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古川の街づくりをすすめる女性の会 代表 菅原恵子さんら 緒絶川美化で創作紙芝居 市民ギャラリーを管理運営 |
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(財)地域活性化センター業務第二課副参事 |
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大野誠一 |
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古川市は宮城県の北部に位置する、人口約七万人の田園都市で、ササニシキ・ひとめぼれの誕生の地としても知られている。東北新幹線古川駅を出て徒歩約十分のところに七日町商店街がある。この商店街には、空き店舗を活用した七日町わくわくギャラリー「ビーンズポット」があり、ここで今回紹介する「古川の街づくりをすすめる女性の会」の代表菅原恵子さんら会のメンバー六人に話をうかがった。
地域の日常に密着した活動
会発足のきっかけは、古川市中央公民館主催の公開講座「女性地域づくりセミナー」であった。勉強だけではなく実際の活動としてまちづくりに取り組みたい、と受講者のうちの有志十四人でこの「古川の街づくりをすすめる女性の会」は発足した。平成十一年十二月十三日のことである。まちづくりという幅の広い分野の中で、生活者、とくに女性の視点がこれからのまちづくりに必要ではないか、また、そうすることが地域の日常の中に密着していくのではないか、との考えを基にこの会では、さまざまな活動を行っている。
会の取り組みは、古川のまちの生活や農業に密接に関係している緒絶(おだえ)川を街の核とすることが、自分たちの街には大切なことではないのかという提言書を古川市に提出することから始まった。
古川市では、二年前から緒絶川関連の行事として「古川藤まつり」を開催しており、その実行委員会には、女性団体として唯一この会がメンバーとなっている。ダンスパフォーマンスなど、地元の高校生に参加してもらうなど、若い人も参加できるようなしかけを要所要所に取り入れたという。
また、この会での緒絶川関連の独自の取り組みとしては、紙芝居がある。そもそもこの緒絶川は、平安時代、嵯峨天皇の准后緒絶姫が入水自殺した悲劇の場所として伝えられ、この川に架かっている緒絶橋は、多くの歌人に悲恋の歌枕として詠まれた場所でもある。三、四十年前、泳ぐことができたこの川は、今では生活排水などで汚れてしまった。緒絶川伝説と現在の緒絶川の環境美化を訴えるための創作紙芝居を作り、学校や藤まつりの会場で披露した。
この紙芝居はその後、地元小学校の四年生の子供たちが総合学習の時間に創作紙芝居の絵をもとに自分たちで紙芝居を作り、その話を低学年へ向け伝えていきたいといううれしい話もあったとのことだ。
市民ギャラリー・ビーンズポット
今回話をうかがった場所、七日町わくわくギャラリー「ビーンズポット」の運営管理もこの会の活動の一つである。
もともと市の空き店舗対策として、一年間市の補助を受け、七日町商店街の空き店舗を活動拠点の事務所にした。事務所を構えて五カ月後、市の中心市街地活性化の一環として市民ギャラリーである「ビーンズポット」がオープンした。ちょうど隣に事務所を構えていたこの会に市から管理運営が任された。使用料五百円で市民が趣味で作った人形、陶器などの展示・販売用にギャラリーの貸し出しや会での企画展、公開講座などを実施している。展示品に対する反響は結構大きいものがあるそうだ。この場所で展示したものに対し「作り方を教えてほしい」などの要望があり、教室を開いた人やマスコミに取り上げられお店を出した人もいると言う。
公開講座には男女共同参画、農業、環境、TMOなどの内容が並ぶ。テーマについて代表の菅原さんは、「古川の基幹産業である農業を理解することは、古川の環境問題や中心市街地活性化のうえで切り離すことができない。安全・安心な農産物や農薬の問題、土づくりなどの知識を自分たちで理解し、市政と関連づけたうえで、生活者の視点で考えてもらいたい」と語る。
読み聞かせの影響
会では一年以上前から、定期的に継続していることがある。それは、絵本の読み聞かせである。絵本の読み聞かせは、幼児期における言葉の会得や想像力をつけるなど幼児に対する効果や、親にとってもさまざまな効果があると言われている。毎月一回、まだ幼稚園に通っていない小さな子供を対象に読み聞かせや手遊びを実施している。当初は参加者が一人だったため、マンツーマンでの読み聞かせのときもあったようだが、最近ではリピーターも増え、定着してきた、とのこと。「子供が本を好きになりました」という声や、近所の子供が保育園に行っているため、同年代の子供をもつ親との接触がない親にとっても、育児に対する意見交換の場となるなど効果を挙げている。
「専業主婦は子育てをしているとき、社会から取り残されているような気分になる。それがどんどん子供との中で深くなってしまう、それを帰ってきた夫に言っても微妙な気持ちは分かってもらえない」と菅原さんは言う。そういう意味でもこの読み聞かせの場は役に立っているといえるだろう。また、この会のある七日町商店街にも少なからずとも影響を与えている。
以前であれば商店街でイベントがあっても男性が中心で女性は店番をしなければならず、祭りに出たことがなかったそうだ。しかし、今度この会に影響され、初めて女性が中心となってイベントをすることになった。時間や規模はそれほど大きなものではないとはいうが、従来、女性は表に出なかったこの商店街にとっては大きな出来事だと言う。
地に足のついた活動を目指す
この会では、市の主催する協議会や審議会などには、会のメンバーに交代で出席してもらうことにしている。これにより、会議の場で自分の意見を述べるなど普段ではできない経験をメンバーにしてもらい、それぞれの自己研鑽をしてもらい、また、その場を通して多くの人とつながっていくといった広がりをもてるようにしている。
今後の課題としては、「自分たちの活動をほかの人たちと連携を取っていけるようにしていかないといけない。一方的な発信のみならずお互いにキャッチボールできるような、そんな活動の展開がみられることが一番望ましい。また、会として市のいろいろな動きの中で自分たちのやることをきちっと見極め、地に足のついた活動をしたい」と菅原さんは語る。
決してそれぞれの取り組みは大きなものではないが、着実に地域に何らかの影響を与えているこの会の活動。会員の毎月の会費千円で運営しており、基本的にボランティアである。家庭との両立において、優先順位としては、低くなりがちなこの活動。いろいろなハードルに直面すると思うが、それを乗り越え活動を続けていくことを期待したい。