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青森県弘前市 つがる衆立大学 地域の土となる人材育成を目指す 津軽全域が活動の舞台 |
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(財)地域活性化センター企画調査課 |
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細野 理 |
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青森県弘前市は、歴史的な環境を大切に守り育て、国立弘前大学をはじめ、数々の公私立の学校を持つ文教都市として発展し、産業面では、りんごとコメどころの津軽平野の経済中心都市として栄える人口約十七万七千人のまちである。西には富士山に似た美しい秀峰「岩木山」、東には八甲田連峰を望み、その中を南北に貫いて流れている水清らかな岩木川は、広大な津軽平野を潤している。
今回は、この弘前市をはじめとする津軽全域で活動している「つがる衆立大学」を訪問し、事務局長である阿保秀美氏にお話を聞くことができた。
衆立大学は、津軽全域の社会をあらゆる角度から見つめ、地域の土となる人材の育成を目指し、平成九年十月に設立した住民主体の市民大学である。
二つの団体が母体
この大学の前身は「ひろさき創生塾」と「津軽百人衆」という二つの団体で、「ひろさき創生塾」は平成七年に弘前市がふるさと創生資金を活用して、地域で積極的に活躍する人材の育成を目指し、四十人の塾生が集まり、二年間継続で実施された事業である。「津軽百人衆」は地域体験ツアーや津軽三味線フェスティバルなどを実施してきた民間の元気な人たち(約二十のグループ)がネットワークづくりをしようと、昭和六十二年に設立した団体である。
この二つの団体が一緒に活動をするようになったのには理由がある。ひろさき創生塾においては卒塾後の活動の場を求めており、津軽百人衆においては設立後十年以上もたち、メンバーの高齢化と加入者の減少が問題となっていた。そこで、それぞれの悩みを解消するため、ひろさき創生塾のアドバイザーで、津軽百人衆の代表世話人でもある阿保氏の呼びかけで大学が設立されたのである。
組織構成は、学長に元弘前大学教授の石崎宜雄氏、総括アドバイザーに日本ふるさと塾の萩原茂裕氏にお願いし、事務局長の阿保氏、ひろさき創生塾の卒塾生を中心とした事務局員、それに協力者として津軽各地域で活躍する津軽百人衆という態勢で運営している。
衆立大学は年会費一万円と特別講座などによる収益のみで運営され、自治体などからの補助は一切受けていない。授業は十月から始まり、翌年の八月に終了する。一期、二期と終了し、一期には三百人、二期には百五十人、今年度実施している三期は「地域を識(し)ること」をテーマに、現時点で百五十人の参加者がいる(これからでも申し込み可能)。
まちを診断するクリニックツアー
まず初めに行われるのがオープニングガイダンスである。つがる衆立大学の基本理念を理解するために、アドバイザーの萩原氏による講演会を開催する。
衆立大学のメーンとなるのがクリニックツアーと全校セミナーの開催である。クリニックツアーとは隔月に行う事業で、萩原氏を指導ドクターとして、津軽地域のまちの特性(経済、資源、人など)をあらゆる視点で診察する。
今期は鯵ヶ沢町、西目屋村、黒石市、浪岡町の四回を予定しており、現地を実際に訪れることで、自分たちの現状を把握するとともに、訪れたまちとのネットワークを強化することを目的としている。
全校セミナーとは、クリニックツアーを実施した翌月に行われ、ツアーで訪れたまちの調査分析をして、分析した結果をもとにそのまちづくりの企画を練り、発表するのである。
また、不定期ではあるが、特別講座として津軽にかかわりのある方を招へいし、講座を開催している。この講座は一般にも公開し、今期は昨年十一月一日に佐々木誠造青森市長の講座を既に開催した。一月には、明治大学のラグビー部の監督だった北島忠治氏の長男の治彦氏による講座を予定している。
そのほかに、クラブ活動と研究会がある。これは、同じ志・志向を持つ学生による「自らの活動の幅を広げるため」の楽しみを追求するクラブ活動・研究会である。
税収制度の研究会を構想中
クラブ活動には、城下町に古くから伝わる暖簾(のれん)(老舗企業)を馬車に揺られて巡り歩く「暖簾の会」や、杜氏の作業現場を実際に体験する「老舗体験クラブ」、りんごを中心に津軽の風土に適した畑作を体験できる「農業体験クラブ」、弘前公園の壕の悪臭を浄化しようと自前で取り組む「弘前公園浄化クラブ」などがある。まだ取り組みが浅い場合は、事務局がサポートしている。
研究会は今期より実施する事業で、地方行政における地方税収入と地方交付税交付金のメカニズムを調査し、平易に理解することを目的とした「税収制度と地方財政研究会」がスタートする。
昨年の八月には「学園祭」を実施し、パネルトーク“つがる衆立大学が目指すもの”と“津軽の味覚再発見”パーティが開催された。ここで行われたパネルトークというのは、通常のパネルディスカッションとは異なり、演壇もなくパネリストもいない。フラットなフロア中央に司会者である萩原氏がいて、会場内からの意見や実践活動の報告・感想を引き出し、会場が一体となるという非常にユニークな方法で実施された。また、学園祭には津軽各地の市町村長が津軽の住民として参加したことで、より深みのある学園祭を開催することができたと語ってくれた。
こうした衆立大学の活動が津軽各地の市町村民に認められ始め、市民一体のまちづくりが進められようとしている。全国の多くの自治体がこういった市民の活動をバックアップし、多くの市民の声を施策に反映すれば、よりよいまちづくりができるのではないかと感じた。
最後に事務局からのメッセージ。「遠くに住んでいる学生のために、隔月の割合で広報紙『WHO-DO』を発行しています。官民問わず、興味があったら参加してみませんか?」
つがる衆立大学プロフィール
●設立年=平成九年十月
●設立・運営主体=自主的組織
●代表者=学長 石崎宜雄
●会員数=百五十人(男百人、女五十人)
●事務局長=阿保秀美
●事務局=弘前市楮町1-7 TEL 0172-38-0630
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