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大分県久住町─日本一のマラソン練習コース 高地に一周3キロの天然芝コース 全国から多数の選手・観光客で賑わう |
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久住町社会教育課主事 |
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森 淳史 |
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色彩豊かな自然と共生するまち、久住は大分県の西南部、熊本県との県境に位置する。九州本土の最高峰中岳(千七百九十一メートル)をはじめ、久住山・大船山などの美しい連峰を北に擁し、その南麓の標高六百メートルから千百メートルに広がる久住高原は、三千八百ヘクタールもの広大な面積を有している。
久住山系を源に十四本の河川が大野川、大分川へ注ぐ。地熱や温泉などの自然エネルギー資源も豊富で、現在、十三カ所に温泉が点在している。北部山岳・高原地帯を中心に、阿蘇くじゅう国立公園の指定を受けており、これら貴重な自然資源を有効活用したまちづくりを進めている。
そういったまちづくりの流れの中で、昭和六十年、当町の村おこしグループ「星草」の会員が中心となり、クロスカントリー専用コースがつくり上げられた。「日本一のマラソン練習コース」と呼ばれるこのコースは、広島日出国氏(現沖電気宮崎陸上部監督)にコース設計のアドバイスを仰いでつくられたもので、一周三千メートルのコースに、約五メートル幅の天然芝が張られている。芝は足にやさしく、けがを防止できること、さらに冷涼な気候、高低差七十三メートルのコース設計、標高九百メートルの高地にあること、がこのコースの特徴であり、「日本一」といわれるゆえんである。
また、クロスカントリーには、(1)自然の中を走ることで気分がリラックスできる(2)起伏地を走ることで心肺機能と筋力が強化できる(3)不整地を走ることで、バランスのとれた走りが身につく、などの効果のあることが専門誌などでは言われている。
予約で満杯の宿泊施設
夏のシーズンには数多くの実業団・大学・高校・中学の陸上部が合宿に訪れ、町内に十九ある宿泊施設は予約でほとんどいっぱいになる。温泉が町内の至る所にあり、練習の疲れを取ることができることも人気の一要因として挙げられる。
この「日本一のマラソン練習コース」で年二回、手づくりのクロスカントリー大会が開かれている。七月下旬に中学・高校・一般の選手を対象に開催される全国的な大会と、十月中旬に直入郡内外の小・中学生を対象として開かれる大会である。
昭和六十三年に始まった前者の大会は、当初、参加選手数が五十四人だった。その後、夏季合宿でコースを利用する学校・実業団が増えたこともあって、参加選手数が大幅に増加。第八回大会には、大会最高の千二百四十七人の選手がコースを走っている。バルセロナ五輪銀メダリストの有森裕子選手や旭化成の選手たち、シドニー五輪で金メダルを取った高橋尚子選手の監督、小出義雄氏もかつて当町を訪れている。
第十四回を迎えた昨年は、九州はもとより遠くは埼玉県からも参加していただいた。七月二十三日の大会当日には中学生二百六十二人、高校生百七人、一般二百四十八人の選手が健脚を競った。
ほぼ同じく、昭和六十二年に始まった後者の大会であるが、この大会は「広島杯駅伝・ジュニアクロスカントリー大会」と言われ、コース設計に携わった広島日出国監督の名前をいただき開催されている。昨年は十月二十一日に行われ、町内はもとより郡内外の小学生百六十一人、中学生百十四人の選手が参加した。
「町のスポーツ」に陸上長距離
「地域の特性や実態を生かした特色あるスポーツ活動を実践することにより、代表的スポーツを育成して、潤いと活力に満ちた魅力ある地域づくりを進める」ことを趣旨とした「一村一スポーツ」推進事業を、大分県が平成五年度から実施している。当町は、「一村一スポーツ」に陸上競技、中でも町民の関心の高い長距離を選定し、クロスカントリーコースを有効に生かしたスポーツのまちづくりを推進している。
前述の二つの大会は、当町から世界へ羽ばたいていくランナーが一人でも生まれることを願って開催している。実際のところ、郡内の中学校からは県大会を制し、九州・全国大会に出場するほどの実力を持った選手が数多く育っている。
平成五年三月に策定された久住町新総合振興計画では、「やさしい町・たくましい町・美しい町の創造」を基本理念に、新しいまちづくりにまい進している。同じく五年度から、自然と共生する活力あるまちづくりを目指し、県の協力を得ながら、「地球にやさしいむらづくり」事業に取り組んでいる。クロスカントリーコースやグライダー滑空場などの野外スポーツ施設の改修、展望所・遊歩道などの観光施設の整備もその一端である。
観光客二倍に増える
そうした事業に加えて五年以降、民間による観光リゾート施設の相次ぐオープン、アウトドア志向の高まりの結果、観光客は五年度が百十万八千人であったのに対し、十年度には約二倍の二百十四万人まで増加している。
古くより、交通の要衝であった国道442号線沿い、約四キロにわたる松並木と並行してつくられたクロスカントリーコースは、年中無料で開放されている。久住山・阿蘇山など三百六十度見渡せる雄大な景観は、ランナーのみならず、観光に訪れた人びとも立ち寄り、弁当を広げたり、スポーツを楽しんだりしている。
今あるクロスカントリーコースを、大切に維持管理しながら、久住高原にやってくる観光客やランナーにとって快適な環境を提供できればと考えている。また、コースで開催される大会についても町民の熱い期待にこたえながら継続していきたい。
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