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情報提供の場から情報交換の場へ 優れた文化を積極的に生かして 奈良県地域づくり団体協議会 |
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奈良県企画部企画課地域振興室主査 |
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中川智子 |
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奈良県は、飛鳥、白鳳、天平などの古代文化をいまに伝え、貴重な歴史・文化遺産とそれを取り巻く「大和青垣」の表現に代表される自然景観が一体となった歴史風土を持ち、多くの来訪者に限りない郷愁を抱かせ、「日本人の心のふるさと」と呼ぶにふさわしい地である。
県では、このような歴史・文化資源や自然環境の保全と活用などにより、県政の基本目標である「世界に光る奈良県づくり」に向かって、誰もがやすらぎや憩いを感じ、充実した時を過ごすことができるような魅力ある地域づくりを進めている。
こうした地域づくりには、企画力・行動力・統率力を併せもつ「キーパーソン」の存在が不可欠であるというコンセプトに基づき、平成二年九月から地域づくり人材養成塾「まほろば未来塾」を開設し、地域づくりに取り組んでいる人たちや市町村職員の自己研鑽と相互の啓発、さらには職域や世代を超えた交流の場となっている。
こうした人材養成と併行して、県内の地域づくり団体が相互に交流できる場を設定するとともに、自分たちの地域だけではできない広範囲な活動を支援し、地域づくり団体のネットワークの促進を図るため、平成六年五月、「奈良県地域づくり団体協議会」を設立した。
「奈良県地域づくり団体協議会(会長・藤原昭県企画部長)」は、県内の地域づくり団体四十六団体および四十七市町村で組織され、会員相互の交流・連携(ネットワークの構築)と情報の提供の二つを柱にし、以下のような事業を実施している。
1 研修・交流会の開催(年二回)
──ネットワークの構築を目指して
平成八年度第一回研修・交流会は、マサチューセッツ工科大学教授マイケル・ジョロフ氏を講師に迎え、「市民と行政が協力して築くまちの未来と歴史」をテーマに講演をいただき、引き続き開催した交流会でも先生を交えての熱心な意見交換が行われた。
また、第二回研修・交流会は、来る二月二十一日、由布院玉の湯社長溝口薫平氏を講師に、まほろば未来塾のOBも含む県内外の地域づくり関係者や行政関係者が一堂に会し、「トーク&コミュニケーションフォーラム」として開催することにしている。
2 地域づくり情報の提供
──情報提供から情報交換へ
情報提供としては、奈良の地域づくり活動の“元気さ”を少しでも県内外へ発信しようと、会報と情報誌をそれぞれ年四回発行している。
会報は、歴史の深さ、伝統が息づく中にも新しい奈良を創造していくため「新寧楽(なら)物語」と名づけ、会員の活動、「人」や地域づくり関連施策やイベント情報等を掲載し、発信している。
また、「情報提供の場」から「情報交換の場」へという視点から、昨年二月に情報誌『地域づくり・ホット・なら』を刊行した。これは、会員から寄せられた情報や県内外から事務局に届いた情報とをスクラップブック感覚で編集したものである。原則として寄せられた情報をそのまま掲載しており、この情報誌を通じ、地域づくり活動の状況やイベント等を自由に紹介しあうなど生の情報を交換してもらおうとするものである。
3 コーディネーターによる巡回相談
県内の地域づくり団体からの要請を受け、地域づくり団体の活動における問題点や課題を解決するために、地域づくりコーディネーターを派遣している。地域づくりコーディネーターは民間で地域づくりを実践しておられる四人にお願いしている。
4 全国協議会活動への参画
地域づくり団体全国協議会が主催する年二回の全国研修交流会に希望により数人ずつ派遣しているほか、地域づくりコーディネーター情報交換会などにも積極的に参加している。
県協議会が発足し、もうすぐ三年。その間、参加団体も二十七から四十六団体まで増えている。しかし、県内には活発な活動を展開している団体が他にも数多くあると思われる。これらの団体も含め、県内地域づくり団体相互のネットワークを強化していくことが必要である。
また、地域づくりには、息の長い積み上げとより多くの人びとの理解と実践が必要である。地域づくり団体と行政の相互理解を進め、パートナーシップによるまちづくりをすすめることも当協議会の組織からみても大きな課題のひとつであろう。互いに情報交換し、共感、共鳴し合う、ときにはカルチャーショックを受けながら、自らの地域を再認識することが、地域の活性化につながるものと考えている。
現在、協議会の運営は、会員からの意見を取り入れつつ、事務局が中心となり行っている。今後、地道な活動を行っていくなかで、いずれは会員の参画を得て、地域づくり活動を行う人たち自身の協議会にしたいと考えている。
これからも、地域からの発想に立って、地域性を大切にしながら、個性豊かな地域づくりを進める住民の自発的・主体的な取り組みの輪が一層大きなものとなるような活動を支援していきたいと思う。
最後に、二十一世紀は、世界を視野にいれた地域づくり、人と自然の新たな共存、選択の多様性や個性の重視などが大切にされる時代だと考える。こうしたなかで、地域の有する歴史、文化、自然といった優れた資産を積極的に生かすとともに、地域における新たな魅力の創造がますます求められてくると思われる。地域づくりに求められるのは、その原動力となることではないだろうか。
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