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新潟県三和村 地域資源にこだわる村づくり 博物館「米と酒の謎蔵」を開設 |
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三和村企画課長 |
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岡崎武雄 |
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三和村は新潟県の南西部、日本海沿岸に広がる頸城平野のほぼ中央に位置し、自然環境に恵まれた村である。村の大半が農用地で、良質米の生産地として発展してきた。人口は、昭和三十年には一万人を超えていたが、平成七年の国勢調査では六千四百五十二人に減少した過疎地である。
基幹産業はいまも稲作中心の農業であるが、農業従事者の所得の低さ、高齢化、担い手不足などにより衰退しつつあり、一部の大規模経営専業農家を除けば、兼業経営が九五%を占め、勤めのかたわら土・日農家に変わってきている。
このような現状から、若者の流出に歯止めをかけ、定住人口の増加を目指して定住環境の整備を進める一方、新たな就労機会の拡大策から通年型の観光を目指して、地域資源を生かした施設の整備に取り組むことになった。
構想のなかでは、どこにもなく、かつ観光の核となるような施設として、地域資源のなかでも主要な食糧である「コメと酒」をテーマとした博物館の建設が考えられた。建設地として村の東部丘陵地が決まり、以後、「さんわ米(マイ)パラダイス地区」として、このエリア内に関連の施設が建設されていくことになる。この丘陵地は、標高二百メートルぐらいのところであるが、頸城平野一帯に広がる大小の農村集落が一望でき、遠くに広がる標高二千四百メートル級の頸城三山や日本海も望め、日本海に沈む夕日の眺望は素晴らしいものがある。
さて、一連の施設の整備を紹介すると、平成四年にコメと酒にこだわった博物館「米と酒の謎蔵」がオープンした。施設の概要は、木造建築の校倉風建物で、中央棟には県内外の二百二十四種の地酒が試飲できる設備を備え、左右には米蔵棟・酒蔵棟があり、地階部分は民俗資料館を併設したものである。五年には隣接して、食の体験施設としてのレストラン「味の謎蔵」をオープン。六年十月には自然景観を生かした滞在型宿泊施設「ホテル米本陣」がオープンし、地域の食文化をテーマとした施設の整備がほぼ整った。
同時に自然体験型の農園として、六十アールの畑地造成が進められ、都市と農村との交流人口を増やすべく、都市住民に対し貸し農園を行い、「土に触れ、土に親しむ」をキャッチフレーズに、農業体験を通じて交流拡大が図られることになった。
博物館である「米と酒の謎蔵」がオープンし、これから整備していく施設も含めて管理・運営をどうしていくか、村の特別会計での運営も考えられたが、今後の地域開発・地域づくりの事業主体としては民間活力の活用も大事であるとの考えから第三セクターの設立が検討された。そして平成五年二月に三和振興(株)が設立された。
会社の概要は、資本金三千万円で村の出資が七五%を占め、他に商工会、農協など五団体が出資し、代表取締役には、出資構成などから村長が就任した。
業務内容は、村の観光関連施設の管理・運営であり、既存施設のひなた荘を含め、米と酒の謎蔵・味の謎蔵・ホテル米本陣の四部門の経営である。その経営状況は、それぞれ決算期ごとに売上高を伸ばしてきており、第三期決算(平成七・二・一〜八・一・三一)では、二億四千万円の売上高となった。収支採算面では、村の公の施設の性格上、儲けのでる収益部門ばかりでなく、採算性の低い公益的部門ともいえる博物館も抱えることから、収益を生み出すには、まだまだ地域住民をまきこんだ交流促進の展開と、情報発信能力の形成が求められている。
三和村を訪れる観光客は、県内・関東圏を主に平成五年には八万三千人であったが、宿泊施設などの整備から七年には十二万五千人と増加し、グリーンシーズンの土・日には大型観光バスの乗り入れが多くなった。施設の賑わいは地域を変え、交流人口の増加は、いろんな面で村の活性化につながった。
施設の利用拡大策として、いろんなイベントを企画した。
そのいくつかを紹介すると、「米と酒の謎蔵」では五月と八月に日本の伝統工芸師展を開き、伝統工芸師による実演と即売会を開いた。ふれあい農園では貸し農園の契約者三十五人との交流事業として、五月の作付けイベント、八月には夏野菜の収穫イベントとして、日本海に沈む夕日を見ながらのパノラマビアパークを開催した。また十一月には秋野菜の収穫イベントとしてホテル米本陣を会場に、地元農家相談員・協力員との楽しい心豊かな交流会を実施している。
また、さんわ米の大消費地である静岡市の米屋さん、消費者を招き、稲刈りツアーを企画し、田んぼに入って稲刈りを体験してもらいながら、主食であるコメづくりに体験を通して理解を得ている。
味の謎蔵では、地域資源である山野草をふんだんに使った四季折々の料理と、地元産のコシヒカリを昔ながらのかまど炊きで提供し、お客さんの好評を得ている。これも地元の人たちが山野草などの材料を提供し、自分たちもそれぞれの立場でかかわっているんだという意識が芽生えたことは心強いものがある。
会社が発足し三年が経過、まだまだ軌道に乗ったとはいえないが、村の観光行政と三セクが、車の両輪のように一体となって、地域の活性化と魅力づくりに積極的に取り組んでいかなければならない。
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