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人間サイズのまちづくりを目指して |
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兵庫県県土整備部まちづくり局長 |
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山崎靖生 |
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一月十七日は私たちにとって、終生忘れることのできない「阪神・淡路大震災」の発生した日である。
大震災から八年が経ち、被災地のまちづくりも、震災当初の目標として取り組んだ「都市基盤の早期回復」「住宅の量的確保」についてはすでに目的を達成し、一部、土地区画整理事業地区内でのビルドアップの遅れなどの課題を残しつつも、人口など総体としては震災前の水準に回復しており、まちづくりはおおむね順調に進んでいると言える。これもひとえに、震災発生直後より被災地に駆けつけ、昼夜を問わず献身的な働きをしていただいた全国各地の自治体関係者や多くのボランティアの方々、あるいは義援金などで支援をいただいた全国の皆さまからの励ましがあったからと、心より感謝している次第である。
先の大震災では、都市機能の過度の一極集中や高齢化したインナーシティ問題など近代都市の抱えるさまざまな課題を再認識する一方、復旧・復興の過程で、まちづくり協議会に代表される市民参加型のまちづくりシステム、コレクティブハウジングやグループハウスに代表される相互扶助型の住まいづくりなどの成果も生み出された。こうした成果を踏まえ、さらに二十一世紀を展望した新しい生活環境や都市環境の創造に立ち向かっていく覚悟である。
このため兵庫県は、住民の参画と協働を基調に、成熟社会にふさわしい先導的なまちづくりを推進するためには、大震災などで得られた貴重な体験を生かした新しいまちづくりの考え方と仕組みを確立し、それを県下全域で進めることが重要であると考え、平成十一年三月に、都道府県では全国初となる「まちづくり基本条例」を制定している。これは、これまでの“巨大サイズ”“経済サイズ”“画一サイズ”の都市づくりを改め、「人間サイズのまちづくり」を推し進めることを提唱している。
すなわち、都市が拡大すればするほど災害時の被害も大きくなること、経済優先の都市づくりでは中心市街地での夜間人口がいなくなること、また画一的な都市では住民の愛着がわかないのでコミュニティも育たないことなど、これまでの都市づくりの反省を踏まえ、これからは自然環境や伝統ある町並みを保全し、人びとの出会いのある公共空間を豊かに確保した「人間サイズのまちづくり」こそが、そこに暮らす人びとに心からの安らぎと愛着をもたらすことになると考えたものである。最近、国土交通省が提唱している“歩いて暮らせるまちづくり”の基本的考え方とも合い通じるものがある。
とくに基本条例では、地域に根差した主体的なまちづくり活動を行う団体に対して、支援することとしており、なかでも県の外郭団体の「ひょうごまちづくりセンター」を通したまちづくり協議会などへの支援は、県内各地で住民主体のまちづくりを促進し、大きな成果を上げている。ちなみに、現在県下のNPOで、活動分野に“まちづくり”を掲げているのは百三十五団体で、これは県下NPOのほぼ半数を占めている。また、住民が主体となった任意のまちづくり活動団体である「まちづくり協議会」は二百三十団体に及んでいる。
今後は、さらに住民主体のまちづくりをより一層高めるため、前述の「ひょうごまちづくりセンター」を中間支援組織として充実し、活動団体間の交流を促進するためのネットワーク組織の設立や、情報バンクの開設などに取り組み、全国に先駆けて住民主役のまちづくりを進めていきたいと考えている。
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