平成20年5月特集 特集 「まちの安全」のために

雪道の安全

広がる「スコップひとかき」運動

SSW

豪雪地帯からは今年、除雪ボランティアの設立が相次いで伝えられた。それとは別に、新潟市、富山県、福井県などで、いわば“瞬間的ボランティア活動”として広がってきたのが、交差点やバス停に置かれたスコップを使って周辺の雪かきをする運動だ。若者の本当のスコップひとかきで、お年寄りが滑らずにすむ。

そもそもは、新潟市の学校町通りの町内会が一九八〇年代に始めたらしい。今は新潟市社会福祉協議会が「おもいやりのひとかき運動」として引き継いでいる。スコップは市が用意している。社福協が引き継いだ九五年には三十四カ所だったスコップの設置場所が、今冬には二百四十六カ所まで広がった。

富山県は「雪と汗のひとかき運動」、福井県は「みどりのスコップひとかき運動」の名前で、同様の運動を展開している。

福井県の「みどりの…」とは、「みんなの道路を利用しやすく」からの命名で、スコップの柄も緑色だ。

時間と体力のある通りがかりの人が、歩行者が滑らないよう、備え付けのスコップを使って雪をかくのだ。近所の人が、きれいに雪かきする場合もある。また、信号が青になるまでの十数秒間だけだが雪をかく人もいる。

福井県の場合は新潟市、富山県の例を聞いて二〇〇五年から、福井市内の交差点からバス停へと始めて、今冬のスコップ数は二百九十四に達した。「開始以来、スコップがなくなったのは一件だけ」(県道路保全課)という。

ほんの一瞬の善意の発揮で、雪国の歩行者の安全に役立つことができる。これは、ある個人が本格的なボランティア活動を始めるきっかけにもなるに違いない。