合併市町村住民組織活性化支援事業

石川県白山市

B級グルメに地域おこしの夢託す
―「TKGY(たまごかけごはんやき)」を全国発信―

「つるぎ一六大市ご当地グルメ大会」実行委員会事務局鶴来商工会 事務局長

越 新一

財団法人地域活性化センターは、「合併市町村住民組織活性化支援事業」として、合併後に主たる事務所が置かれていない旧市町村の地域を活性化することを目的に、住民組織等が自主的・主体的に実施する事業を支援している。

今回、平成二十二年度に同事業を活用した、つるぎ一六大市ご当地グルメ大会実行委員会の取り組みを、ご紹介いただいた。

(企画・コンサルタント業務課)

平成十七年二月一日、八つの市町村の合併により、日本三名山の一つ霊峰・白山の頂上から手取川扇状地を経て、日本海へ至る広大な面積(七百五十五平方キロメートル)を誇る、人口十一万三千人超の白山市が誕生した。

白山市鶴来地区は、歴史的に戦国時代ゆかりの史跡や宿場町の面影を残し、白山比盗_社、獅子吼高原、舟岡山など全国に誇れる文化・観光施設を有する。また鶴来は古くから「醸造のまち」としても知られ、酒、酢、糀業が盛んである。

商店街活性化対策としてグルメブームに着目

合併後の鶴来地域の商業を取り巻く経営環境は、長引く消費の低迷や大型店の進出により一段と厳しい状況に追い込まれている。

このような状況の中、近隣の人たちに鶴来に足を運んで買い物をしてほしいとの想いから、何が商店街の活性化につながるのかを、商工会や行政等が一体となりオール鶴来≠ナ考えてみた。

そこでの意見の中から、最近のグルメブームに目をつけた。鶴来に根づいているほうらい寿し(笹寿し)や、おやき、黒虎ラーメン、つるぎ牛カレー等に加え、商工会青年部が発案した新しいグルメ、TKGY(たまごかけごはんやき)を中心とし、グルメによる商店街活性化に取り組もう…との結論に達した。

そこで、地域活性化センターの支援事業を活用し、ご当地グルメ大会の開催を企画した。

グルメに関しては右も左もわからない状況で、何か手がかりをつかもうと富士宮やきそば学会会長で、B級ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会会長の渡辺英彦氏を講師に招き、「今、何故B級ご当地グルメなのか?」と題した講演をいただき、勉強会を開催。併せて、近くで開かれているグルメ大会を視察し、環境が整ったことから、大会開催が実現した。

名称は「加賀白山獅子の里 ご当地グルメつるぎ大会」とした。特設会場である白山市役所鶴来支所駐車場に、地元から三十三店、県外から十三店計四十六店のグルメが集結し、平成二十二年十月二十四日(日)に開催した。

昨年の地元グルメ大会には目標の倍の2万人が来場

会場には、平成十八年に始まったB級グルメ全国大会「B―1グランプリ」で第一回、第二回のチャンピオンに輝いた静岡県富士宮やきそばをはじめ、元祖横浜カレーパン、宮崎県発肉巻きおにぎりなど、全国の味覚が集合した。

石川、富山からは全国に知られる高岡コロッケ、地元鶴来のほうらい寿し、TKGY、おやき、牛カレー、能登ぶり丼、白山ろくのそば、小松うどんなどが参加し、それぞれの出店者が味のご当地自慢を繰り広げ、会場は熱気に包まれた。

この日の来場者は目標の二倍となる約二万人にも達し、用意した千四百台分の駐車場は、常時満杯で、シャトルバス三台がフル稼働した。

帰りの乗車券が無料というサービスを実施した地元北陸鉄道石川線の電車二両は、開催中、どの車両もすし詰め状態で、利用者はおおよそ二千人。駅前周辺で同時開催された鉄道まつりではSL列車も運行され、チビッ子たちも大きな歓声を上げ、グルメ大会会場と駅を行ったり来たり、親子ともども楽しんだ。

午前十時に開催したが、約一時間半後には、富士宮やきそばをはじめ完売した店の名前が次々と場内にアナウンスされた。青年部のTKGYも四百食分は一時間半余りで売り切れ、当初用意した同数の四百食を追加したが、それもあっという間に完売するほどの盛況ぶりだった。

黒虎ラーメンも四百食用意したが、たちまち売り切れ。翌日の店舗分の三百五十食を急きょ用意し、対応に追われた。ほとんどの店が閉会の午後四時を待たずに用意した品をさばき切り、予想をはるかに上回る売れ行きに充実感を味わった。

実行委員会のメンバーからは「大会慣れした出店者が材料不足になるほどで、これほどまでに人が集まるとは予想できなかった。B級グルメにかけたことは間違いではなかった」との声が聞かれた。

「醸造の町」を生かした新食感グルメTKGYの開発経緯

「醸造の町」にふさわしく、手軽でおいしい食べ物を開発しようと、試行錯誤を重ねる中で生まれた鶴来の新しいグルメが「つるぎTKGY(たまごかけごはんやき)」である。

「最近はやりの卵かけご飯を、鉄板で焼いてみたらどうか」と、青年部のメンバーの一人がふと漏らしたひと言がきっかけで、実際に作って食べてみると、香ばしい風味と柔らかい食感が口の中に広がった。

卵かけご飯と焼きおにぎりの良さを掛け合わせた、新食感で若者にもなじみやすいよう、頭文字のアルファベットから「TKGY」という愛称をつけた。

味の決め手となるだしには「醸造の町」が誇る地元産のしょう油と酒、みそを使用。米はJA白山ろく特別栽培米コシヒカリ「比刀iひめ)の米(まい)」を使うことで鶴来らしさを醸し出した。新しいグルメのTKGYは、このような経緯で誕生した。

目標はB―1グランプリ

グルメ大会で好評を得たTKGYを、青年部では今後「鶴来活性化の核」として大いに売りだそうと、次の目標はB―1グランプリに出場することとしている。鶴来発の素朴な味わいを地域を代表するご当地グルメに育てるため、青年部を中心に行政、商工会等、地域をあげて盛り上げていこうと意気込んでいる。

今年のグルメ大会

昨年の地元グルメ大会が大盛況を収めたことから、この大会を鶴来の食による地域おこしとして全国に発信し、鶴来地区及び中心商店街の振興・発展につなげていくため、今年も実施することが決定した。

今年は名称を「つるぎ一六大市ご当地グルメ大会」として、十月二十三日(日)に開催する。

鶴来八景の中の一つ、金劔宮の紅葉と白山スーパー林道の紅葉を楽しみながら、秋の一日鶴来を訪れてみてはいかがだろうか。心からお待ちしている。

■合併市町村住民組織活性化支援事業の概要

【事業概要】
 地域自治組織、コミュニティ、NPO、自治会等が自主的・主体的に実施するソフト事業を支援し、合併後に主たる事務所が置かれていない旧市町村の地域を活性化することを目的とする。

【助成対象団体】
 平成11年度以降に合併した市町村及び平成23年度に合併予定の市町村

【助成金額・助成率】
 助成金額は、200万円が上限(平成22年度までは、300万円が上限)
 助成率は、助成対象経費の100%以内

【交付団体】
 平成22年度 35団体
 平成23年度 26団体

【問い合わせ】
 企画・コンサルタント業務課
 電話番号 03-5202-6133