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| 事例5 岐阜県 | |||
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| 岐阜県世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ | |||
| 交流人口の増加と「21世紀の人づくり」の推進を目指す | |||
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| ●自治体Data ●行政側の声 ●指定管理者(実際に管理運営する方々)の声 | |||
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「岐阜県世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ」は、愛知県に隣接した岐阜県各務原市内の「河川環境楽園」の中にある。ここは、国営公園、岐阜県営公園「世界淡水魚園(愛称:オアシスパーク)」のほか河川環境を研究する国や県の施設からなり、東海北陸自動車道川島PAからも入園のできる環境共生型テーマパークとして平成11年度に開園した。当公園は開園後も、水族館をはじめとした各種施設整備を進め、現在でも、東海地方において集客力のある公園として上位にランクされるなど、知名度も高く、利用者が多い施設である。また、この水族館では、「木曽三川・長良川の源流から河口までと世界の淡水魚」をテーマとして、自然環境を再現した展示がなされている。 この水族館の整備は、国、県及びJHが共同でパーキングエリアに併設した公園を造るというコンセプトから始まった。当初から、岐阜県は交流人口の増加と環境教育実践の場を提供することを目的として、岐阜県営公園「世界淡水魚園」の敷地内に、水族館の整備計画を立てていた。その後、PFI的手法を活用し、三菱商事株式会社が出資した有限会社ジー・エフ・エーが整備することとなり、平成16年3月に竣工、同年7月にオープンした。 この水族館は、有限会社ジー・エフ・エーからリースを受けた岐阜県が公の施設として運営することとなっていたが、それには専門的な知識が必要とされるため、当初から実績のある民間に業務委託をすることにしていた。しかし、地方自治法の改正により、民間企業も利用料金制により、管理運営などの経費を入館料などで賄う独立採算で運営することが可能となり、指定管理者制度を導入することとなった。 選定までの取り組み 前述のとおり、平成14年3月に株式会社江の島水族館(現 株式会社江ノ島マリンコーポレーション)と覚書を交わし、水族館の運営業務を委託することが決まっていたため、公募はせずに同社を指定管理者の候補として考えていた。しかし、水族館のオープンは平成16年の夏を予定していたため、改正地方自治法の施行以降、都市公園条例の改正、指定管理者の選定手続きや協定書の締結は急ぐ必要があった。 平成15年12月に都市公園条例の一部を改正する条例を公布し、翌年1月には6名の専門家からなる指定管理者審査委員会にはかり、指定管理者候補として適当であると認められた。そして、その審査結果を踏まえ、3月には県議会の議決を経て、7月に協定書の締結を交わした。 指定にあたっては、期間を30年間という長期に設定することとした。理由は、魚類、両生類などの生き物を育て、繁殖するという水族館運営の特別な事情もあり短期間の指定とすることはふさわしくないこと、また、水族館を県が有限会社ジー・エフ・エーから30年間(平成46年3月31日まで)リースすることから、その期間と合わせることで、指定管理者と施設の所有者が連携して運営しやすいと考えたからである。 なお、協定書では、指定管理者が赤字を出しても県は補填しないこととしており、逆にある程度利益が上がった場合は県に一定額を収めることとしている。 指定管理者による施設の管理運営状況 株式会社江ノ島マリンコーポレーションは、前身の株式会社江の島水族館からあわせて創業50年を超えており、神奈川県において水族館の管理運営実績がある会社である。施設の運営は、主に地元で雇用された正規職員35名が中心となって行っており、レストランと接客・窓口業務は外部の専門会社に業務委託している。また、地元学生や社会人ボランティアが、主に展示飼育(体験学習)のスタッフ補助業務を行っている。 同社は、自主性、国際性をモットーに岐阜県をはじめとする関係機関と連携を図り、「エデュテイメント」、「フィールドミュージアム」、「環境教育」、「生涯学習」などを常に念頭におきつつ、お客様に満足していただける対応を運営方針としている。組織内に体験学習のセクションを設けて、様々な環境学習プログラムを実施したり、学校から要望があれば出張して講義を行ったりしている。また、年間パスポートを入場料2回分の金額で設定し、地元住民やリピーターが利用しやすい仕組みを作っている。開館時間は9:30〜18:00であり、休館日は基本的に設定していないが、県営公園の閉園日にあわせて臨時休館している。 平成16年度の入場者数は目標である51万人を大きく上回る74万8千人を記録しており、黒字を出すなど経営状況は好調である。 導入後の効果や今後の課題 水族館という施設は、社会教育を行う場であるとともに、娯楽を提供する場でもある。そのためには飼育する水生生物の種類の充実を図るだけではなく、定期的に話題となるイベントや展示を行う必要がある。行政の運営は、予算化し実施するまでに時間がかかり過ぎることがあるが、民間業者の運営は、行政ほどの手間がかからず、柔軟な運営やタイムリーな施策が可能となるため、制度を導入するメリットがあったと考えられる。 しかし、一方で、施設は県営公園内にありながらも、県営公園自体が国営公園と一体的に運営されていることや、PFI的手法により施設所有者が別にいる。そのため、指定管理者は県以外にも国や施設所有者などとの連携が必要であり、些細なこともそれらの団体と調整し、解決していかなければならない。このような場合、必要に応じて県も調整役となり、スムーズな運営ができるように支援しているが、県が施設を所有し管理運営をする場合と比べると、手続きや連絡調整が煩雑になっている一面もある。
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| 自治体Data | |||
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○制度導入までに苦労した点は 水族館のオープンの日が決まっており、制度導入までに時間が無く、また、導入事例があまりない状況でもあったため、オープンまでは試行錯誤の連続でした。 また、都市公園は地方自治法のほか都市公園法も適用されることから、この法が規定している設置許可や管理許可との関係を整理するのに苦労しました。 ○指定管理者制度に対する考え・意見(メリット・デメリットなど) このような集客施設においては、行政に比べ経験で勝る民間の方がより効率的な運営とより創意工夫を凝らした自由な運営が可能ですので、制度を活用するメリットがあると思います。 しかし、ただ制度を導入すればすべての問題が解決されるという事ではなく、導入にあたって、施設の設置目的が達成されるように仕様書などにおいて、様々な工夫を行うべきだと考えます。 また、制度を導入しても、最終的な管理責任はあくまでも県にあるため、調整事項も多くなることが考えられます。 ○指定管理者の運営に対する考え(期待や要望など)は 今後も赤字を出さずに安定した経営を継続すること、環境教育プログラムなど教育的な業務をより一層充実させること、この両者のバランスをうまく取りながら運営していただきたいと考えています。 ○指定管理者に対する行政側の支援・指導・関わり方などはどのように考えていますか 施設の運営には、県、指定管理者、施設所有者が関わっており、関係者相互間の緊密な連絡調整をしなければスムーズに運営できないと認識しています。このため、毎月1回維持管理に係る定例会を開催するなど、行政としても積極的に関わっていきたいと考えています。特に、最終的な施設の管理責任はあくまでも県にあるため、指定管理者に対する指導監督をしっかりしていきたいと考えています。 ○今後の取り組みは 指定管理者が計画どおり事業を実施しているかを検証するため、その実績を評価する事業評価委員会が必要であり、今設置の準備を進めています。この委員会は、県のしっかりとした指導監督体制を確立するために「施設を熟知した専門家による中立的な意見を聴くことを主目的とする組織」として設置する予定です。
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弊社としては、長い業績で培ってきた水族館展示及び運営のノウハウを社業としてさらに発展させることができ、また、この事業に参加することにより、地域の皆様に喜んでいただけるという社会貢献にも資すると判断し、申請することにしました。また、博覧会での出張催事を行っている実績、自治体からコンサルタント業務を依頼された実績、さらに50年以上の水族館経営の実績がありますので、参入するのには不安はありませんでした。特に、この水族館は国内を代表する淡水水族館であり、海外にも誇れる内容となっていることから、昭和29年より水族館経営をして参りました弊社のノウハウ、経験のほか、この展示内容を安定した状態で30年間維持管理運営ができる業務実績、さらには水族館の施設展示計画の内容が選定にあたって評価されたと思っています。 ○管理運営で心掛けている点は お客さまが満足していただけるようなサービスの提供や、費用対効果を念頭に置きながら安定した経営ができるよう心掛けています。岐阜県が指定している絶滅危惧種の保護、繁殖や飼育なども行っておりまして、これらの活動は水族館の使命と思っています。 また、水生生物の専門家として住民の皆さんからの要望があれば、常に対応できるようにしています。例えば、大雨の後、特別天然記念物のオオサンショウウオが見つかった場合は、保護したこともあります。水生生物の飼育に関して小学生から質問があればお答えしています。これもまた水族館の使命と思い行っております。 ○指定管理者制度に対する考え・意見 業務委託は決められた範囲内だけの業務になりますが、指定管理者となると館全体の運営の責任や義務も負いますので、その点では大変です。しかし、頑張った分が地域の活性化につながり、成果や利益として現れ、やりがいを感じますので、魅力ある制度だと思います。 また、教育学習施設であるため安定的経営が必要となります。そのため、利用料金の収益を維持する方法だけでなく、経費負担などの自治体補助、支援も継続的に念頭においていただきたいと思います。 指定期間が30年となっていることは、短い期間であると思っています。環境教育施設だけでなく文化・観光施設の役割も担っている水族館は、経験上、地域に根付くのに時間がかかるからです。 ○今後の取り組みは 研究施設などの周辺施設との連携の強化、環境学習プログラムの充実、淡水魚の保全と希少種の保護、メコンオオナマズの調査研究、地域貢献活動に取り組んでいきたいと考えています。特に淡水魚の保全については、「淡水魚保全研究委員会」に参画し、現在活動に取り組んでいます。
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