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地方分権一括法の精神に沿って

自治大臣

保利耕輔

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 去る平成十一年十月六日に発足した第二次小渕内閣で自治大臣を拝命した保利耕輔です。
 新世紀を目前にして、今日本は大きな岐路にさしかかっていますが、小渕内閣の閣僚の一人として、日本の進むべき道を切り開く役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えています。

分権型行政システムへの転換


 ご承知のように、自治省の役割は、地域住民に最も密着して行政を行う市町村と広域的な行政を所管する都道府県を国の立場から支援していくことであります。
 昨年の通常国会において成立した地方分権一括法は、本年四月から施行される予定であり、地方分権は今や実行の段階を迎えることとなりました。地方分権の精神は、「地域住民に身近な行政は、地方公共団体に委ねる」ということであります。これまで明治以来形成されてきた「中央集権型の行政システム」を変革し、国際化、少子高齢化、情報化の中で進みつつある住民の価値観の多様化などを考慮し、地方公共団体が地域の総合的行政主体として、自らの個性や創意工夫に基づき地域づくりに取り組むことができる「分権型の行政システム」への転換を図ることが、今まさに求められています。
 しかし、当然のことですが、地方分権の推進によって地方公務員の数を増やしたり、組織を膨張させるようなことはあってはならないと考えています。国民負担の増加をもたらすことのないようにしながら、いかに地方分権を進めていくか、国が所管していたほうが効率的だったといわれないようにするか―地方公共団体、とくに市町村は、この問題を十分に考えていかなければならないと考えています。
 このため、地方公共団体においては、行政改革を推進し、簡素で効率的な行政体制を整備していかなければなりません。

市町村合併の機運盛り上がりを期待


 また、基礎的自治体である市町村の行政サービスを維持し、向上させるためには、市町村合併を推進していくことが重要であります。地方分権一括法においても、市町村合併特例法を改正し、思い切った支援措置を盛り込みました。さらに、自治省内に「市町村合併推進本部」を設置するとともに、市町村の合併について指針をお示ししたところでありますので、地域から機運が盛り上がり、積極的に取り組まれることを期待しています。
 このように、地方公共団体の行政対応能力を高めることによって、新世紀における日本のさらなる発展のための諸課題を解決し、さまざまな分野における構造的な変化に対応していくことができると考えています。

税源配分の見直しと徹底した行政改革


 他方、現下の地方財政は、長引くわが国経済の低迷から、借入金残高が急増し、国とともに極めて厳しい状況にあります。このため、地方財政運営に支障が生じないよう地方税財源の確保に努めることが不可欠であり、将来の税制の抜本的改革の方向も見極めつつ、国と地方の税源配分の見直しなどに取り組む必要があると考えています。各地方公共団体においても、徹底した行財政改革の推進や、財政の健全性の確保に留意した、機動的・弾力的な財政運営を行う必要があります。
 また、地域経済の再生さらには新生を図ることは、当面する最も重要な課題であります。国と地方が協力して景気を浮揚させ、これによって税収が増加することを期待しつつ、当面の行財政運営を行っていかなければなりません。景気の本格的回復と新たな発展基盤の確立を目指すため、先般、政府において経済新生対策がとりまとめられたところであり、これに基づく平成十一年度第二次補正予算も成立いたしました。地方財政の状況は極めて厳しいものがありますが、地方公共団体が適切に対応できるよう十分な財政措置を講じておりますので、公共事業などの着実な実施にご努力いただくことを期待しています。

地域活性化へ積極的に支援


 さらに、新世紀において真の分権型社会を実現するために、最も重要なことは「人づくり」(地域社会を支える人材の育成・確保)であります。自治省におきましては、平成十一年度から、事業費一兆円規模の「地域活力創出プラン関連事業」を推進しており、「地域を支える人づくり」や「地域経済の再生」などを積極的に支援することとしています。各地方公共団体においてこれらの施策を活用し、地域活性化への取り組みをさらに積極的に推進されることを心から期待しています。
 今後、私といたしましても、二十一世紀に向けた地方分権時代の実現を目指して、活力ある地域社会の発展のため、国と地方公共団体が一体となって、地方自治の確立に努めてまいりたいと考えておりますので、関係各位の一層のご協力とご支援をお願いします。

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