
報告=徳島県由岐町 小坂進
●参加塾生
山本徳三郎(千葉県千葉市) 柳田文夫(千葉県佐原市)
神田一秋(新潟県三川村) 小林仁史(長野県川上村)
長谷川正夫(岐阜県美濃加茂商工会議所) 進士為雄(静岡県下田市)
大場満明(静岡県森町) 山田禎夫(滋賀県甲良町)
小坂進(徳島県由岐町) 桑原達彦(佐賀県太良町)
河野洋一(大分県安心院町) 有水志郎(鹿児島県川辺町)
須坂市では、狭い道路沿いに古い家が並ぶ中、目的の須坂クラシック美術館はあった。信州須坂町並みの会事務局や市職員の方からまちづくりの状況について説明を聞いた。都市計画道路予定地にあった蔵を計画変更してまで残し、美術館として活用していること、住んでいる人が住宅を開放する町並みフェストを行っていることなど、ユニークな取り組みがここでは行われている。
小布施町ではまちづくりを紹介するビデオを見る。この町は、約十九平方キロと小さいが、人口は一万二千人弱で町としては人口密度が高い。下水道普及率が九五%と生活環境の整備にはかなり力を入れている。
ここには、葛飾北斎が肉筆画を残している。その散逸を防ぐために昭和五十一年に北斎館を建設したのがまちづくりの始まりである。老舗の栗菓子店が景観に配慮した改装を行ったことも町並み整備のきっかけとなった。
野沢温泉村の旅館に到着した。ここのご主人は村会議員であり、まちづくりの中心人物のひとりということで話をうかがうことになっている。
スキー、温泉で有名なこの村は、スキー場などの観光施設は公営で、温泉旅館のみが民営だ。行政が昔から観光開発に力を入れていたことに感心した。また、下水道普及率が一〇〇%、都市ガスも地下配管されているということで、生活を良くすることが観光にも結びついている。
新潟県に入る。高柳町が整備した「じょんのび村」で昼食をとった。そこで若い人たちが働いていることがうらやましかった。通常、こういう地元経営の施設では、高齢の方が働くものと思っていたからだ。
温泉宿泊保養施設、貸別荘、こども自然王国の建設、茅葺き家の保全、農家民宿の支援など、地域資源を生かしながら新しい事業を興し、雇用の場をつくり出している。
廃校を再利用した安塚町の「カルチャーセンター田舎屋」に着いた。板張りで壁面が鏡になっているホールがあり、ダンスの練習などにも利用できる。きれいに改装されているので学校だった名残りは、廊下や階段など一部にしか見いだせない。
第三セクターが経営するスキー場や町出資による雪だるま財団が経営する温泉、雪だるま物産館などを視察させてもらった。総額数十億円という開発に、町の意気込みと危機感の強さを感じる。
新潟県の中核都市のひとつである上越市では、三十年後が目標年次という超長期計画を策定されたお話をうかがった。
直江津港、春日山城跡周辺などを視察したあと、全国初のパワーセンター(ショッピングセンター)について、現地で説明を聞いた。再び庁舎に戻り、上越市長から、洪水時に強力なリーダーシップを発揮して対処されたことなど貴重なお話をうかがうことができた。
報告=長崎県諫早市 岩本広
●参加塾生
奥寺啓蔵(岩手県遠野市) 大内竜光(宮城県田尻町)
佐藤利則(福島県高郷村) 黒澤勝(茨城県大宮町)
田川理貴(長野県穂高町) 原仁志(徳島県佐那河内村)
本村和也(福岡県福岡市) 岩本広(長崎県諫早市)
山村幸治(大分県緒方町)
高松空港集合後、最初の目的地である瀬戸大橋記念公園を見学。このあと琴平町を訪問したが、途中道に迷ったことで、予定時刻より大幅に遅れて旧金比羅大芝居「金丸座」に到着した。日本最古の歌舞伎小屋ということであるが、十分な管理が施されていることには驚いた。日本の演劇や劇場建築物を知るうえで貴重な建物である。
愛媛県の丹原町にある梅錦ガーデン・丹原麦酒醸造所に到着。ハーブ園と地ビール製造の説明を受けたが、この組み合わせはユニークである。その後、渡部町長をはじめ町職員(本塾第七期生山本洋正氏も参加)や丹原地域社会研究グループ「TYC」の方々と交流を行った。民間団体と行政が一体となって、まちづくりに取り組んでいる姿に力強さを感じた。
松山市と中山町の中間あたりから景色が一変し、中山間地へと入り込む。松山市から約一時間で中山町クラフトセンターに到着。町産業振興課久保氏からまちづくりについて説明を受けた。「都市と農村の交流」をコンセプトに本施設を拠点とした各種事業に取り組んでいる。住民の顔が見えるまちづくりが印象的であった。説明終了後、ふれあいスクールのひとつである「そば打ち」を体験し、自分たちが打ったそばを食べた。
内子町は「町並み保存」と「大江健三郎生誕地」として全国的に有名な町である。八日市護国の町並み保存地区を見学。途中、上芳我邸で内子町のまちづくりの概要説明を受けた。
町並み保存は、倉敷市を代表とする観光開発型と歴史的環境保全型の二つに大別できるそうで、内子町は後者を選択し、住民の理解も得て成果を上げてきた。町の歴史が方向づけの決め手となっている。地域の歴史の重要性を教わった。また、地域リーダーは、住民への通訳者であるべきとの意見をいただいた。その後、内子座、内子フレッシュパークからり、石畳清流園などを見学した。
野村町ではシルク博物館を視察した。藤本館長からこの施設を拠点としたまちづくりについて説明を受けた。全国的に斜陽化した養蚕業を逆手にとり、シルク加工製品をただ加工するのではなく、文化等の付加価値をつけることにより織物文化によるまちを目指し、都市と農村の交流促進につなげるということであった。まちづくりのための素材の発掘に関しては、地域の歴史を知ることと地域に根のあるものを探すことがポイントであるとの助言をいただいた。
城川町の町立美術館「ギャラリーしろかわ」は、子供たちの豊かな感性を育てようと整備した自治体美術館である。平成七年度からは「全国かまぼこ板の絵」展覧会というユニークなイベントを実施しており、かまぼこ板の絵を資源とした交流によるまちづくりを進めている。人口五千五百人の過疎の町に、文化・芸術との接触の機会を創出している。
コース最後の高知県梼原町では町職員(本塾第七期生)の久岡俊彦氏の説明を受けながら、ゆすはら座や歴史民俗資料館などの施設と四国カルスト天狗高原を見学した。地域づくり団体「梼原林産企業組合ゆうりん」の方々と交流を行い、林業による地域産業おこし、とくに新規就労対策について意見交換を行った。仲間づくりの大切さを再認識させられた。
報告=愛媛県西条市 東元道明
●参加塾生
折内光洋(北海道ニセコ町) 高崎利明(北海道美幌町)
秋山直仁(青森県八戸地域広域市町村圏事務組合)
佐藤吉晴(岩手県岩泉町) 佐藤恵一(山形県米沢市)
五十鈴川寛(山形県いろりのある集会所「田楽庵」)
酒井伸治(長野県安曇野太鼓同好会)
橘忠和(広島県因島市) 東元道明(愛媛県西条市)
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