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京都府綾部市 NEXT 若者のネットワーク構築で地域活性化図る フリーの立場でさまざまな活動を展開 |
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(財)地域活性化センター研修交流課副参事 |
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荒矢大輔 |
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綾部市は京都府の中央よりやや北に位置し、人口約三万九千人、近畿圏の都市では四番目に広大な面積を有し、豊かな自然と歴史にはぐくまれたやすらぎを感じるまちである。この綾部市で、二十代、三十代の若者が中心となって地域づくりに取り組んでいるネットワークグループ「NEXT」を訪れた。
ロータリークラブの提案
「NEXT」は、平成十年九月、二十一世紀を担う若い世代が個人、グループ同士でネットワークを組み、自分たちが楽しめる企画を行いながら、地域の活性化に貢献していくことを目的に結成された。NEXTという言葉には、「次の」とか「隣の」という意味があり、次世代を担う若者が、隣の人たちをどんどん仲間にして交流のネットワークを広げていくための、接着剤のような団体にしようという願いからこの名前が付けられた。
「NEXT」が結成されるきっかけとなったのが、綾部ロータリークラブから出された、既存の枠にとらわれない若者のグループによる「新世代会議」を開催しようという提案であった。この呼び掛けに応じて集まった若者たちによって発足したのが「NEXT」である。
新世代会議開催に向け、人口減少が進む綾部市に、定住人口よりも交流人口を増やし、綾部に市外から人を呼び込むための企画を広く市民から募集した。会議当日は応募のあった中から、「NEXT」が厳選した五案についてパネルディスカッション方式で話し合った。この新世代会議で出された企画案を基に、平成十一年から十三年の三年間に開催されたのが、綾部の良さを知ってもらい、何度も市外から遊びに来てもらう交流人口の増加を目的とした「ネイチャーツアー」であった。
同ツアーでは、県内外の若者を招き、陶芸やお茶の接待、和紙の手すきを体験したり、地元の温泉で疲れを癒(いや)したあと、地元産の野菜を使ったバーベキューに舌鼓を打ったりしながらお互いの交流を深めた。
情報満載のタウン誌
結成から四年、「NEXT」は三十人ほどの主要メンバーを中心に、幅広い活動を展開するネットワークグループとなった。主な活動として、若者の横のつながりを強くするため『月刊NEXT』の発行、FMいかる「NEXT DOOR」の放送、メーリングリスト「iネット・あやべ」の運営、綾部青年交流会の開催などを行っている。
若者向けの情報を多く盛り込んだタウン誌『月刊NEXT』は、十一年二月創刊で、十四年十月現在で四十四号を数える。毎月二十日発行で購読は無料。毎月六百部印刷、市内の各施設や商店など約七十カ所に置いている。「NEXT」の活動内容のほか、綾部市内や近隣地域のイベントや観光スポットなどの情報が満載で、「情報交換に役立つ」と多くの読者から支持を得ている。
情報誌だけでなく、十一年十月からは、地元ラジオ局であるFMいかるに月二回、一回三十分の時間を借りて、「NEXT DOOR」を放送し、音楽を交えながら地元の情報発信に努めている。
また、市内外の幅広い世代の人たちに綾部の話題や行政施策などについて、時間に制約されることなく意見を交わしてもらおうと、Eメールを利用したメーリングリスト「iネット・あやべ」も開設している。日ごろの疑問をぶつけ合える場になればとの期待から開設し、現在では全国で百五十人もの登録者を数えるまでになった。
さらに直接触れ合う場の創設として、大都市に住む独身女性と市内の独身男性などを参加対象にしたイベント「綾部の春」や、綾部市内の若者が大勢集まって交流を深めることを目的に「綾部青年交流会」を開催している。このように「NEXT」は、月刊誌・ラジオ・Eメール・交流会と、さまざまな手段を用いて、より広いネットワークを築き上げようと活動している。
市長を講師に勉強会
地域への提案や働き掛けとして、フリーマーケット「青空市場」や勉強会、まちづくり交流会などを開催している。青空市場には近隣市町村だけでなく、遠くは大阪や神戸などから数多くの人びとが集まる。今年四月に開催された第六回フリーマーケットでは、過去最高の約九十店舗が出店しおよそ一千人が訪れた。出店者の多くは過去にも店を出した経験のあるリピーターで、交流人口の確保に役立っていることが分かる。
各種勉強会では、市長を講師に招いての勉強会として、三日間で延べ十一時間にわたり、講演や意見交換を行った。また、地域通貨の研究会を立ち上げ、市内での地域通貨導入を模索し、今年一月に地域通貨「ゆーら」の流通をスタートさせた。「ゆーら」とは市内を流れる由良川からとって名付けた。流通開始後は「ゆーら企画」を立ち上げて管理・発行を行い、地域通貨が昔の人たちが当たり前のようにやっていた「お互い様のやりとり」や「思いやりの心」といった助け合いを取り戻す手段の一つになるよう普及に努めている。
このほか年配の方が中心となって若者の意見を参考に綾部の将来構想を話し合うのではなく、若者から呼び掛けて各世代、各分野で活躍する人を集め、自分たちが担う綾部の将来について熱く議論する「まちづくり交流会」も定期的に行っている。
継続は力
前記のように「NEXT」は綾部市内にある若者グループ同士のつながりを目指す、互助組織的存在である。この広いネットワークを使い、他団体の事業への協賛や、一人の夢をみんなで実現する取り組みにも力を入れている。劇団銅鑼「センポ・スギハアラ」公演への協力や、山家「やな祭り」への協力、「あやべ寄席」後援など、数多くの事業に協力し、個人の取り組みを応援してきた。
また、メンバーの意欲や自主性を損なわないように、年会費も入会金もなく、月に一度集まる例会やミーティングへの出席率も関係なく、縛られない出入り自由な環境に心掛けている。楽しみながら活動するためにサークル活動としてソフトボールチームをつくったり、映画観賞会や視察旅行を行ったりしてメンバー同士の交流も深めている。各種活動を通じて気を付けているのが、メンバーのやる気を失わせないように思ったことはすぐ実行し、意図をしっかり持って活動することである。継続こそが力であり、無理をしないことも大切にしてきた。
細かいところに気を配り、相手を喜ばせることによって期待と信頼を得てきた。「NEXT」はこのような活動を通して、より広いネットワークの輪を構築してきたのである。
「メンバーはみんな綾部が大好きなんです。綾部に来てもらうためには、自分が綾部を好きでなくては綾部のいいところを伝えることはできません。まず、綾部を好きになることから始め、僕ら自身が楽しみながら綾部を活気付かせようと活動を続けています。皆さん綾部に来てください」と、話をうかがった事務局の四方さんが楽しそうに話す姿が印象的であった。
NEXT●プロフィール
設立年=平成10年
会員数=30人(男20人、女10人)
代表者=久木隆哉
事務局連絡先=〒623-0037 京都府綾部市並松町上溝口20-3(有)両丹企画内
TEL:0773-43-0453
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