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【縁】はおもしろい |
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熊本県小国町長 |
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宮崎暢俊 |
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七月十五日、オペラ・ガラコンサートが小国ドームで催された。
このコンサートには二つの特色がある。一つは日本ではなじみが薄いが東欧スロバキア国立オペラ座の洗練されたソリストたちによる本格的なコンサートであること。もう一つは小国町の小・中・高生全員が総合学習の一環として鑑賞したことである。
この縁は、東欧と交流の深い小樽市にある森ヒロコ・スタシス美術館館長の長谷川洋行さんが小国を訪れたことから始まった。長谷川さんは、小国杉を活用した木造立体トラス構法で建てた小国ドームを見学。当時小国ドームは、日本最大の木造建築であった。建築基準法、消防法の難関をクリアして建築されたまちづくりのシンボルとなった建物である。長谷川氏は、いつの日にかこのドームで本格的なオペラのコンサートを行いたいと熱っぽく語った。私はとくにオペラファンではなかったが、ファジーなまちづくりに取り組んでいた私たちは、面白い人であり、考えだと受け入れた。
スロバキアの広さは北海道の六割ぐらい、人口は約五百万人、そこに三つの国立オペラ座がある。その一つバンスカ・ビストリッツアのオペラ座のソリストたちによる公演であった。今世界のプリマとして活躍しているエディタ・グルベローバ、ルビカ・オルゴナヴァ、セルゲイ・コプチャクは、このオペラ座から世界へ羽ばたいた。この一座は冬季にパリを中心に公演を行っている。出演者はバスで、舞台装置や衣装はトレーラーで地方都市まで巡回する。オペラはもっとも身近な大衆文化である。
長谷川さんとの出会いから小国のとっぱす(方言で、跳ね上がり者、新しがりやの意味)たち四人がスロバキアの旅に出かけた。目的は、地ビール探訪とオペラ鑑賞であった。西欧のオペラ座に引けを取らない素晴らしい施設で、料金はボックス席四人約一万円余だった。私たちのオペラ鑑賞はアイーダで始まった。天井桟敷には、正装した子供たちが熱心に聴きいっていた。幕あいには、ロビーでボヘミアングラスに注がれたワインを味わった。
旅行中、スロバキアの人たちの生活の豊かさを感じた。この国の人たちとは、なぜか自然体で交わることができた。言葉は通じなくとも心が通じた。
日本での公演を実現しているスロバキア国立オペラ座のディレクター、ルドルフ・フロマダさんは「日本公演は大都市の文化センターで行うだけでなく、生のオペラとは全く縁のない地域で上演することも重要な活動」と話している。小国ドームで公演を聴いた子供たちは「マイクなしで歌っているのにびっくりした」「おなかから声を出すと大きな声が出るのを知った」など感動を語った。
いつの日かトレーラーとバスによる巡回公演が日本で行われ、多くのオペラファンになった人たちと一緒にビールとワインを味わいながら、地方でオペラを楽しみたいものである。
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