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市町村実務研修 |
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岡山県新見市健康福祉課 |
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藤井和昭 |
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長野県木曽福島町 |
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柿崎孝幸 |
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小田切徳美ゼミは、平成十四年十一月十二日から十五日までの四日間、総勢十一人で高知県内各地のまちづくりの取り組みについて関係者に話を伺い、意見交換を行った。
最初に訪れたのは南国市。地産地消の学校給食実現に向けた取り組みについて研修した。既成の流通ルートを打破し、市北部で取れた良質な米を地域の子供たちに食べてもらおうと、農業委員会があきらめることなく粘り強く一歩一歩取り組んだことにより実現。学校給食の残飯は急激に減り、農家も将来を担う地元の子供たちに食べさせるためと生産意欲が向上し、地産地消の理想的なケースであると感じた。
次に、市内の中山間地域、奈路地区で地域づくり活動を行っている「AS奈路倶楽部(あすなろくらぶ)」から話を聞いた。行政とは全く関係のない、住民本位の組織なので、子供たちを入れた自由な活動を展開している。さまざまなイベントや地元を流れる奈路川の浄化に取り組んでいる。その魅力的な活動が周辺地域にも伝わり、奈路小の児童数は最も少ない時期の三倍近くまで増えている。
二日目はまず、土佐山村で農業振興および宿泊施設を核とした地域づくりについて学んだ。農業は、土づくりから始め、施設園芸や有機栽培といった新しい取り組みを行っている。中山間地域等直接支払制度にはほとんどの集落が参加し、安定した経営に役立てている。前日宿泊した「オーベルジュ土佐山」は、八億円をかけて整備した温泉宿泊施設である。
全国で同じような施設が赤字経営を強いられる中、平成十年の開業以来黒字を続けている。計画や運営に地元の組織が加わり、対等な立場で村や業者と話し合える関係をつくっていることが、成功の最大の原因だと思う。すばらしい施設だった。
このあと越知町へ移動し、高吾北広域町村組合(SONIA(そにあ))の広域的まちづくりについて研修した。高知県中央部を流れる仁淀川流域の五町村でつくられたこの組織は、従来の一部事務組合の枠にとどまらず、元気な中山間づくりに向けて各地域から集まったメンバーで活動している。
このエリアが合併の枠組みであることもあり、合併後どの地域でも課題となるであろう住民の連携やコミュニティにおいて、先導的な取り組みができていると感じた。
三日目は、最初に中土佐町を訪れた。漫画「土佐の一本釣り」の舞台であるこの町は、カツオにこだわったまちづくりに取り組んでいる。純金カツオに始まり、宿泊施設「黒潮本陣」建設、たたきの全国PRなど、カツオにこだわり続け、成功している。また、農村女性グループによるイチゴを使ったお菓子などを製造・販売する「風工房」も好調で、新しい名所となっている。
最後に、愛媛県境に位置する檮原町を訪ねた。この町は、「環境」をキーワードにしたまちづくりを進めている。まず、発電用風車を建設し、その売電益で財源を確保。国際的審査機関FSCの認証を受けた森林から生産される木材のブランド化、地元産材の利用に補助を行うなど、町民の環境に対する意識向上と思い切った環境政策が実現している。
また、千枚田オーナー制度が定着しており、休耕田の増加に歯止めが掛けられただけでなく、まちの魅力にほれ込み、Iターンする人がでてきている。アイデアのすばらしさと戦略性を感じる町だった。
この研修を通じて、住民主導のまちづくり、または住民に参加意欲を与える仕掛けをつくっていくことが大切だと感じた。
辻ゼミ
辻琢也ゼミナールでは、「市町村合併とこれからの地域づくり」をテーマに、昨年十一月十一日から十四日の四日間、八人で長崎県市町村合併推進室と二つの法定協議会を視察・研修した。
十四年十一月一日現在、長崎県には任意協議会を含めると、七十九市町村中、七十二の市町が協議会に参加し、県内全市町村に占める割合は九一・一%と全国でも三番目に高い。とりわけ、法定協議会の参加が全市町村の六八・四%と全国でトップであり、「合併先進地」といわれる。
長崎県で、最初に法定協議会を設置したのが最初の研修先である「対馬六町合併協議会」(事務局:峰町)である。対馬は人口四万一千二百三十人。リアス式海岸のぎりぎりまで、絶滅危ぐ種で国の天然記念物に指定されているツシマヤマネコが棲(す)むという深山がせり出す、幽玄な美しい島である。近年国際航路が韓国の釜山港間に開設され、観光を中心とした歴史と文化を活かした交流の島づくりが進んでいる。
島内六町が一つになろうとして動き出したのが平成十一年六月。十二年八月には法定協議会設置、合併を経て十六年三月一日に「対馬市」が誕生する。島民意識アンケートでは合併の必要性を七割以上が認めたものの、必ずしも「一つ」にはまとまらず、市町村合併効果などの検討を経て、六町一本化が実現した苦労話を伺った。
長崎県市町村合併推進室を訪れたのは二日目であった。長崎市内において、十一年四月、全国で初めて合併推進室を設置した経過、庁内の推進体制、そして郡単位での首長・議長との勉強会など、スタート時点から現在に至る取り組みについて解説していただいた。暗中模索の中、十二年八月には知事を本部長とする長崎県市町村合併推進本部が設置された。協議会への職員派遣、県独自の財政措置として合併協議会助成交付金などのほか、自治振興資金特別資金を準備し、ヒト・カネの両面からその推進に当たっている。
県内自治体への説明責任を果たしながら、共に手を携えて住民本位の合併を目指しているその姿があって初めて、これほどまでの成果が得られたのであろう。長崎県の取り組みが果たした役割は非常に大きいと言える。
最後の訪問先は「県央地区一市五町合併協議会」。当地域は有明海、橘湾、大村湾に挟まれた県の中央部に位置し、諫早市を中心とした約十四万四千人からなる県内で三番目に大きな協議会である。古くは旧諫早藩、現在は広域市町村圏組合の構成自治体としてまとまりをもってきた。
平成十一年十二月、一市十町の首長からなる市町村合併など調査研究会が発足し、十四年一月、一市四町で法定協議会がスタートした。同年七月には多良見町が加わり現在の協議会の姿となる。協議会の開催に当たって内容を公開、会場は構成市町村内を持ち回りで開催することで、住民意識の高揚に努めている。「諫早市単独でもやれたのでは」との厳しい質問にも「これからは一人勝ちの時代ではない。地域で助け合っていくことが大切」と現在の合併論議に一石を投じるシーンもあった。
現在、全国の市町村の約四割が、合併に向け何らかの動きを見せている。一方、急ぐあまり新しいまちづくりとして、または住民サイドに立った合併が置き去りにされているという指摘もある。先進地長崎県を訪れ、それを実現させるべく活躍されている人たちにお会いでき、大きな勇気を与えていただいた。
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