![]()
|
|
|
|
|
山形県寒河江市 花と緑・せせらぎで彩るまちづくり 親水公園、グラウンドワーク手法で管理 |
|
寒河江市花・緑・せせらぎ推進課長 |
|
|
犬飼一好 |
|
|
|
|
| クリックすると画像をご覧いただけます |
寒河江市は山形県のほぼ中央に位置し、東に蔵王、西に霊峰月山、葉山、朝日連峰を望み、清流「寒河江川」と、俳人・芭蕉の句でも知られる山形県の母なる川「最上川」に囲まれた、風光明媚(び)な美しいまちである。
フラワーロード整備事業
この優れた自然環境と景観を生かしたまちづくりを進めるため、昭和六十三年から毎年春、国道一一二号寒河江バイパスに、朝早くから沿線住民約四千人が一斉にサルビアやベゴニアなどの花を植栽する「フラワーロード整備事業」は今年で十六年目になる。この「フラワーロード」は、現在では総延長十キロにも及ぶ花回廊として、市民のみならず、行き交うドライバーにも潤いとやすらぎを与える、美しい景観として好評を得ている。
また、中心市街地では自治会、商店街の人たち約二千人が沿道の植樹桝やプランターに松葉ボタンや日々草などを飾るほか、街路灯に吊り下げフラワーポットを設置し、ペチュニアなどの飾花を行うなど、道路を色とりどりの花で埋め尽くす「花いっぱいまちづくり推進事業」も展開している。
いずれの事業も市民が主体的に参加することから、市民の花・緑に対する関心を高め、美意識を醸成し、景観やふるさとへの愛着感を強めるなど、良い波及効果が多種・多方面に派生してきている。
これらの活動が評価され、平成十一年には自治大臣賞、十二年には農林水産大臣賞、十三年には内閣総理大臣表彰をそれぞれ受賞するとともに、花と緑の都市づくり国際コンペディション「ネイションズ・イン・ブルーム2001」において、銀賞を受賞するなど、国際的にも高い評価と賞賛を得ている。
市民の決意表す宣言
「寒河江市は、寒河江川をはじめ多くの清らかな川に包まれた美しいまちです。この祖先から受け継いできたさわやかな瀬音が聞こえる自然と環境を保全し、将来に継承していくことが、私たちの重要な責務です。私たちは、一人ひとりが清流を守り、育て、川、水を生かし、せせらぎに彩られた潤いと活力に満ちた寒河江市を創造していくことを決意し、ここに『せせらぎのまち・寒河江』を宣言します」
平成六年七月二十四日、市内西根にある二の堰親水公園で宣言された、この「せせらぎ宣言」は地球環境を積極的に守りはぐくんでいこうと、市民の強い決意を表したもので、せせらぎの心地よい瀬音が聞こえてくるような快適環境を創造していく「まちづくり」の指針となるものである。
平成四年ブラジルで開催された「地球環境サミット」を契機に、国や地方はもとより、全世界的な潮流として、地球環境の保全が強く叫ばれたことは画期的な出来事であった。本市では五年十二月に、人にも、環境にもやさしいまちづくりと、調和ある都市機能の確立に向けた環境づくりの総合指針として「寒河江市環境美化基本方針」を策定した。
これは、安らぎと潤いのある環境創造を基調として、本市の豊かな自然、美しい景観や貴重な文化遺産を守り、「日本一さくらんぼの里」カラフルな都市を二十一世紀に継承し、これまで以上に、人にも環境にもやさしいまちづくりと、調和ある都市機能の確立に向けた施策を推進するための総合的かつ基本的な方針である。この趣旨に沿って、これまで「花・緑・せせらぎ」をテーマにした多種多様な事業を展開してきたが、とくに「せせらぎ」を象徴する事業としては「二の堰親水公園」の造成事業があり、自然景観と美しく調和して六年七月に完成し、現在も市民参加型のグラウンドワーク手法で管理されている。
さまざまなイベント
本市施策の中で特筆すべきことは、市民と企業、行政がパートナーシップを組んで行う、環境改善の「グラウンドワーク」活動がとても盛んなことである。
一例を挙げれば、「寒河江グラウンドワーク研究会」が、市街地の中央を流れる水質が悪化した一級河川沼川を清流に蘇らせる活動として、「浄化ブロック装置」をグラウンドワーク方式で完成させた。
また、市内の各地域で「グラウンドワーク推進協議会」を組織し、地域住民の合意形成と主体的な計画立案で作業を担当し、行政が無償貸与した市有地に手づくりの公園四カ所を誕生させた。
さらに、地元の小学生も一緒に参画し、環境教育とふるさとへの愛着感を育てた「田沢川のホタルを守る会」のホタル復活活動を実施した。毎年六月中旬に地域住民の手づくりによる「ホタル鑑賞会」も開催され、多くの鑑賞者が訪れるようになるなど、住民参加型の手づくりの「地域づくり・まちづくり」が徐々に広がりを見せている。
このような経過と積み上げに立って、一昨年六月十五日から八月十一日までの五十八日間「四季感動 花のやまがた 緑の暮らし」をテーマに第十九回全国都市緑化やまがたフェアが本市の最上川ふるさと総合公園で開催された。県内外から目標入場者数をはるかに上回る七十三万人を超す来場者があり、大盛況だった。
このフェアには、子供からお年寄りまで市民一人ひとりが「おもてなし」の心を持ち、会場はもとより会場外においても活動・参加していただき、真心でお迎えしていただいたことが、今後の本市の「花と緑・せせらぎで彩るまちづくり」のさらなる推進に結びつくものと考えている。
市民の反応
一連の事業を展開する中で、これまでの行政につくってもらうまちづくりから、住民が積極的に自ら行動し参画するグラウンドワーク型の地域づくり・まちづくりへの意識変革と発想の転換が行われるようになってきた。住民の発意により住民代表が行政と協議し、地元企業の協力も取り入れ、行政も含めた合意形成を図るという作業が、広範な行政活動に浸透し、楽しみながらまちづくりを進めるようになったことは、誠に望ましい方向ではないかと考えている。
市民一人ひとりが自ら話し合いや、事業を展開する中から、地域内外の理解を深め、多くの協力を積み上げてつくり出す輪は、ともすれば希薄になりがちな地域連帯をも醸成する“優れもの”と思うし、昨今の困難なテーマについても対応し得る課題解決の方法ではないかと考えている。
このように「花と緑・せせらぎで彩るまちづくり」をキーワードに、自然景観の保全や、生活環境の改善への取り組みを、市民が主体的に行動し、市民パワーを結集して英知を出し合い、持ち味、特色などを優位に発揮していただくよう、今後とも、市民の理解と参加・協力の大きな輪が広がるよう事業展開してまいりたいと考えている。
![]()
|
|