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平成22年9月特集 ICTを活用した商店街の活性化
滋賀県長浜市
長浜商店街連盟会長、長浜倶楽部副社長
滋賀県長浜市は、平成二十二年一月一日をもって十二万人超の滋賀県北部一帯を包括する中核都市に生まれ変わった。その長浜市で、平成十六年九月一日より稼働する、住民基本台帳カード(以下「住基カード」)に商店街のお買い物ポイント、プリペイドポイントなどを搭載するシュッセカードシステムがある。
シュッセカードの運営会社は、長浜倶楽部株式会社という民間企業ながら、商店街連盟との密接な関係により公的な性格を持ち、長浜市と協定を結び、住基カードの普及と、多目的利用推進に貢献している。
地域の人々を結ぶ唯一の公的ネットワークに、一般的なビジネスの付加価値を付帯させることで、その利用価値は上がり、使用頻度も増え、たんすに収納されたままのICカードではなく、常に財布に入れておくカードへの地位向上≠目指している。
住基カードは市民のためのカードであり、商業者の視点からすると地元客に普及するカードとも言える。長浜の商店街は、まさしく中心市街地を形成する組織であると同時に、平成元年に始まった「黒壁」によるまちづくりにより、年間二百万人を超える観光客が訪れ、その消費活動の受け皿としても機能している。
地元客ばかりにサービスを行うことは、ビジネスとして片肺飛行と言わざるを得ない。
この観光客の過半数がリピーターとして長浜のまちを楽しんでいただいており、長浜市民以外の顧客層へのポイントカードとして、住基カードではないシュッセカードも約一万五千人のカード保有者を獲得して、長浜倶楽部は事業運営している。
シュッセカードの機能は、@お買い物ポイント保持、Aプリペイドポイント保持、Bエコポイント保持、C交通ポイント保持、Dその他多目的ポイント保持―などである。
これらの多機能なポイント管理機能を有するシュッセカードシステムは、商店街のみならず、個店専用ポイントの管理もできることから、既存の店舗が有するポイントシステムを洗い替えることで、商店街加盟店以外の店舗数を着実に伸ばしている。このことは、同時に顧客の利便性を高めること、住基カードの利用価値を高めることにつながる。
さらに、長浜倶楽部の加盟店が利用する端末をクレジットカード端末とすることで、レジ周りに余裕のないお店でも、スムーズに導入することができるよう工夫しつつ、スケールメリットを活かしてクレジットの包括加盟を実現し、国内屈指の低手数料化にも成功している。
先述のように、長浜市は合併により琵琶湖とほぼ同面積の巨大な市へと変貌を遂げたが、行政の枠組みが変わったからといって、市民生活が激変するものではない。消費活動は以前と同じはずである。
しかし、行政の枠組みが変わることで、シュッセカードは利益を得る。それは、市民が増えることは即ち、カード保有者が増えることに他ならない。普通のポイントカード運営会社がもっとも苦労し、力を入れるところを長浜倶楽部では労せずして達成している。
もちろん、住基カードの普及には、それ相応のメリットがなくては市民の所有意識を高めることはできない。長浜倶楽部では、住基カードをお作りいただいた市民の皆様に五〇〇ポイントを無償で付与している。これで、加盟店で五百円分のお買いものができることになり、市民への訴求力として存続させている。
さらに、公的な性格を持ち合わせていることのメリットを活かし、昨年の定額給付金やエコポイントにも対応し、現金のままではどこで使われるかわからない地域の消費力を加盟店に向けることに成功した。特にプリペイドポイントは、現在もなお継続中で好評を得ている。
電子政府という言葉が使われ始めてから、ICT利用による行政各機関の窓口は劇的に変化してきている。その恩恵にいち早く預かることができたシュッセカードは、今後も地域の公的なネットワークを支える機能を提供していくことが使命感としてある。
行政サイドもe-Taxに代表される国税申告に続き、地方税申告についてもel-Taxの稼働が着々と進行している。
今後もさらに効率的な運営を推進するために、住基カードシステムを中心とした住民サービスのICT高度利用が不可欠となることを予測し、長浜倶楽部では、さらに公的な性格を打ち出すことで、地域になくてはならない会社として事業展開していく考えだ。
具体的には、公共交通ポイントの利用促進で地球温暖化対策やエコ活動への取り組み深度を増すことが一つ、さらに、行政機関への提案も含めて住基カードそのものの所有と利用の促進に向けた事業の展開を行う。
特に、公共交通の維持が非常に困難になっていることが顕在化している今こそ、消費活動の根幹を守るために人が移動する手段としての公共交通に商業ポイントを利用して、利用者負担を商業者が経営活動の中から担保していくシステムを考えている。
地域経済の発展もさることながら、行政のスリム化が流行しつつある昨今、いかにして住民サービスを低下させないかは、各地方自治体のみならず、さらに大きな枠組みの都道府県や国においても同様の問題である。
単に人員削減をしただけでは、どこかにしわ寄せが来るのが当然だが、長浜倶楽部では、これを迂回する方法としてはICT利用が最も効果的であるとの認識を持っている。
そのICT技術もそれを利用する人が、そのサービスを受ける媒体を所有してもらわなければならない。その媒体は住基カードに代わるものはなく、長浜倶楽部は、商業と行政サービスの融合がもたらす地域の一体感を支え続ける。
さらに所有したくなる、所有しなければ損をする<|イントカード事業を推進することで、微力ながら、ICT利用による高度な地域行政サービスを実現するための礎をしっかり守り抜くことを、第一の使命としている。