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静岡県袋井市
日本一健康文化都市を目指す
重点指標21項目の目標値定める

袋井市企画財政課企画室主任主事

小澤由靖

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 袋井市は、東海道五十三次の「どまん中」にあたる二十七番目の宿場町として、古くから人びとや文化の交流拠点として栄えた水と緑と花に恵まれた田園都市で、人口は約六万二千人。特産品は「温室メロン」。茶、米では全国有数の産地である。
 また、昨年六月には世界を熱狂させた二〇〇二年FIFAワールドカップサッカー大会が、本市の小笠山総合運動公園静岡スタジアム「エコパ」で開催されたのは、今なお記憶に新しい。

宣言に至った経緯

 本市が「日本一健康文化都市」の基礎となるまちづくりの理念を提唱したのは平成二年で、経済至上主義の「物」の時代から、人が主役の「心」の時代へと移行しているときであった。
 当時は、経済的・物質的な豊かさと長寿社会の到来を背景に、より楽しく、より充実した質の高い生活を送りたいとする精神的な豊かさを志向する傾向が高まっていた。
 本市は、こうした豊かさを支えるすべての源は「健康」であるとして、心や体はもとより、地域、都市、自然などさまざまな分野において健康をキーワードとし、真にゆとりと幸せが実感できるまちづくりを目指すこととした。
 平成五年には、「生涯学遊まちづくり構想」を策定し、同年十一月三日には、市制施行三十五周年記念に合わせ、全市民が一丸となってまちづくりに取り組んでいこうと「日本一健康文化都市宣言」を行った。
「日本一健康文化都市」とは、「健康」や「文化」が日本一の都市ということではなく「健康文化」が日本一の都市ということである。
 一般的に「健康」というと、心や体の健康と狭義に考えられるが、本市では、まちづくりすべてにかかわる広義の意味にとらえている。
 こうした生活にかかわるさまざまな分野が良好な状態であるとともに「健康に向けた行動」が市民生活に定着している状態をいう。
 また「日本一」とは、このような袋井市独自の健康観を基調とし、市民・企業・行政が一丸となって全国に誇れるまちづくりを推進していこうという「姿勢」を表したものである。
 こうした中、平成五年十月に旧厚生省のモデル指定を受け、(1)健康ライフ形成事業(バランスのとれた健康的な生活習慣を確立するための指導、教育)(2)高齢者の生きがい健康づくり推進モデル事業(高齢者ワープロ教室や陶芸教室をはじめとする各種活動の推進)(3)市町村ボランティアセンター活動事業(ボランティアの登録、斡旋、相談、ボランティアリーダーの研修会開催など)(4)デイ・サービスセンター建設事業(5)在宅介護支援センター建設事業(6)廃棄物再生利用など推進事業(資源ごみ回収自治会奨励補助金交付、生ごみ処理容器の配布など)―の六つの事業を推進してきた。

袋井市総合計画基本構造の体系

新しい総合計画

 一方、十三年度に策定した「新しい総合計画」では、「日本一健康文化都市」を基本構想に取り入れた。
 この総合計画基本構想では、目指すまちの姿を“ともに創り 未来に輝く 日本一健康文化都市 ふくろい”と定め、まちづくりの基本目標を、(1)市民(心と体)の健康(2)地域と社会の健康(3)都市と自然の健康―とした。

指標の策定

 市総合計画基本構想を実現するためには、まちづくりにかかわるすべての人が話し合い、理解して行動することが大切である。これは、市民一人ひとりの意識改革そのものであり、究極の目標であるともいえる。
 こうしたことから本市は、日本一健康文化都市の目標の共有化を図るとともに、市民、企業、行政がまちづくりについてともに議論し、協働していくためのツール(道具)として、まちづくりの成果の達成度を数値化した「日本一健康文化都市の指標」を策定した。
 この指標は、「まちづくりがどのくらい進んでいるのか」「現在どのような状況であるのか」というまちづくりの現状を把握するための共通の「ものさし」ともいえるものである。
 また指標は、市民の代表により組織された日本一健康文化都市推進委員会を中心に検討していただき、重点指標二十一項目、重点指標を補完するまちづくり指標五十四項目を定めた。
 重点指標は(1)健康な子供をみんなで育てたい(2)ボランティア活動に参加したい(3)生活環境を保全したい―など五分野で生活習慣病の恐れのある子供の率やボランティア活動への参加者数、家庭ごみの資源化率などを盛り込んでいる。
 重点指標およびまちづくり指標の目指そう値(目標値)は、市民、企業、行政の主体的な行動や協力があって達成できるもので、十七年度までに実現したいレベルを基本に設定した。
 今後は、こうした指標の意義をより多くの人たちに理解していただくことが重要であり、現在、日本一健康文化都市推進委員会とともに市民、企業などに積極的に働きかけていく仕組みづくりを検討している。

個別施策の推進

 このように「日本一健康文化都市」は本市のまちづくりにおける基本理念であるとともに、総合政策の大目標であり、すべての事業が日本一健康文化都市の実現につながっている。今回は紙面の関係上、個別事業の説明は割愛したが、全市あげての環境美化運動の推進、公民館単位のウォーキングコース設定やダンベル体操の普及などさまざまな事業を推進している。
 都市宣言をしてから今日まで約九年にわたり、「日本一健康文化都市」をまちづくりの理念として取り組んできたが、その実現という観点からすれば、まだまだこれからという状況である。
「まちづくりは人づくりであり、人づくりはまちづくりである」といわれるように、まちづくりの主役は「人」であり、そこに住む人びとの価値観、感性こそが、「まちづくり」に大きな影響を与えるものだと思う。
 市町村合併をはじめとする自治体の構造改革が進む中、今まで以上にまちのアイデンティティが問われ、より魅力的な誇れるまちづくりを進めていくことが地方自治体に課せられた使命となっている。
 本市におけるアイデンティティは「日本一健康文化都市」である。
 今後は、この理念をより多くの市民、企業に理解していただくとともにその実現に向けた協働意識をさらに高め、袋井独自の健康文化を真の意味で成熟化させ、「日本一」とだれもが誇れるようにしていきたいと思っている。


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