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岡山県
庭園のこころ、新世紀へ

おかやま後楽園300年祭実行委員会事務局長

板矢文雄

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 兼六園、偕楽園と並び日本三名園に数えられる岡山後楽園は、今年築庭三百年を迎える。
 貞享三(一六八八)年に当時の岡山藩主池田綱政の命によって造営された後楽園は、十四年の歳月をかけて元禄十三(一七〇〇)年に一応の完成をみている。
 後楽園は、林泉回遊式庭園と呼ばれる様式で、荘厳な烏城(うじょう)(岡山城)やなだらかな稜線を描く操山(みさおやま)を借景に、花木・泉などの移り変わる景色や明暗の妙を眺めながらひと回りすれば園内が楽しめるよう設計されている。十三ヘクタールの広大な敷地に開放的で明るいイメージを持ちながら、平安調の曲水や数々の茶亭に表される伝統的な雅の落ち着きを基調としている。一方、わが国で初めて大量の芝生が敷かれた庭園といわれており、また、当時としては最新技術であったサイホンの原理を用いて、そばを流れる旭川から園内に水を引き入れるなど先駆的な面をも併せ持つ庭園である。

美しい地域づくりが基本コンセプト

 岡山県では、西暦二〇〇〇年という節目の年に、後楽園が築庭三百年を迎えたことを県内外に、あるいは国外にも情報を発信できるまたとない契機ととらえ、「おかやま後楽園300年祭」と銘打って一月から一年間かけて、さまざまな記念事業を展開することとしている。世界に誇れる後楽園の歴史的文化的価値を広く再認識していただき、その魅力を後世に伝えていくことは大変意義深いものであり、同時に、文化遺産の価値を十分生かしながらも、新たな魅力づくりの努力も必要であると考えている。
 300年祭は、後楽園・岡山城で九九年大みそか深夜からのカウントダウンで開幕し、正月に書き初め・弓の射初めなどの事始めや独楽、かるた、羽根つきなど今日薄れつつある日本のお正月を再現する。三月は開園記念日にちなみ、亭舎の中を清水が流れる「流店(りゅうてん)」を舞台に曲水の宴、弓場での弓道大会、流鏑馬など後楽園の歴史にゆかりのある伝統行事を行う。八月には城からの御舟入りや園内の宴席など時代絵巻を再現する歴史再現イベントにより、歴史・伝統を体感できる行事を、十月には能・狂言といった伝統芸能により後楽園の魅力を再発見できる行事を開催する。
 さらに夏の夜の庭園をライトアップで演出する幻想庭園の創出や、日本美をテーマに現代芸術のアーティストが錦秋の園周辺を演出する空間アートなど、まったく新しい試みも四季折々に計画している。現在、後楽園の年中行事として行っている鶴の放鳥、茶摘み祭、お田植え祭、観蓮節なども300年祭にふさわしく印象深いものとなるよう工夫を加えることとしており、後楽園を核に岡山を文化の風薫る一年間に仕上げてみたいと考えている。
 後楽園の持つ魅力とのさまざまな出会い・発見・体験を通して、新しい時代に向けて、美しい地域づくり、心豊かな生活創造の機会を創出することを、おかやま後楽園300年祭の基本コンセプトとしている。この記念事業が、県民や岡山県を来訪される方々に新世紀の夢と希望を感じていただけるものとなるよう、盛り上げてまいりたい。


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