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環境の世紀を拓く

京都府知事

荒巻禎一


 明けましておめでとうございます。二十世紀の締めくくりとなる年を迎え、これまでの歩みを今一度振り返りながら、新しい世紀への展望を開いていくことが求められています。
 今世紀の急速な科学技術の進歩に支えられた現代文明は、大量生産システムなどを生み出し、物質的な豊かさや快適な暮らしを実現してきましたが、一方で、このようなライフスタイルが要因となり、今日、廃棄物処理に伴うダイオキシンの発生や地球温暖化など、人類の生存さえも脅かす深刻な環境問題を引き起こしています。
 私たちは、こうした環境問題を二十世紀からの警鐘として受け止め、目前に迫った二十一世紀を「環境の世紀」にしていかなければなりません。
 京都府では、優れた自然環境を保つため、「緑と文化の基金」など特徴的な環境施策を進めてきましたが、平成九年十二月の「地球温暖化防止京都会議(COP3)」の開催、「京都議定書」の採択が大きなターニングポイントとなり、これ以降、人類の歴史に残る会議開催地の名に恥じぬよう、「環境の世紀を拓(ひら)く環境先進地・京都の創造」との自負をもって、さまざまな環境施策を展開しています。
 昨年三月には、二酸化炭素などの温室効果ガス排出量について、全国トップレベルの削減目標を設定したほか、地球環境問題への取り組みに府自ら率先して範を示すため、やはり昨年、「ISO14001」の認証を受けたところです。また、舟屋(ふなや)(一階が舟のガレージになっている漁師の家)で有名な伊根町においては、風力発電の実施に向けて風況調査を行ってきましたが、良好な結果が得られたことから、地方自治体のものでは日本最大級となる風力発電を早期に実現したいと考えています。
 また、関西文化学術研究都市にある「地球環境産業技術研究機構(RITE)」では、二酸化炭素を土の中や海底に固定・貯留したり、二酸化炭素からメタノールを作るなどの先端的な研究が行われ、世界から注目を集めております。京都府では、この学研都市で緑豊かな公園整備、下水処理における有機処理やリサイクルなどの実験事業に取り組むなど、「環境共生都市」のモデル事業を推進しています。
 本年十月には、日本海に面した網野町で「第二十回全国豊かな海づくり大会」が開催されます。私たちは、この大会を府民とともに環境保全について考える機会としてとらえ、生命の源となり、人類に貴重な恵みをもたらしてきたかけがえのない海を次代に引き継ぐ大切なイベントとなるよう、準備を進めたいと思っています。
 「京の町家」や暮らしに見られる、すだれ、坪庭、打ち水など環境にやさしい先人の知恵や、長い歴史を生き抜いてきた進取の精神が息づく都市「京都」。こうした特長を存分に発揮し、「環境の世紀」を京都から拓きたい、これが二十世紀最後の年、年頭に当たっての私の決意です。




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