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パートナーシップとまちづくり考える 基調講演、ディスカッションで多彩に |
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(財)地域活性化センターは三月十一日、東京の有楽町朝日ホールで「第五回地域活性化フォーラム」を開催した。第一回の「ふるさとへのUJIターン」から始まり、以後、第二回は「地域文化の活用や創出」、第三回は「ふるさとと呼べるまちづくり」、第四回は「交流と連携によるまちづくり」とテーマを重ねてきたが、今回は「パートナーシップによるまちづくり―共に生きる地域社会をめざして」がテーマとなった。
このフォーラムは総務省、朝日・毎日・読売・日経・産経各新聞社と地域づくり団体全国協議会が後援。今回は「住民、NPO、民間企業などがパートナーシップを組むまちづくり」の方向付けを考えようという趣旨で、基調講演をはじめ、事例発表、ディスカッションが行われ、一般市民や行政関係者が客席で耳を傾けた。
「May I help you?」が原点
まず、当センターの吉田弘正理事長があいさつし、「地域活性化に関するさまざまな考え方や活動を皆さまの活動の参考にしていただきたい」と、活発なフォーラムになることを期待した。
プログラムの最初は、異文化コミュニケーターのマリ・クリスティーヌ氏が「パートナーシップによるまちづくり」と題して基調講演を行った。
クリスティーヌ氏はまず、「アメリカの子供たちは親からよく『Be useful!』と言われるが、これは自分を役立たせなさいということ。『May
I help you?』もボランティアの精神であり、この言葉の精神がまちづくりの原点だ」と、外国のボランティア精神を紹介した。
そして、まちづくりでは「一人ひとりが地域の中でどのように参加していくか、自治体とどういうパートナーシップを持っていくかがとても大事なこと」としたうえで、「私たちの目標は地域が将来的に良くなることであり、また、いま何かの種子を植えることで何年か後にこういうふうに実るということを、一つの共有目的にすることが大切」と、明確な目標を立て、長い目でみることの大切さを説いた。
情報銀行、市民プランの事例報告
続いて事例発表に移り、まず熊本県宮原町長の平岡啓輔氏が「『まちづくり情報銀行』と住民参加」と題して、町民からまちづくりへのアイデアを集めるため、大正中期の銀行跡の建物を買い取り「情報銀行」と名付け、職員を配置し、十四の地区には「支店」を置いたことを紹介。「銀行だから、利子を付ける。それは町民からの情報を最大限に生かすことだ」と、町の総合振興計画の策定と推進に「銀行」というユニークな手法で臨んでいるまちづくりを語った。
また、「みたか市民プラン21会議」共同代表で東京工科大学教授の清原慶子氏は「『みたか市民プラン21会議』の活動から」と題して発表。東京・三鷹市で基本構想改定のために全員公募方式で三百七十五人の市民が集まり、議論と勉強を重ねて市長に「市民プラン」を提出した活動の経緯を紹介し、「市長とパートナーシップ協定を結んで活動したが、参加した市民が互いの違いを理解することの大切さを教えられた」と語り、会場に感銘を与えた。
住民参加組織と議会との関係
このあと早稲田大学教授の卯月盛夫氏をコーディネーターとして、清原慶子氏、ニッセイ基礎研究所主任研究員の白石真澄氏、平岡啓輔氏、マリ・クリスティーヌ氏の五人によるディスカッションとなった。
卯月氏がこの日のディスカッションのキーワードとして挙げたのは、「パートナーシップ」「まちづくり」「共生」「地域社会」の四つ。
まず白石氏が、「これからのまちづくりは地域の中に何もかもある時代から、専門店型まちづくりを考えては」など四つのポイントを挙げて口火を切り、議論が次第に白熱。その中で、行政側が住民の声を吸い上げることと住民代表である議会との関係では、平岡氏は「宮原町では議会制民主主義を最大限尊重している。町が住民との対話、積み上げた情報の優先順位を決め、町長が上程した議案を議会に議決していただく」と語ると、清原氏も「『みたか21会議』は、選挙で選ばれた市長が行政の責任を果たすうえで取り上げた住民参加組織。議会は行政の長による参加の仕組みについて、ある方は静かに温かく、ある方は厳しく見守っている段階だと思う」と、住民組織、行政の長、議会の関係を分かりやすく紹介した。
このあと卯月氏は「本来、意見の違う人たちを、ある目的に基づいて合意形成を図る難しさ」について議論をリード。清原氏は「テーマを十に絞り、分科会の議論から始め、少数意見を尊重した。結果的には各分科会の修正意見なども併記し、市民の着眼点の多様性をそのまま透明度高く市に伝えた」と述べ、白石氏は「住民参加は萌芽期から成熟期に移ってきた。総合計画づくりのようなときには、教育のことでも福祉のことでも、すべてを見渡せ、まとめる人材の見極めと配置が重要」との考えを述べた。
また、「共生」という概念については、クリスティーヌ氏は「どんな小さな成功例でも、積み重ねることによって地域の民度が上がる。旧住民と新住民、権力者の交代などいろいろあるが、積み重ねや持続が大事なストックになる」と述べると、卯月氏も「人びとの記憶から新しい創造性が出てくる。それは『時間との共生』とでもいうものでしょうね」とうなずいた。
また白石氏は「互いに多様性や違いを認め合い、補完し合える社会であることが肝要」と述べた。
「ジャパニーズまちづくり」への期待
最後に「お互いの存在に敬意を払うことがパートナーシップの基礎」(清原氏)、「高齢化によって遠からず人は必ず孤立化する。そのとき、対等なパートナーシップの関係が重要」(白石氏)、「共に生きる地域社会ができたら、宮原町はこの先も独立独歩でいける気がする」(平岡氏)、「いろいろなものを見て、自分たちらしいものをつくることが大切」(クリスティーヌ氏)と強調し、卯月氏が「失敗を恐れず、実験してみよう。そうすることで日本的な『ジャパニーズまちづくり』が一つの理論になっていくと期待している」と締めくくった。
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