nagare.GIF yuyake.GIF


中心市街地再活性化対策について

自治大臣官房地域政策室

橋本康就

1 中心市街地の活性化について

 中心市街地はこれまで地域の文化、伝統の中心であり、各種機能が集積する「地域の顔」であった。
 しかし、近年のモータリゼーションの進展やライフスタイルの変化を背景に、空き店舗の発生や居住人口の減少など、中心市街地の衰退・空洞化という問題が深刻化している。中心市街地には生活に必要な機能が集積されており、その衰退や空洞化は地域住民の生活環境の悪化や地域経済の沈滞をもたらすものである。
 こうした状況をふまえ、「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律」が平成十年七月に施行され、自治省・通産省・建設省を中心とする関連十三省庁により、各種施策が推進されている。
(下表1参照 平成11年度中心市街地活性化関係省庁予算)
 また、関係省庁では、統一窓口として、中心市街地活性化推進室やそのホームページを開設し、中心市街地活性化に取り組む市町村などからの問い合わせに対応している。
 これらの施策により、同法に基づき市町村が作成した基本計画の数は、平成十一年十二月までに百九十二計画(百九十地区)となっている。

1 関係省庁の平成11年度予算(数字はいずれも国費)
通商産業省 1,100億円超
●中心市街地への商業・サービス業の立地促進
●中心市街地における創造力あふれる中小小売業の育成
●都市型新事業の立地促進
247.0億円
954.7億円
29.2億円
建設省 5,425億円
●街なか再生を促進する面整備事業
●道路、公園、駐車場等の都市基盤施設等の整備
●住宅・建築物の整備
913.0億円
4,298.0億円
214.0億円
自治省 1,150億円
●中心市街地再活性化のための基本計画の策定や施設整備等に対する交付税措置及び地方債等による地方公共団体の支援
   ソフト支援(交付税)  地方交付税措置額
   ハード事業支援(地方債)地方財政計画計上額


450.0億円
700.0億円
農林水産省 99.6億円の内数
●食品流通構造改善基盤施設整備事業等
●卸売市場施設整備
(13.6億円)
(86.0億円)
運輸省 4,573.0億円の内数
●街づくりと連携した鉄道施設整備等
●バスサービスの高度化、中心市街地における物流の効率化を図るための施設
●鉄道サービスの高度化
●街づくりと連携したウォーターフロント整備
●観光を通じたにぎわいの創出による中心市街地の活性化を図るための施策
(28.6億円)
(16.3億円)

(682.9億円)
(3,835.9億円)
(33.7億円)
郵政省 80.4億円の内数
●マルチメディア街中にぎわい創出事業等
●郵便局を活用した中心市街地の活性化
(45.5億円)
(34.9億円)
警察庁 185.7億円の内数
●交通安全施設等整備事業等 (185.7億円)
国土庁 2,361.1億円の内数
●中心市街地活性化支援事業等
●関連事業(地域戦略プラン推進費等)
3.6億円
(2,357.5億円)
文部省 138.8億円の内数
●社会体育施設整備費補助金等
●文化財建造物保存補助修理事業等
(44.3億円)
(94.5億円)
厚生省 3,328.8億円の内数
●社会福祉施設等施設整備費
●老人日帰り介護(デイサービス)運営事業
●住宅介護支援センター運営事業
(1,614.0億円)
(1,150.9億円)
(358.6億円)
労働省 479.0億円の内数
●改正中小企業労働力確保法に基づく支援施策
●パートバンク・パートサテライトの設置
●ハローワーク情報プラザの設置(新規)
●地域職業訓練センターの設置
(434.3億円)
(15.9億円)
(25.6億円)
(3.2億円)

※北海道開発庁、沖縄開発庁は建設省の内数
(注)各省庁により計上方法が異なるため、合計額は必ずしも一致しない


2 自治省の中心市街地再活性化対策

 自治省としては、引き続き主務省として本法の円滑な運用に努めるほか、平成十年度より、地方財政計画において、以下のような支援を実施している。

ソフト事業


 地方公共団体が行う次のような事業に対し、地方交付税による財源措置(四百五十億円)
●中心市街地再活性化を図るための基本計画の策定
●まちづくりの中心的役割を担う地域のリーダーやコーディネーターを対象とする研修の実施、先進地事例研究などの人材育成・確保
●中心市街地における地域の歴史や文化、伝統を生かした個性的なまちづくりの推進、空き店舗対策などの商店街振興など

ハード事業

 中心市街地活性化のための次のような地方単独事業を行う地方公共団体に対し、地方債(交付税措置付き)を許可(七百億円)。
●中心市街地再活性化特別対策事業
 基本計画に位置付けられる事業であって、市町村などが行う次のような地方単独事業に対し、地域総合整備事業債を充当する。
(1)集客力を高める施設の整備
(多目的広場、イベント広場、駐車場、多目的ホール、イベントホールなど)
(2)地域の産業の振興に資する施設の整備
(展示施設、物産会館などの整備)
(3)良好な都市・居住環境と街並み景観の向上に資する施設の整備
(ポケットパーク、緑地、駐輪場、四阿(あずまや)、街路灯、ストリートファニチャーなど)
(4)公共団体が行う一般の住民の利用に供される公共施設の整備に対する助成
(多目的ホール、イベントホール、多目的広場、イベント広場、駐輪場など)
 充当率は原則として七五%(後年度交付税措置:三〇〜五五%)とするが、以上の事業のうち、次に該当するもので、当該中心市街地の再活性化の起爆剤となる中核的基盤整備事業と位置付けられたものについては、充当率九〇%(後年度交付税措置同じ)とする。
*中核的基盤整備事業の対象事業
 市民広場(多目的広場、イベント広場)、駅前広場、ペデストリアンデッキ、野外劇場および街路新設並びに市民広場、駅前広場と一体として整備される催事場、展示交流施設(駅前広場・駐車場整備)

3 平成十一年度中心市街地再活性化特別対策事業の概要

 平成十一年度における対象事業は十五団体(一政令指定都市、十四市町)が行う十五事業(事業費総額三百五億円、うち平成十一年度事業費約百四十三億円)となった(いずれも平成十一年十月現在)。
(下表2参照 中心市街地再活性化特別対策事業の概要)
 これらの施設整備事業と基本計画に盛り込まれた各種ハード・ソフト事業が相まって、地域の顔である町の中心部の再活性化が図られることが期待される。

2 中心市街地再活性化特別対策事業の概要
宮城県大河原町 中心市街地商業活性化基盤整備事業(駅前駐車場整備)
地域住民の利便性を確保するとともに、駅前商店街の集客性の向上を図るため、市街地再開発ビル内に駐車場を整備
福島県三春町 三春町中心市街地交流・情報核整備事業
町の中心部に各種イベント、展示、交流事業など多目的に利用可能な交流広場および町民センターを整備
埼玉県川越市
川越駅東口図書館複合施設建設事業
公共施設の少ない駅前通りにおける地域住民の交流の場として、図書館機能を中心とし、地域児童館、国際交流センターなどを有する複合施設を整備
新潟県柏崎市 駐車場取得事業
中心市街地における駐車場不足を解消するため、街の中心部における市街地再開発ビル内に駐車場を整備
島根県出雲市 出雲市駅南駐車場整備事業
駅前広場、地域交流センター、ショッピングセンターなどの再開発にあわせ、平面駐車場を整備
岡山県岡山市

岡山市男女共同参画社会推進センター(仮称)整備事業
都市の空洞化に対処するため、公園などの環境整備や高齢者福祉サービスの充実とともに、女性の社会進出支援機能として、再開発ビル内に交流サロン・情報コーナー・会議室をあわせ持つ施設を整備
高知県南国市 阿佐線後免町駅駅前広場整備事業
鉄道・車などによる中心市街地へのアクセス拠点として、駅前広場を整備
熊本県宮原町 中心市街地再生拠点整備事業(まちづくり情報銀行)
まちづくりの拠点として「まちづくり情報銀行」を整備し、あわせて物産品の展示、交流などの機能を整備
大分県中津市 新博多町駐車場整備事業
商店街に隣接する民間駐車場の閉鎖により予想される駐車場不足に対処するため、平面駐車場を整備
福岡県北九州市 戸畑駅南口複合公共施設整備事業
駅前整備の一環として整備する複合公共施設のうち、集客力を高める施設として世代間交流プラザおよび駐車場を整備

(平成11年度新規分・平成11年10月現在)




●3月号の目次へ