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新潟県 UD(ユニバーサルデザイン)をキーワードにものづくり 地場企業14社が異業種コンソーシアム |
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UD21・にいがた事務局代表幹事 |
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秋元幸平 |
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われわれのグループは大げさに言うと、「新潟・佐渡を世界一のエコランドにしよう」という壮大かつ夢のような考えを持ち始めている。われわれは地方の活力が大切であり、異業種が力を合わせ、夢に向かって知恵を絞ることが今の世の中の一つの答えかと考えている。
エコロジーをUDの思想に
なぜ、このような夢を持ち始めたか。
ユニバーサルデザイン21にいがた(以下UD21)は、新潟県内のさまざまな業種の企業九社が集まって平成十二年一月に発足、現在十四社が集結している。
新潟には日本一の商品や技術を誇る企業がたくさんある。しかし、新潟のイメージは、他の地域から見ると昔から現在まで相変わらず「雪」「米」「酒」の三つに絞られている。企業がどんなに頑張っても、そのイメージをくつがえすことは難しい。そこで考えたのが、いろいろな企業が集まれば大きなパワーが生まれるし、このパワーで新潟のすばらしさをアピールできるのではないかということであった。
異なった業種のパワーを結集するには、各企業が有機的につながり、納得できるテーマづくりが必要である。そこで、これからのものづくりのキーワードとして「ユニバーサルデザイン」(以下UD)を取り上げ、共通の認識の基に勉強することをこの会合の目的とした。一口にUDといってもいろいろな考えがあるので、東京のユニバーサルデザイン総合研究所の赤池学所長の考えを根幹理念とした。所長の考え方は、子供たちに千年の後もこの緑の地球を残すということである。
一般的にUDとは年齢・性別を超えてさまざまな人に使いやすいものであるといわれているが、どんなに使いやすい便利な商品であっても、その製造プロセス上、有害な物質や大量の廃棄物を排出したりしては、「ユニバーサルデザイン」とは言えない。われわれはそんな考えをUDの概念に盛り込むことにした。
発足から半年間は毎月、UDの勉強会をその後は各社の工場見学会や講演会などに参加し、現在もこれを続けている。UD21の大きな特長は、民間企業が中心になって事業を進めている点にあり、新潟大学の先生や各地の専門家から講演を受けるものの、行政からの人的支援は今のところ受けていないし、金銭的な援助を一銭も受けていない。したがって、次回の日程や場所、内容などすべて自主運営で決定しており、この会に強制力は何もないし、定例会への出席や展示会に参加するかは各企業の意思次第となる。となると、「UD21の会合に出席すると、何か得るものが必ずある」と会員に思ってもらわなければならなくなってくる。そのため、各企業が興味を持つような話題を常に集めなければならず、幹事として大変苦労している。
今年の四月からUD21のホームページを立ち上げた。これは各社のUDに対する意識を高めることにつながった。なぜなら、ホームページは会社を代表する広告塔となる。各社の経営陣からもUDに関する認識が高まったことが、ホームページを通じて確認することができた。

おかゆとスプーン
ここで、UD21が共同開発した代表的な事例を紹介したい。この組織の目標としては、「グループとして一年に最低一つのユニバーサルデザイン商品を開発する」ということにしており、いろいろ成果も上げている。
平成十二年十月、おせんべい屋の亀田製菓とスプーン屋の青芳製作所が共同で飲み込みやすいおかゆとそのおかゆをすくいやすいスプーンを開発した。
食品会社と金属製品会社は普通結びつくチャンスはあり得ず、これまではそれぞれが別々に研究してきた。しかし、お年寄りや障害者など口が開きにくく、一度に多く飲み込めないといった飲み込みが困難な人が食事を取るとき、両方の商品を同時に使うものである。「だったら、同時に開発しよう。営業範囲も二倍になるし、セールストーク的にも分かりやすい商品の提案になる」との共通の認識のもとで、お互いの不利益になることは全くなく、共同開発をすることができた。もちろん、コンセプトはUDである。
黒酢農法栽培
成果の二つ目が、米酢をつくっている石山味噌醤油と新潟大学との共同研究としての「黒酢農法栽培」であり、三年春、UD21の会合で発表された。この研究は、米栽培に米からつくった黒酢を農薬として使うという非常に分かりやすい循環型の減農薬農法である。食に関する不安感が高まっている中、酒造メーカーの朝日酒造、米菓の亀田製菓、パックもちのきむら食品、パックご飯の佐藤食品、新潟県総合生協が興味を示した。黒酢を成育中の稲に散布すると生長が促され、農薬の使用が大幅に減り、食味も増すといわれる。この効果に着目し試作したところ、質のよいコシヒカリの誕生となり、きむら屋のもち、新潟県総合生協の食用米のほか、おにぎり、酒の新ブランドにつながった。さらに、ゼネコンの提案で、栽培を佐渡の棚田まで広げ、耕作面積を大幅に広げることができた。米菓子などの原材料に売り込んで、新潟の特産品づくりを展開中である。
一般的には、食の素材を同業者同士が検討し合うことは今までありえないことであった。しかし、今回の黒酢農法栽培をきっかけに減農薬米に関して同業者が勉強会を開きながら、意見交換をし、最終的に販売までこぎつけることができた。
佐渡をエコランドに
新潟県は佐渡島をかかえており、この佐渡をエコアイランドにしようとする構想を今、考えている。
佐渡は日本で二番目に大きな島で、第一次から第三次産業まですべてそろっており、大きさといい、人口といい、歴史や文化など最高のポテンシャルエネルギーを持つ島である。
何といっても、佐渡には自然破壊の犠牲となった絶滅寸前のトキがいる。そのトキを自然に帰すためには減農薬農法は必要不可欠である。減農薬によって、田畑にドジョウや小魚が増え、トキのえさになるのである。
さらに、佐渡で作った減農薬米を買って売ることもできるし、佐渡の地元雇用などにもつながる米飯工場を造ることも考えられる。
会員の暖房機器メーカー、家庭電化製品メーカー、寝具メーカー、ゼネコン、公園遊具メーカーなど各社が、二十一世紀に向かって環境問題を具体的に検討し、いろいろなノウハウがエコアイランドに活用できるのではないかという夢を持っている。
ただ、UD21開発商品の統一ブランドの策定については、参加メンバーのうち上場企業の中に自社ブランドだけで十分との意見があり、現在のところペンディングとなっている。
最終的な目的は、新潟そして佐渡が世界一のエコランドとして立ち上がることである。そして、世界中の環境問題に直面している人たちがどうしたらよいかとの答えを見つけるために、この土地を訪れてくれることを願いたい。
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