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二十一世紀に大きく羽ばたく愛知

愛知県知事

神田真秋


 地域づくりは持続的な営みの積み重ねであり、時間の連続の中での通過点に過ぎません。しかし、二十一世紀のスタートとなる本年は、新しい時代の確かな道筋を切り拓(ひら)いていかなければならないという思いを強く感じさせます。
 ところで歴史を振り返ると、新しい世紀に入るときには、その節目の前後十年ぐらいの期間は、旧来型の枠組みから脱却する調整期ととらえることができるようです。二十世紀から二十一世紀への移行に当たっても、冷戦構造の終焉やバブル経済の崩壊といった著しい変化が相次いで顕在化しました。新世紀を迎えても不透明感がぬぐえませんが、夢と希望をもてる未来へはばたいていく助走期にしたいものです。
 そうした中、私どもの地域では、二〇〇五年日本国際博覧会と中部国際空港という、時代を先導する原動力となるプロジェクトが、具体的な姿を見せ始めています。関係方面のご協力のもと、くしくも世紀が変わる節目の昨年、国際博はBIE(博覧会国際事務局)での登録承認、国際空港は現地着工へとステップアップすることができました。
 もとよりこれらのプロジェクトは、一つの圏域にとどまらない大きな意義と波及効果を有するのであり、一面でさまざまな困難を伴っても不透明かつ閉塞的な時代を切り拓く力をもつ目標を私どもがもっているのはありがたいことと考えています。
 同時に、これからの地域のあり方について思いをめぐらせると、地球規模での「大交流時代」を迎える中で、「情報」「環境」「連携」といったキーワードが基本的かつ重要な視点となり、行政にとっても施策展開の機軸となると言うことができます。
 そして、国際博と国際空港を新しい時代にふさわしいものとしていくうえでも、これらのキーワードを具体化していくことが必要とされるのであり、たとえばITS(高度道路交通システム)の活用や、燃料電池をはじめとする新エネルギーの実用化、さらにはNPOとの協働に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 万博の歩みを顧みると、パリは十九世紀の後半だけで五回もその会場となり、国際都市としてのまちづくりが一挙に進められ、芸術・文化やファッションの都としての魅力が大きく花開きました。そのシンボルが一八八九年の万博の際に建設されたエッフェル塔ですが、当時は落ち着いたパリのたたずまいを損なう異物と批判されました。当初の予定では二十年後には取り壊されることになっていましたが、時間の経過の中でその機能美が認められるようになり、新しい時代の象徴として受け入れられるようになりました。このことは、柔軟な発想をもちつつ、創意あふれる取り組みを進めることが求められている私たちにとって、示唆に富むエピソードであると思います。
 二〇〇五年三月を目標とする国際博の開催と国際空港の開港までの時間は四年を切っています。愛知が大きく羽ばたく基盤として生かしていくとともに、二十一世紀社会の一つのモデルを提示できるよう努力してまいりますので、皆さまのご支援をお願いいたします。




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