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少子・高齢化、高度情報化への対応が課題

全国市長会会長・鹿児島市長

赤崎義則

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 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
 皆様方には、すがすがしい新春をお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。
 さて、西暦二〇〇〇年という極めて大きな節目の年を迎え、いよいよ新しい世紀も目前に迫ってまいりました。新世紀に求められる課題として、社会資本の充実、ゆとりと潤いのある生活空間の創造、国民一人ひとりが豊かさを実感できる都市社会の形成などが挙げられます。また同時に、この二十世紀に国民が一体となって築き上げてきた社会資本や社会的システムをどのように受け継いでいくかということも大きな課題であると思われます。そこには、官民挙げての英知の結集と創意工夫が必要でありますが、政治と行政に課せられる責務は大きく、とりわけ住民に最も身近な都市自治体に課せられる役割と責任がますます大きくなってくると思われます。

分権改革で重くなる都市の責務


 現在、わが国においては全国民の八割近くが都市に居住し、加えて周辺町村に居住する住民も何らかの形で都市との関わりを持っていることを考え合わせますと、都市自治の振興・確立は国家的課題であり、二十一世紀はまさしく「都市の時代」であります。
 折しも昨年七月、関係各位のご尽力により、地方分権推進一括法が成立し、いよいよ今春四月から地方自治の確立に向けた新たな第一歩を踏み出すこととなりました。この一括法に基づく分権改革により、国と地方自治体の関係が、これまでの上下・主従の関係から対等・協力の関係へと改められるとともに、地方自治体の自己決定・自己責任の範囲が拡大され、その責務は極めて重いものになります。
 しかし、地方分権の推進にあたっては、その理念を自治体自らが自覚・実践することはもとより、市民の理解を深め、行政、市民、地域によるパートナーシップの確立を図ることに意を用いなければならないと思っております。

マイナスイメージをプラスに転じる方策を

 全国市長会は、平成十年に創立百周年を迎え、その記念事業として、二十一世紀初頭を展望しつつ、都市自治を取り巻く環境変化と当面する政策課題への認識を明らかにし、これらへの対応の基本的方向を明示した「新時代の都市政策〜人がいきいきする都市をめざして〜」を発表いたしました。
 その中で数々の重要な提唱・提案を行っておりますが、私からは、とくに「少子・高齢化社会への対応」と「高度情報化の進展」を取り上げ、新世紀への期待を込めて、所信の一端を述べたいと思います。
 ご承知のとおり、わが国の総人口は、少子化を背景に伸び率が低下し、合計特殊出生率は人口の置き換え水準である二・一を下回っているため、人口は二〇五〇年ごろまでに一億人程度に減少するものと想定されており、その一方で、二〇一五年ごろには総人口のほぼ四人に一人が六十五歳以上になることが見込まれております。
 このように、少子・高齢化の進展は、わが国がいまだかつて経験したことのない局面をもたらすことになりますが、とりわけ労働力人口の減少により、今後、経済成長率と投資余力の低下が懸念される一方、医療保険、福祉サービスなどをめぐる問題が深刻化するとみられております。
 こうした状況変化に対応するためには、社会経済システムの全体について真剣に取り組まなければならないのであります。
 たとえば、少子対策などは単に行政のみでなく、民間企業を含めた社会全体として、女性が安心して出産・育児を行うことができる基礎条件を整備することが必要であります。
 また、高齢化については、高齢者の多くの方々が、これまでの知識や経験を生かした労働や社会的貢献に意欲を燃やしておられることを踏まえ、これからは、元気な高齢者や女性の活動の場をどのように確保するかが重要な課題になると思います。高齢化などをマイナスイメージとしてとらえるのではなく、むしろ社会経済システム全体を見直し、これを積極的にプラスの方向に転換させる方策を確立し、わが国の活力を維持増進させるよう努める必要があります。

都市は世界各地とのネットワーク拠点


 高度情報化については、その進展・推進が地域活性化対策の面において極めて大きな可能性を持つものと期待されております。時間と距離の制約が克服できることにより、大消費地から遠く離れているというハンディキャップさえ克服することができます。また、都市が世界の各地と結びつき、グローバルなネットワークの拠点として機能する可能性を開くものでもあります。
 これからは、全国市長会に対しても、情報交流拠点としての機能をフルに発揮していくことが求められると思います。その役割は、全国各都市の最新の現場情報を全国市長会に蓄積することであり、また、国その他の動向に関する情報を全国各都市に提供することでもあります。そして、このような情報集積・情報提供を基礎としながら、あるべき政策についての考え方を取りまとめ、これを都市自治体の意見情報として表明していかなければならないと考えております。そしてこれらの情報は、単に行政内部の活用にとどまらず、広く市民との共有を図っていくことが重要であると思います。
 新世紀を目前に控えた今、私は全国市長会会長として、その果たすべき役割に思いをいたし、都市自治の一層の充実発展を目指して新時代にふさわしい活動を展開していかなければならないと決意を新たにした次第であります。

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