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もんたよしのりとモーニング娘。の間に

長崎県商工労働部長

古川 康

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 かつてアンゴラというアフリカの国にPKOで派遣されていたことがあった。一カ月以上首都のルアンダで暮らした。内戦が終わったばかりの国で相当危なかったし、何もないところで相当ヒマでもあった。そこで夜になると在留邦人のところに集まった。
 そんなある夜、カラオケ大会をすることになり、当時、慶応の学生だった選挙監視要員の一人がもんた&ブラザーズの「ダンシング・オールナイト」を歌うことになった。みんなで大合唱したのだが、マイクを持つ彼はサビのところに来ると、「ダンシングオールナイト」と歌わずに、「dancing all the night」と「the」を入れて歌ってしまう。「the」はいらないのにと言っても、「『オールナイト』だとリズムに乗り切れないでしょ」と言う。
 そのときメンバーの一人が彼に向かい、「ひょっとしてアメリカ育ち?」と訊ねた。彼の答はイエスだった。
 そのメンバーは教えてくれた。「実はこの歌詞はもともとは『dancing all the night』だった。そのほうが歌詞としては曲に合う。ところがもんたはどうしてもそう歌えなかった。それで仕方なく『オール・ナイト』になったんだと聞いている。だからちょっと英語のできる人は今の歌詞にどうしても違和感を感じてしまうんだと思う」。
 たしかにあの曲を思い出して欲しい。サビの部分をカタカナ表記すると、「ダンシンオールナイッ」という感じだろう。しかも「ル」のところが強い。いかにもカタカナで「オール」だ。これよりは「dancing all the night」と歌ったほうが歌詞としては合う。
 ふむふむそうか。歌の名人もんたでも、英語は苦手かあと思ったものだった。
 ところで、去年の冬から今年にかけてモーニング娘。の「LOVEマシーン」が流行った。ちょっとウケようと思って、その辺のオヤジみたいなのまでがWow×4と歌っていたけれど、ふと気づいたのはその歌詞の中にある「Dance, Dancing all of the night」という部分だった。モーニング娘。はもちろんのこと、いまどきの子はここをさらっと歌っているのだが、若ぶっているオヤジ系でもここがうまく歌えないのが多い。「all of the night」のところがなんとなく字余りになってしまう。要するにもんた現象が続いているのだ。
 もんたが「オール・ナイト」で苦しんだのが昭和五十五(一九八〇)年。それから二十年たってモーニング娘。たちはそこを軽々と超えて見せた。この子たちが教科としての英語を得意としているのかどうかは知らない。でも、「普通」の子たちが簡単にこのフレーズを歌ってのけるところが「時代」じゃないだろうか、と思ってしまうのだが、皆さんはいかがだろう?

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