平成22年5月特集 若者の定住対策と結婚支援

山形県

県内各地で婚活支援の機運づくり
―県が乗り出し、市町村と支援団体を網羅―

特定非営利活動法人元気netかほく 少子化対策担当理事

澤 善博

クリックすると画像をご覧いただけます クリックすると画像をご覧いただけます

山形県は平成二十一年度から、婚活支援事業として「婚活コーディネーター設置業務」をNPO法人元気netかほくに委託し、出会い・結婚につながるサポート体制を充実させ、結婚活動を社会全体で支援する機運づくりを進めている。

今回は、「婚活コーディネーター」が県内各地の婚活支援活動団体を訪問した中から、特徴的な団体活動をご紹介する。

小国町の若者らの「おも白い森」

山形県の西南端に位置し、豊かな自然環境を大切に守り、有効に活用している小国町に、町内の若者グループ「おも白い森」がある。

「おも白い森」は、「小国をおもしろく」をコンセプトに、平成十七年に設立された従来の青年団的な二十人の若者同士の異業種グループである。「小国の魅力」である雪・ブナ・きのこ等の地域資源の再認識と活用による参加型イベントを企画・開催している。

お隣の新潟県からの申し込みも

また、町の活性化や若者の定住促進を目的に、結婚支援活動として毎年十二月に独身男女の出会いイベントを開催している。これまで四回の出会いイベントを開催した。

男女の参加者は各々十人程度で、大半が町内在住だが、地理的特徴から隣接する新潟県からの申し込みがある。レクリエーションや男女ペアで共同作業をしながらの体験型イベントを通じ、多くのカップルが成立、このうち二組が結婚した実績がある。

「おも白い森」が開催している出会いイベント等の事業費は、町内の団体からの協賛金や、「おも白い森」会員のボランティア活動による収益金で賄っている。

のんちゃんくらぶ(山形市)

山形市のNPO法人すみれ会は、通所サービス事業や在宅福祉サービス事業を主な活動としている。一方、すみれ会のスタッフや地域の結婚適齢期の子どもを持つ母親のボランティア活動で「のんちゃんくらぶ」を運営している。

この組織は、真剣に結婚を望む独身男女の出会いの場を作り、一組でも幸せにするお手伝いをするため、平成十九年七月に活動を開始した。

言葉のキャッチボールが苦手…

これまでの活動として、親の会、料理合コンパーティー、個別セッテイング、少人数パーティーやお茶会など二十二回のイベントを開催。平成二十一年度の山形市コミュニティファンド市民活動支援を受け、四十人の婚活パーティーを開催した。多くのカップルが交際中で、また結婚した方々もいるという。

結婚について相談を持ちかける独身男女は、コミュニケーション不足、つまり言葉のキャッチボールが苦手であり、結婚への努力が足りないといわれている。結婚までの側面支援をするが、あくまでも本人同士の結婚に対する強い思いが必要と考えているとのことだ。

活動の当初は、想像以上の戸惑いもあったようだが、回を重ねるごとに人の輪や活動の輪も広がり、軌道に乗った。また、これからも出会いの場創出だけでなく、一人ひとりの話を丁寧に聞きながら、結婚に至るまで応援していく。

さかなびプロジェクト(酒田市)

山形県北西部に位置し、古くから港町として開けた酒田市のNPO法人さかなびプロジェクトは、平成十五年に酒田の街を元気にしようと若い社会人が集まり、県内初のまちづくりに関するNPO法人として発足した。

平成十七年から男女交流の場創出活動を三人のスタッフで開始している。

さかなびプロジェクトは「少人数」「世代限定」のカップリングパーティー「インコントロ アラウンド30・アラウンド40」を毎月二回開催、ユニークなテーマとプライバシー重視の「大人の出逢い」を演出している。

アラフォー世代のマッチングも

インコントロとは、イタリア語で「出会い」という意味で、参加者は会員登録制で毎回、同世代(アラ30は二七〜三十四歳とアラ40は三十五〜四十四歳)の男女各三人が参加する。登録した会員の中から、その方の希望や個性を吟味(マッチング)し、参加者を選考している。

また、参加者全員への事前説明会は、「恋愛講座」を兼ねており、婚活に関してのアドバイスを行っている。スタッフのこれまでの経験と実績を生かした丁寧で安心感のある出会いの場だからこそ、カップル成立の確立も高く、成婚者も多いという。

元気netかほく(河北町)

私どものNPO法人元気netかほくは、町づくり活動の法人である。平成二十一年度からは町の地域交流センター「どんがホール」の指定管理を行っている。

私たちも、親のお見合いパーティー、婿取りパーティー、地元のワインを楽しみながらのパーティー、ケーキ作りのパーティー、スノーボード交流会や婚活シンポジュームの開催など、多彩なイベントを四年間で四十回ほど開催してきた。

昨年からは、河北町社会福祉協議会に開設された河北町結婚相談所と協働のイベントも開催している。

やまがた婚活応援団+(プラス)の設立

近年の婚活ブームに合わせて、市町村の結婚相談所や従来の青年団的グループが各地に結成され、既存のNPOやまちづくりグループが地域住民を巻き込んだ婚活支援活動に取り組む動きが出てきている。県では、市町村や婚活支援団体を網羅した「やまがた婚活応援団+(プラス)」を平成二十二年一月に設立した。

今後は、やまがた婚活応援団+会員相互の情報交換による一層の事業推進が期待される。

また、婚活支援団体が抱える課題として、婚活イベントに参加する女性が少ないことが挙げられる。女性がイベント等に安心して参加できるよう、「婚活コーディネーター」が管理するホームページ「やまがた出会いセンター」において、主催団体情報や婚活イベント情報を発信し、婚活支援をサポートしている。