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郵便局が地域をリード

新日本海新聞社編集制作局長

佐伯健二

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 わが鳥取県には、元気あふれる郵便局員が大勢いる。大きな規模の普通局も、小さな特定局も「お客様第一主義」を掲げ、地域住民との懇談会や、職員による研究発表会を継続して開き、業務向上を実現。地域社会にも良い刺激を与えている。
 火をつけたのは、鳥取県東部の五十五特定郵便局で組織する「因幡連絡会」(和田勝会長)が始めた公開の業務研究発表会ではなかっただろうか。五年前から年一回、六つの部会から一チームずつ出場して「窓口応対の向上」「地域貢献」などをテーマに、住民の前で研究活動をパワーポイントを使って発表している。
 今年の発表会では、誤配達ゼロを達成した取り組み、職員の心のバリアフリー運動、夢フェスタ(国文祭)の花いっぱい運動参加などの発表があった。郵便配達のオートバイに消火器を積んで「赤バイク消防隊」を組織したユニークなものもあり、会場をうならせた。
 和田勝会長は「もし(この会場で)発表した内容と、(私たちの)日々の仕事ぶりが違っていたら指摘してほしい」と住民に呼び掛けた。活動内容を住民に公開し、住民の目にさらされながら「地域に役立つ郵便局づくり」を進める仕組みができあがっている。来賓の市役所幹部も「うちも見習わねば」と思わず感嘆の声を上げたほどだ。
 この発表会活動から、郵便局員が独り暮らしのお年寄りの安否確認を行う「ひまわりシステム」が生まれた。ひまわりシステムは全国二百二十一市町村の三百二郵便局に広がり、鳥取県民の自慢のひとつだ。
 先駆けとなった八頭郡智頭町では一九九五年にスタート。お年寄り宅に専用の郵便箱を設置し、旗を目印に郵便局の配達員が立ち寄り、生活用品などの注文はがきを関係先に送る。食料品などはJAが調達して配達、薬は病院から郵便で送る。行政・医療・警察など複数の機関が連携し、お年寄りの安心をサポート。郵便局員は、日ごろから良き話し相手になって、喜ばれている。
 特定局が頑張れば、普通局もじっとしておれない。県都にある鳥取中央郵便局(森本作郎局長)が中心になって、二年前に「鳥取県郵政事業懇談会」を発足させた。ねらいは、県民の要望に合わせて郵便局運営を進め“県民のための郵便局”を実現すること。商工会議所や婦人グループ、報道機関、自治体議員らの意見や要望に耳を傾ける。
 県内でも、都市部では人間関係の希薄化が進み、農村部では過疎化の進行が悩みだ。勢い、地域貢献を掲げる郵便局に対する期待が大きくなる。郵便局側は、この声にこたえて、ひまわりシステムのほか、「道路の損傷情報」や、「ごみの不法投棄情報」を自治体に提供する活動や、警察と手を携えて「はいかい老人SOSネットワーク」なども始めた。また、県内全郵便局と県が「防災協定」を結び、万が一に備えて協力体制も整えた。
「地域貢献」活動は、数年来の郵政民営化議論の中で、当初はなんとか生き残るために始まったようだが、地域住民から感謝される経験を重ねる中で、日常のごく自然の活動として定着したかのように見える。
 いま、鳥取県でも合併論議が進むにつれ、町村は自立か近隣と縁組みを進めるか、徐々に追い詰められている。過疎の町は、ますます拍車がかかるのではと心配もするが、元気な郵便局員たちの存在が、それをいくぶんか柔らげてくれている。



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